園田寿

甲南大学法科大学院教授、弁護士 報告 オーサー

田代まさしが、NHKのある番組に出たときに、刑務所にいたときは、毎日朝から晩まで、「薬やりてぇ~」、「出たらどうやってまたやるか」ということばかり考えていたと言っていた。こんなことを公言するくらいだから、必死で薬への欲求と戦い、周囲の支えもあって、何とか薬への欲求を抑えることができているのだと思っていた。逮捕のニュースは本当にショックだった。事実なら実刑になるだろうが、彼は塀の中でまた、「ああ、薬やりてぇ~」と毎日心の中で叫びながら過ごすことだろう。
覚せい剤を製造する、人に売る、人に打つ、すすめる等の行為の悪質性と当罰性の高さはどんなに強調してもしたりないくらいだが、人格破壊の防止と暴力行為への親和性から自己使用の処罰も肯定されている。しかし、それじたい他者侵害的行為ではなく自傷行為といえる薬物自己使用を処罰することに意味があるのかと考えざるをえない。本来は、医療・保健の問題ではないか。

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園田寿

甲南大学法科大学院教授、弁護士

1952年生まれ。関西大学大学院修了後、関西大学法学部講師、助教授をへて、関西大学法学部教授。2004年からは、甲南大学法科大学院教授(弁護士)。専門は刑事法。ネットワーク犯罪、児童ポルノ規制、青少年有害情報規制、個人情報保護などを研究。主著に『情報社会と刑法』(2011年成文堂、単著)、『インターネットの法律問題-理論と実務-』(2013年新日本法規出版、共著)、『改正児童ポルノ禁止法を考える』(2014年日本評論社、共編著)、『エロスと「わいせつ」のあいだ』(2016年朝日新書、共著)など。趣味は、囲碁とジャズ。【座右の銘】法学は、物言わぬテミス(正義の女神)に言葉を与ふる作業なり。

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