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斉藤博昭

映画ジャーナリスト

斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画専門のライター、インタビュアーとして活躍。おもな執筆媒体は、シネマトゥデイ、Safari online、ヤングマガジン、スクリーン、キネマ旬報、映画秘宝、ぴあ映画生活、VOGUE、シネコンウォーカー、東京ウォーカー、スカパー!、GQ JAPAN、 劇場用パンフレットなど。スターチャンネルの「GO!シアター」にも出演中。得意な分野はハリウッドのアクション大作やミュージカル映画だが、日本映画も含めて守備範囲は多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。コロンビアのカルタヘナ国際映画祭、釜山国際映画祭では審査員も経験。「リリーのすべて」(早川書房刊)など翻訳も手がける。

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    • 斉藤博昭

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      『麻雀放浪記2020』に関しては、昨年12月のマカオ国際映画祭で上映予定が中止になったことで、配給の東映は当初、「映画祭側の公式見解」として「表現の過剰さが理由」というリリースを出しましたが、後にそれは「思い込みと確認不足」と訂正するという対応がありました。マカオでは単に上映枠から外れただけであり、過剰に問題作であることを宣伝しようとした意図を指摘されたのでした。今回のマスコミ試写を行わない、上映できるかどうかわからない、という声明も疑ってしまう人が多いかもしれません。監督が監督だけに、しっかりと見応えのある作品が期待できるので、あまり煽った宣伝には賛否が分かれると思います。とはいえ、こうして大々的にニュースになっているので、宣伝としての目的は達せられているのでしょう。

    • 斉藤博昭

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      アニー賞の長編アニメーション賞、すなわちメインの賞を受賞したのは「スパイダーマン:スパイダーバース」です。この記述も、記事の中に欲しかったところです。アカデミー賞の長編アニメーション賞と一致するのが、今回「スパイダーマン〜」が受賞した賞であり、2002年度から始まったアカデミー賞の長編アニメーション賞の歴代17回で、アニー賞とは12回の結果が一致しています。
      アニー賞のインディペンデント作品賞は2015年から始まったもので、今回でまだ4回目です。とはいえ、今年のアカデミー賞同賞のノミネート作品で、インディペンデント作品は「未来のミライ」のみなので、受賞は厳しいと思われますが、ノミネートだけでも激しく賞賛に値します。
      最後に、賞への投票者は英語吹き替え版を観ている、と付け加えておきます。

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    • 斉藤博昭

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      正直言って、この疑惑がアカデミー賞の結果を大きく左右することはないと思います。現状、『ボヘミアン・ラプソディ』は作品賞争いの4〜5番手くらいで、ゴールデングローブと同様にシンガー監督が授賞式に来る可能性が限りなくゼロで、アカデミー会員の間でも『ボヘミアン』はシンガーの作品、という認識が低いからです(それゆえ作品賞受賞のサプライズも期待できます)。ラミ・マレックの主演男優賞は可能性がありますが、これは監督のセクハラ問題が影響を与えないでしょう。
      シンガーの降板について、プロデューサーの「家族の病気」と擁護するコメントも出ましたが、実際は現場でもプロデューサー・俳優と監督の間に大きな隔たりが生じたと思われ、それゆえにゴールデングローブのスピーチでも監督の名が言及されなかったのではないでしょうか。
      ちなみにシンガー監督は男性パートナーとの間に息子もいて、その家族関係は現在も良好であるはずです。

    • 斉藤博昭

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      映画が完成する約半年前に、一部の映像を観た日本の興行関係者(劇場側)の反応がよく、20億円あたりを狙える作品と位置づけられていましたが、まさに想定外の事態となりました。公開から4週連続で、前週の週末の興行収入を上回るという右肩上がりの奇跡のヒット→TVのニュースやワイドショーなどでも特集→新たな集客→お正月映画としての活況→ゴールデングローブ賞やアカデミー賞に絡む、という節目節目の好循環という「タイミング」も味方につけられたことも大きかったと感じます。
      この大ヒットにより、DVD、ブルーレイなどのソフトの発売も当初の想定から延期されることになりましたが、大スクリーンで楽しめる時間を少しでも長く延ばして欲しいと感じます。

    • 斉藤博昭

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      フレディ役へのラミ・マレックの起用について、グレアム・キングにインタビューしたとき、こんな話もしていました。「いろいろな候補者の名が出ていたが、彼らは自分で勝手に候補になりたいと名乗っていただけ。ラミ以外の候補者は、私のプロデュース作品で一人もいなかった」。この言葉どおりなら、『ボラット』のサシャ・バロン・コーエンや、ベン・ウィショーなどがフレディを演じる可能性のあった、それ以前のプロジェクトには、グレアム・キングは中心として関わっていなかったわけです。しかし、ブライアン・シンガーが監督を降ろされた後、後任のデクスター・フレッチャーを呼んだのはグレアム・キング。フレッチャーはベン・ウィショーが主演を演じる際の監督候補でもありました。ラミを見つけるまでに紆余曲折もあったに違いないのですが、こうして大成功を収めた後、それを明かさないのもプロデューサーの仕事でもあります。

    • 斉藤博昭

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      このエピソードは、クイーンのファンにとってかなり有名な話ですが、じつは『ボヘミアン・ラプソディ』の監督、ブライアン・シンガー(撮影途中で諸々の事情でクビになり、別の監督に後半は受け継がれましたが)も、監督2作目で出世作となった『ユージュアル・サスペクツ』の宣伝で1995年に初来日した際、新宿二丁目に遊びに行っています。同行で日本に来ていた男性(恋人か友人かは不明)とともに…。当時、私は同作の宣伝担当者から「ブライアンが二丁目に行きたがってるので、つき合ってくれ」と頼まれ、2軒ほど一緒にハシゴしたのでした。残念ながらフレディが行った店ではありませんでしたが、時を超えて、ブライアンが『ボヘミアン・ラプソディ』を監督することになり、フレディ、ブライアン、ともに新宿の夜を楽しんだことも偶然というより必然に感じられます。

    • 斉藤博昭

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      筆者は今年の6月、『ボヘミアン・ラプソディ』のこのライブ・エイドの未完成バージョンを観る機会がありました。その時点では、挿入された外部のシーンがさらに多く、フレディの人生を追うかのようにアフリカやインドで子供たちがライブ・エイドの中継を見て、歓喜する描写もあったのです。さすがにやり過ぎかと思っていたところ、完成したバージョンは挿入シーンの収まり具合が完璧だったと感じます。ライブを超えて、映画的興奮と感動を高める素晴らしい編集となったことに感激しました。

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    • 斉藤博昭

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      アーシア・アルジェントは、あの『サスペリア』などを撮った、イタリアの巨匠、ダリオ・アルジェントの娘で、父親の作品に女優として出演しながら、監督業にも進出しました。筆者もインタビューしたことがありますが、なかなか豪快で自由奔放なキャラクターの持ち主です。
      今回の報道で話題になっている『サラ、いつわりの祈り』の原作は、ペニスを切り落とされ、母親に男娼になるように仕向けられた少年の「自伝」とされ、センセーショナルな話題を呼び、原作者のJ.T.リロイも美少年作家として注目を集めましたが、アーシアの映画の2004年の公開後、リロイは存在せず、40代の女性の「創作」だと判明した、いわくつきの作品です。

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    • 斉藤博昭

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      スカーレットは、『ゴースト・イン・ザ・シェル』の際にも、日本人であるはずの草薙素子役をなぜ白人が…と、批判の矢面に立たされ、この時は役を演じ切ったが(ストーリー上、スカーレットで全く違和感はなかった)、おそらく自身は精神的にハードだったに違いない。この時の経験を繰り返したくなかったのかもしれない。
      多様性を意識的に求める現在のハリウッドにおいて、スカーレットのキャスティングを批判する声が高まるのは仕方なかったとして、残念な結果と感じる人も多いはずで、この問題は今後のハリウッドにとって大きな課題となっていくだろう。自分とは違う人間の役に変身することが、俳優の仕事であり、この流れが加速すると、逆の意味で「多様性」を失いかねない。

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    • 斉藤博昭

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      英語圏以外での、こうした感動の実話をハリウッドが実写化する場合、やはり難しいのはキャスティングで、あくまでもインディペンデント系として事実に即し、タイの俳優を中心にするのならともかく、世界的に知られる俳優を入れるとなると、どうしてもストーリーの中心が移動してしまうリスクは避けられないでしょう(亡くなった隊員の友人をフィーチャーする、など)。文中にもある『チリ33人 希望の軌跡』もアントニオ・バンデラスを起用し、当初、日本のワーナー・ブラザースもある程度の公開規模を予定していたのが、作品の仕上がりによる判断で、地方のシネコンを中心にした超小規模公開になってしまいました。あまりに感動的な事件を映画化するとなると、それだけ観客の期待値も高まります。例えば9.11テロを描いた映画でもなかなか傑作が現れないように、その高いハードルを越えることは至難の業なのです。

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