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千田有紀

武蔵大学社会学部教授(社会学)

千田有紀

1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。

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    • 千田有紀

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      長崎での元夫による元妻のストーカー殺人事件が、起こったばかりである。元妻は警察に相談していたが面会交流を取り決めており、子どもを元夫に会わせに行かざるを得なかった。元夫も自殺し、2歳の子どもは両親を失った。面会交流が履行されなければ、1回100万円の間接強制を命じる判決が、報道されたばかりのタイミングだった。

      この親子断絶防止法は、DVや虐待に関しても「特別な配慮」をするというのみで、財政的にも、具体的根拠が何もない。面会交流の取り決めをしないと。逃げられない。さらに同居する親に面会交流の責任を負わせる構造になっており、別居親は何の義務もない。虐待が認定されなかった、子どもが嫌がるなどの事情で履行されなければ、別居親は間接強制で罰金をとることが促進されるだろう。また附則で、子どもの居場所の指定や共同親権検討まで書かれている。議員立法の必要があるのか? 養育費のほうがよほど重要ではないのか

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    • 千田有紀

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      親権が確定していない状態での面会交流の難しさを浮き彫りにした事件である。
      多くの国では、面会交流の取り決めに裁判所が介入するだけではなく、無料、もしくは安価で面会交流をサポートするセンターを利用可能で、ソーシャルワーカー、カウンセラー、児童心理学者、警察などが長期にわたって裁判所と連携している。
      ところが日本では、そうした仕組みは皆無に近い。ここ数年、裁判所は子どもの意思やDVをほぼ斟酌せず、原則面会交流を命じる方向転換をしている。すでにトラブルは頻出しているが、「罰金」で問題は解決するのだろうか。
      例えば子どもが拒否した場合、同居親は子どもを引きずっていくか、金銭的負担をするしかない。丁寧に親子に寄り添い、サポートする仕組みが必要である。
      ちなみに今国会で審議対象の親子断絶防止法は、別居親に責任は皆無で、同居親だけに面会交流の責任を負わせる世界的にも珍しい構成になっている。危惧を覚える