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竹村俊彦

九州大学応用力学研究所 教授

竹村俊彦

1974年生まれ。2001年に東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。2001年から九州大学応用力学研究所助手。2006年から同研究所准教授。2014年から現職。専門はコンピュータを使った大気中の微粒子(エアロゾル)により引き起こされる気候変動・大気汚染の数値シミュレーション。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書主執筆者(Lead Author)。SPRINTARS PM2.5・黄砂予測を運用。地球科学分野で日本人で唯一Highly Cited Researcher(高被引用論文著者)に選出中(5年連続)。2018年度日本学士院学術奨励賞・日本学術振興会賞。

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    • 竹村俊彦

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      本日の別記事(運動会練習中の熱中症)でもコメントしましたが、気候変動を防ぐために温室効果ガスを削減する「緩和策」とともに、すでに起こっている気候変動の影響を減らすための「適応策」が非常に重要です。学校はこの適応策を講じなければならない箇所です。日々のカリキュラムは過密状態でしょうが、異常気象の影響を直接受ける屋外活動については、時期を再考したり、天気予報を参考にして日程を少しずらずなどの柔軟性が許容できるような工夫が必要です。そのためには、個々の学校の対応だけでは限界があるので、各自治体で取り組むことが必須です。自治体には、昨年12月に施行された気候変動適応法において、気候変動適応計画を策定して推進する努力義務が課せられています。

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      人間が排出を続けた温室効果ガスにより、地球は余分なエネルギーを着実に蓄え続けています。その結果として気候変動が起こり、極端な高温や降雨の頻度が増加していることも科学的にはっきりしてきました。
      温室効果ガスの排出を削減する「緩和策」とともに、すでに起こっている気候変動の影響を減らすための「適応策」が非常に重要です。昨年12月に気候変動適応法が施行され、公立学校を管轄する各自治体においても、気候変動適応計画を策定して推進する努力義務が課せられています。運動会やその練習中に熱中症で病院へ搬送される事例が後を絶たないことから、適応策の1つとして、運動会の時期の変更や柔軟性を持たせた運用の必要性は自明でしょう。日々のカリキュラムは過密状態でしょうが、命を危険に晒すのを避けるのは最優先事項です。Yahooニュース個人の記事にて解説したとおり、西日本・東日本での運動会は10月中〜下旬が最適です。

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      二酸化炭素などの温室効果ガスが人間の活動により急激な上昇を続けていることは、観測から明白です。それにより、大気・海洋・陸面はエネルギーを着実に余分に蓄え続けています。その結果として、極端な高温や降雨の規模や頻度が増加していることも、科学的にはっきりしてきました。
      科学的根拠に基づき、二酸化炭素の排出を削減する「緩和策」とともに、気候変動はすでに起こっているものとして、その影響を減らすための「適応策」が非常に重要です。このニュースで報じられている運動会は、「適応策」をしなければならない身近な一例です。私もYahooニュース個人の今年5月の記事にて解説しましたが、気象観測データに基づくと、西日本・東日本での運動会は10月中〜下旬が最適です。学校行事は非常に多く、かつ様々な条件から日程調整は難しいかもしれませんが、子供たちが危険な状態になることが予期できる状況に晒すのは、最優先に避けるべきです。

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      毎日新聞の記事にはオーサーコメントが投稿できないようなので、こちらに投稿します。
      物理法則に従って大気中の物質の流れを計算する場合、通常は時間を追って計算しますが、この研究では時間をさかのぼって計算することにより、実測された濃度のCFC-11がどこから来たのかを調べました。CFC-11は非常に安定な物質であり、かつ、雨で空気中から洗い流されたり重力で落ちてきたりしないので(そのためにオゾン層まで到達します)、PM2.5や光化学オキシダントとは異なり、計算は比較的容易で精度は高いでしょう。
      なお、オゾン層を破壊しないフロンガス(代替フロン)は、各家庭のエアコンや冷蔵庫など、身近なところで使用されています。しかし、代替フロンは、オゾン層は破壊しませんが、強力な温室効果ガスであることには変わりなく、リサイクル時にも徹底した管理が求められますので、そのことを1人1人が認識する必要があります。

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      今日の岩手県での微小粒子状物質(PM2.5)と浮遊粒子状物質(PM2.5よりも大きい粒子を含む)の濃度の観測値を見ると、大きな差がありません。黄砂が飛来すると両者の差が大きくなる、つまり黄砂に特徴的な大きな微粒子が増加します。したがって、本日は黄砂ではなく主にPM2.5によって大気が霞んでいると推定できます。各地の気象台では目視で黄砂の飛来を観測しており、黄砂かどうかの成分分析はしていないので、このような齟齬が生じます。気象庁には以前からPM2.5と黄砂を区別するために、微小粒子状物質と浮遊粒子状物質の両者の観測値を参照するように進言しているのですが、現場まで浸透していないようです。ただし、上空に非常に薄く飛来した黄砂が雨でPM2.5とともに落ちた可能性はあります。
      [追記]気象衛星ひまわりの画像からも上海付近からの帯状の霞が北日本に届いていることだけ確認でき、これは黄砂ではありません。

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      ヨウ化銀は、すでにある程度発達した雲の中に散布するというのが前提条件です。これにより、雲粒の成長を促進させて雨粒へ成長させやすくするという効果が見込めます。したがって、もしこの記事の写真の状況でヨウ化銀を散布しても、雲がないので意味がありません。また、そもそも、現在の技術で人工降雨を期待できる範囲は、深刻な大気汚染の範囲よりもはるかに小さいです。人工降雨は、例えば水源を狙って雨を降らせるといった可能性があるというものです。

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      人工衛星から捉えられる森林火災の状況を見ると、中国東北部で発生している比較的大規模な森林火災の煙が北海道に一部流れてきている可能性が高いです。日本列島に中心を持っていた高気圧が昨日から今日にかけて東へ進み、オホーツク海のはるか沖に中心を持つ低気圧があるため、西風によって煙が引きずられた状況でしょう。中国東北部の森林火災が続いた場合は、気圧配置によっては煙が北海道へ再度流れてくる可能性はあります。

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      タイ北部やカンボジアは、およそ12月から3月が乾季で、ほとんど雨が降りません。そのため、この時期に焼き畑をして次の作付に備えます。つまり、この地域でのこの時期の煙害は以前から問題でした。焼き畑からは、都市部の大気汚染と同様に、PM2.5などの多くの大気汚染物質が発生します。さらに近年は、大規模な農場が増加することによって焼き畑が拡大し、都市部では化石燃料消費による大気汚染が加わって、問題は深刻化しています。焼き畑は、次の作付に備える最も低コストな方法として伝統的に行われてきましたが、その規模が拡大していることから、制限することが根本的な対策です。しかし、焼き畑は低コストであることから、農村部の経済力が向上したり、政府が本質的な支援をしたりしない限りは、改善は難しいでしょう。ちなみに、人工降雨は、限られた条件や地域でのみ効果の可能性があるという技術なので、広範囲での効果は見込めません。

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      島民の皆様の状況が心配です。気象庁が実施している降灰予報によると、口永良部島以外にも、風向の影響で屋久島でも多量の降灰が予測されています。また、種子島にも影響がありそうです。火山灰を含む空気を吸い込むと呼吸器に大きな影響があるため、多めの降灰が予測される地域では外出を控えること、外出しなければならない場合はマスクをすることが必要です。

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      これは国連環境計画(UNEP)がCOP会議前に毎年「科学的知見に基づいて」公表する「Emission Gap Report(排出量のギャップに関する報告書)」というものです。何も対策をしないと2030年の温室効果ガス排出量は1年あたり65ギガトンと見込まれますが、各国の現在の削減目標達成では59ギガトンになります(つまり6ギガトン削減)。しかし、産業革命前と比較して2度の昇温に抑えようとすると(すでに1度弱上昇してしまっていることに注意)、40ギガトンにする必要があり、さらに6ギガトンの3倍程度の排出量削減の上積みが必要ということです。地球温暖化による豪雨や熱波の頻度増加が確からしいことが科学的に調べられてきた現在、その被害を熟考し、政策だけに頼るのではなく、排出量削減をコストと捉えるか新しいことを生み出すチャンスと捉えるか、人類1人1人のそれぞれの立場での意識向上が鍵でしょう。

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