竹村俊彦

九州大学応用力学研究所 主幹教授 報告 オーサー

今日の岩手県での微小粒子状物質(PM2.5)と浮遊粒子状物質(PM2.5よりも大きい粒子を含む)の濃度の観測値を見ると、大きな差がありません。黄砂が飛来すると両者の差が大きくなる、つまり黄砂に特徴的な大きな微粒子が増加します。したがって、本日は黄砂ではなく主にPM2.5によって大気が霞んでいると推定できます。各地の気象台では目視で黄砂の飛来を観測しており、黄砂かどうかの成分分析はしていないので、このような齟齬が生じます。気象庁には以前からPM2.5と黄砂を区別するために、微小粒子状物質と浮遊粒子状物質の両者の観測値を参照するように進言しているのですが、現場まで浸透していないようです。ただし、上空に非常に薄く飛来した黄砂が雨でPM2.5とともに落ちた可能性はあります。
[追記]気象衛星ひまわりの画像からも上海付近からの帯状の霞が北日本に届いていることだけ確認でき、これは黄砂ではありません。

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竹村俊彦

九州大学応用力学研究所 主幹教授

1974年生まれ。2001年に東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。2001年から九州大学応用力学研究所助手。2006年から同研究所准教授。2014年から現職。専門はコンピュータを使った大気中の微粒子(エアロゾル)により引き起こされる気候変動・大気汚染の数値シミュレーション。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書主執筆者(Lead Author)。SPRINTARS PM2.5・黄砂予測を運用。Highly Cited Researcher(高被引用論文著者)に選出中(6年連続)。2018年度日本学士院学術奨励賞・日本学術振興会賞。

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