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安達智史

近畿大学総合社会学部准教授、ちたビジョンプロジェクト設立者

安達智史

グローバルな多文化空間をフィールドとする社会学者。京都府出身。博士(文学、東北大学)。日本学術振興会特別研究員(DC、PD、海外特別研究員)、Institute of Community Cohesion客員研究員(英国)、University College London客員研究員(英国)などを経て、現職。専門は、社会学理論、グローバル化論、現代ムスリム研究、社会統合の政治哲学、ジェンダー論など。著作は、『リベラル・ナショナリズムと多文化主義—イギリスの社会統合とムスリム』勁草書房(20 13年)など多数。第9回日本社会学会奨励賞(論文の部)、関西社会学会大会奨励賞(62回大会)を受賞。

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      マレーシアでも、COVID-19はかなり深刻に受けとめられている。3月18日からはじまった移動禁止令は、ラマダンの最初の週を含む、4月28日まで延長された。禁止令は、さらにラマダンが終わるまで延長されるかもしれない。
      マレーシアは、イスラーム教を国教としながら多民族・多宗教国家なので、数多くの宗教に基づく休暇があり、とくにラマダンの時期には多くの人々が故郷に戻る。ただし、移動禁止令が出たために、今年のラマダンの様子は大きく異なるであろう。マレーシアの風物詩であるラマダン中のバザールも禁止され、オンライン(E-Bazaar)での実施がおこなわれる見通しとなった。
      問題は、各地に存在しているスラムである。スラムでは、密集を避けることは難しく、また情報や知識がない住民が多く、対策が難しい。
      今後はさらに、遺体の処理、宗教活動の抑制などを含め、多レベルの感染リスクの抑制策が実施されるであろう。

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      9年前、私は仙台で被災しました。当時、老夫婦の暮らす木造建ての2階に住んでいました。この大家が暮らす1階と私が住む2階は区切られており、接点は月に1度の家賃の手渡しだけでした。ですが震災後、ライフラインを遮断された私は、大家の暮らす1階に身を寄せることになりました。彼女/彼らは食事や寝床を提供してくれ、逆に私は食料や情報を得るために奔走しました。こうした共同生活は数週間続きました。
      この経験が示すのは、人と人のつながりはたとえ些細なもの(ex.家賃の手渡し)であっても、いざというときに意味をもつということです。現在発展するAIやスマホなどの情報技術・機器は、災害後のよりきめ細かい支援を可能にしています。ですが、情報から遮断された状況にある被災直後の人たちにとって、直接の助け合い以上に貴重なものはありません。そして、災害時の助け合いは平常時のつながり次第だと、被災経験を通じて実感しました。

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      モスク建設は良きことである。モスクは単に礼拝だけでなく、教育、情報交換、コミュニケーションといった、イスラーム教徒にとっての不可欠な機能を備えたコミュニティである。外国人であっても日本人であっても、仲間と出会える場が近くにあることは、イスラーム教徒の人たちにとって心強いことである。特に災害などの危機時、外国人やムスリムが必要とする情報や支援の拠点としてモスクが役立つのである。モスク建設は日本にとっても望ましいことである。イスラームとの出会いが、日本社会の多様性を高めるとともに、「異なる」と考えられている人たちとの間に多くの「共通性」を見出すことで、そうした人々とのより活発な交流が深まるためである。逆に、そうした交流の可能性が開かれず、多様性がもつ活力を利用できなければ、少子高齢化という(自力では解決不可能な)課題に直面する日本が成熟したグローバル社会のなかで生き残ることは困難だといえよう。

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      外国人児童・生徒の不就学は現場では長年認識されている問題だが、その対応は個々の学校で異なっている。外国人の子どもの日本の学校への就学は「権利」ではあるが「義務」ではなく、結果、不就学問題は放置される傾向にあった。こうした制度的欠陥を背景としたとき、不登校になった場合、教師が外国人の子どもを学校に連れ戻す動機づけが弱く、不就学者はそのままドロップアウトすることになる。また、日本で短期間働き、母国に帰国しようとしている(ただしそうした希望は往々にして満たされない)両親は、子どもを日本の学校に通わせることに意義を感じず、それが不就学につながることも多い。今後、政府には、この調査データを踏まえ、現場やコミュニティへの支援や法改正を通じて、外国人児童・生徒の不就学問題に真摯に取り組んでもらいたい。これらの子ども多くは、日本の子ども同様、今後、人口減少社会を支える貴重な一員となりうるのだから。

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      大学時代、『資本論』をはじめマルクスの著作を読みふけっていた私にとって、感慨深いニュースである。『資本論』は、世界中でもっともよく売れた印刷物の一つとして知られているが、それゆえに、世界中の異なる出版社によって幾度となく印刷されていることを考えると、初版がいかに貴重なものであるのかがわかるであろう。
      マルクスは19世紀最大の知識人であったが、20世紀における未曾有の資本主義の発展のなかで、過去の人物、あるいはすでにのり越えられた思想家としてみなされてきた。だが、国境を越える移民、プレカリアート、児童労働、環境汚染(外部不経済)といった、21世紀のグローバル化した「剥きだしの」資本主義がもたらす社会の現状を鑑みると、マルクスの慧眼(ex.生産力と生産関係の矛盾、産業予備軍、労働者の窮乏化など)に改めて驚かされる。マルクスは死んだが、資本主義が続く限り、「マルクスの亡霊」は漂い続けるであろう。

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      私が調査していた東海地区の小中学校でも、同様の点が指摘されていた。特に3歳児検診を受けられなかった(親が情報を知らない/その目的や意義を知らない)子どもが、その後適切なサポートを受けられず、小学校になってしばらくたち、問題が発覚するケースが多かった。注意しなければいけないのは、発達に関する問題(とされているもの)が、障がい(と名づけられる)要因に帰属されるのか、それとも言語の発達をめぐる問題(学校と家庭の言語の違い、話し言葉と書き言葉の違いなど)にともなう学校への不適応によるものなのか、それを判断することのできる適切な専門家がいない点にある。事実上の多民族化が進行する日本社会において、母語による情報提供や外国語(ポルトガル語、中国語、タガログ語など)を話すことのできる専門職(カウンセラー、ソーシャルワーカー、教師など)の育成が、今後行政にますます求められるといえよう。

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      労働力不足への対策として、まずは定年を迎えた高齢者の活用が、その後、女性の労働市場への参加の促進、AIやロボットの導入が提案され、そしてようやく外国人労働者の本格的な受け入れが議論されたのである。遅きに逸してはいるが、外国人労働者の受け入れの否定は、国家の「自殺行為」であると、政府がようやく認めたと評価することができる。だが、政府の方針は不十分である。今後10年、25年、50年で、具体的にどの分野でどれだけの外国人労働者が必要なのか。また、安定的な外国人労働者の確保のためにいかなる政策シナリオがあり、それぞれどのようなメリット/デメリットがあるのか。これらの点を、客観的なデータに基づき、国民に提示する必要がある。忘れてはならないことは、「移民を受け入れる否か」はもはや選択の問題ではなく、「いつ」「どのように」「どれだけ」受け入れるのかが真剣に検討されるべき時期に来ているという点である。

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      ここ一ヶ月、マレーシアでは与党と野党の旗が町中にたなびいている。今回の総選挙は、現首相ナジブ氏率いる国民連合に、ナジブ氏のかつてのメンター(恩師)であった前首相マハティール氏が野党連合を形成し、挑むというドラマティックな展開に。また、初の政権交代の期待も高まり、かつてなく盛り上がりを見せている。今回の焦点は、ナジブ氏の汚職問題にあるが、選挙手法についても大きな論争がある。報道抑制をともないうるフェイクニュース規制法、与党有利のゲリマンダー、選挙日の平日への設定(後に国民の休日に指定)など。報道では、与党連合がやや優勢。ただ、得票率は野党連合と亀甲しており、単独で政権樹立は困難とも言われている。そうなると、第三党の全マレーシア・イスラーム党との連携が鍵となるが、与党連合/野党連合ともイデオロギー的に難しいかもしれない。投票結果がどうあれ、今回の選挙はまだまだ予断は許されない状況にある。

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      京丹後市網野町は、私の地元である。日本海では、西から東に流れる対馬海流(暖流)と大陸側を東から西に流れるリマン海流(寒流)からなる反時計回りの循環があり、朝鮮半島から日本海側に入ることは比較的容易である。実際、幼少の頃、網野の海水浴場では、ハングルが書かれた洗剤などの入れ物や食品の袋といった漂流物をよく目にしたものである。拉致といった話はあまり聞いたことはなかったが、今回の北朝鮮からとおぼしき船の相次ぐ漂着は不安にさせるものである。ただ、これだけ問題になり、いくつかの拿捕や逮捕がされているにもかかわらず、全容がいまだ解明されないのは不可解である。政府には、一刻も早く北朝鮮船の侵入の目的を解明し、その対応策を周知することを期待する。

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      この記事について二点述べる。第一に、「子連れ」はジェンダーをめぐる問題だという点である。子連れが正当化されるのは、単に子どもを預ける場所がないからだけでなく、その場合(なぜか)女性が子どもの世話をせざるをえなくなり、結果、女性の社会進出が妨げられるからである。つまり、子連れは、ジェンダーに基づく不利益の是正(ないし弥縫)という、「公正性」を実現する(次善の)手段なのである。公正性という価値を承認するならば、非難の先は子連れではなく、それを強いる差別的文化ないし制度に向けられるべきであろう。第二に、この記事が指摘しているように、現在われわれが享受する「権利」は、天から降ってきたものではなく、先人が文字通り血を吐く思いでおこなった社会運動(労働運動、女性運動、反戦運動など)の成果の上にあるという点である。「声」と「民主主義」(ないし「沈黙」と「専制」)の関係を、われわれはもっと学ぶ必要がある。

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