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瀧澤信秋

ホテル評論家

瀧澤信秋

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。ホテル評論の第一人者としてゲスト目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。人気バラエティ番組から報道番組のコメンテーター、新聞、雑誌など利用者目線のわかりやすい解説とメディアからの信頼も厚い。評論対象はラグジュアリー、ビジネス、カプセル、レジャー等の各ホテルから旅館、民泊など宿泊施設全般、多業態に渡る。著書に「ホテルに騙されるな」(光文社新書)「最強のホテル100」(イーストプレス)「辛口評論家 星野リゾートに泊まってみた」(光文社新書)など。

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    • 瀧澤信秋

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      当然、通常時のホテル営業とは全く異なる運営になるが、このような非常時の対応については経験のないスタッフばかりかと思料する。とにもかくにも現場第一線で対応するスタッフへの手厚いフォローアップを期待したい。今後同様のホテル利用について貴重なケーススタディとしても注視したい。

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      感染者数の激増が指摘される都市部におけて、アパホテルは軒数・供給客室数共に圧倒的ボリュウムであることに加え、立地や規模(大小)も多様であり要請にマッチしたフレキシブルな施設提供が期待できる。概して客室面積は限定的ではあるが、宿泊特化型という点でいえばベッドのクオリティ(オリジナルマットレス(クラウドフィット)やデュベスタイル)、大型テレビの標準化など快適に“泊まる”ことに特化する客室という点も特徴的。新型コロナウイルスによる一般ユースの需要激減を鑑みれば、ある種今後ホテルにとって選択しうるひとつ方向性である。受け入れ要請によるものとのことだがアパホテルのトップダウン的スピード感にはやはり驚く。いずれにしても現場スタッフの徹底的なケアについても今後同様のケースにおける先取的な例になるだろう。

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      ホテルには様々なスタイルがある。機能面で言えば宿泊のほかに宴会やウェディングなどもあるシティホテルや宿泊に特化したビジネスホテル。立地でいえば都市型ホテルにリゾート地のホテルなど。リゾート地のホテルは繁忙期が勝負というように、稼ぎ時のピークが特定のイベントなどにフィーチャーした際立つ立地のホテルもある。今回のような想定外大量キャンセルともなると痛手は相当であることは想像に難くない。

      日々、ホテルに関する深刻な影響が報道されている。ホテルも装置産業と言われるが、充分な装置や設備を整えれば一定の収益が得られるという前提で莫大な先行投資がなされている側面もある。もちろん経営計画にリスクヘッジは織り込み済みであろうが、ここ数年のインバウンド活況、沸騰から急転直下の事態に、想定外にもほどがある、もはやいま何が出来るかを考えられるような場面ではないというホテル関係者は多い。

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      少し前から陰りが見えだしていた訪日外国人旅行者の動向であったが、韓国の問題そして今回の新型コロナウィルス問題で、インバウンドに依存してきたホテルや旅館について深刻さが際立つ。特に資本力のない観光地のホテルや旅館は死活問題に直面している。未だ出口が見えない問題であり、具体的な損失額や稼働の低下率などデータが出そろうまでは時間を要するが、日々予断を許さない状況が続いている。都市型ホテルも同様であるが、従前から日本人ゲストにフィーチャーしインバウンド率をコントロールしてきたホテルの中には、大きな影響は見られないという関係者の声も多い。いずれにせよ東京オリンピックを控えた時期でもあり、宿泊業界にとっても最悪のタイミングであることは間違いない。

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      ポイントを不正取得が目的の予約は論外であることは当然だが、予約サイト側のポイント付与にかかわるシステムについても改善される契機になることを期待したい。

      予約サイトで気軽にホテル予約ができる時代になったが、予約とは契約の申し込みであり、施設側の承諾により成立する法律行為であることを利用者は改めて認識する必要がある。無断キャンセルの予防策として事前の一時金預かりや事前クレジット決済を標準化すべきという声は業界でも強い。

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      星野リゾートの施設立地といえば観光地・リゾート地というイメージであるが、OMOは星野リゾートの都市型ホテルブランド。OMOという名称は外国人にも発音しやすい等の点から社内公募で選ばれた。OMOの後に付く数字は客室の広さや館内設備などのスペックの幅を表し利用者がわかりやすいよう0~9の数字が振られている。OMO第1号の施設は2018年4月に開業した「OMO7 旭川」。OMO7旭川に続き2018年5月に開業したのが「OMO5 東京大塚」。大塚は山手線の駅としては比較的マイナーであるが都電も走る下町的な雰囲気もある街で、旭川同様エリア全体をフィーチャーしグルメや注目スポットばかりではなくサブカルチャーからナイトレジャー、歴史や文化などホテルのガイドによるツアーも催されている。ホテル単体だけの魅力ではなくエリアも味方にしてホテルの価値を高めるコンセプトは今後も増えていくだろう。

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      ホテルの無断キャンセル問題は宿泊業界でも喫緊の課題とされている。ネット予約の普及により気軽に予約できるようになり、特に何軒も仮押さえをして(故意も含め)キャンセル手続きをしないことも指摘されている。キャンセルフィーの規定はホテルにより様々であるが3日前から発生するようにケースが多く見られる。ただ、キャンセル料が発生する期間でのキャンセルであっても、病気や事故、交通機関の不通といったやむを得ない事情の場合、キャンセル料の請求をしないことを暗黙の了解とするホテルも多い。人気の高いホテルや旅館では予約金の入金を予約成立条件にする施設も一部見られるが、人気施設ゆえに可能なえ強気のスタンスともいえる。事前クレジットカード決済を標準化すべきという声も強いが予約萎縮も懸念する施設も多く実現には至っていない。とにかく「キャンセルの場合は早めの連絡を」というのはホテル・旅館の切実な願いだ。

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      ビジネスホテルとは宿泊に特化したホテル(リミテッドサービス)をいい、シティホテルとは宿泊以外にも料飲やバンケットなど多様なサービスを提供するホテル(フルサービス/基本的にはリゾートホテルもフルサービスタイプ)を指す。昨今ではカテゴリーのボーダレス化も進んでおり、シティホテルのビジネスホテル化や豪華ビジネスホテル、旅館のホテル化等も顕著だ。

      LCCをはじめとした低廉な移動手段は、これまで旅に行けなかったような層の訪日も可能にし旅行者“数”の激増の一因となった。旅の予算は旅行者それぞれで民泊やゲストハウスも外国人で賑わっている。

      世界的に日本のホテル料金はグレードと比してかなり安いといわれ、日本のビジネスホテルのリーズナブルさを支持するゲストも多い。一方、ラグジュアリーな施設は相応の顧客ニーズを掴んでおりまだまだ不足していることは確か。訪日外国人旅行者数よりも消費額が重要だ。

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    • 瀧澤信秋

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      ホテルの料金は繁閑、需給で変動するのが一般的である。業界ではレベニュー・マネジメントといわれる。これは航空会社などでも用いられる手法で、ホテルの空室や飛行機の座席など「在庫の繰り越しができないビジネス」において、需要を予測して売上高の最大化を目ざす販売管理方法といわれ、多くのホテルが取り入れている。ただ、“正規料金の○倍まで”というように上昇幅にも一定のルールを設けているホテルも多い。

      一方、時に非常識な便乗値上げとおぼしきケースもみられ、キャンセル料100%・事前カード決済などの縛りも散見する。まだ予約開始していない宿泊施設やこれから新規に開業するケースや、郊外の施設、一般の予約サイトに掲載されない一般利用のできるレジャーホテルなど多様な選択肢があるので、慌てず冷静な情報収集が肝要だ。

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    • 瀧澤信秋

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      記事筆者として温泉について少々補足を。ドーミーインの天然温泉はボーリングした自家源泉のほか温泉地から運んでくる運び湯も(運び湯であっても天然温泉との表記は可)。若干ではあるが諸事情により天然温泉が採用されていない施設。その場合“人工温泉”という表記、機器の設置すらも厳しいような場合にはハーブ等用いた“変わり湯”等、天然温泉大浴場というイメージのブランドだけに、設備や条件の一貫性への苦労も垣間見える。また、多くの店舗で「内湯:天然温泉/露天風呂:さら湯(浄水)」と区分されている。さら湯の露天風呂では果実湯など季節感のある演出を施す。果実湯ひとつとっても、フルーツの香りを出すために「りんごであれば何カ所穴を空けると効果的か」などの研究も。デザインやレイアウトは施設によってビジネス客と観光客の割合なども鑑み作成、開発部門と事業部門で綿密な打ち合わせがなされるという。

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