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斉藤博昭

映画ジャーナリスト

斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画専門のライター、インタビュアーとして活躍。おもな執筆媒体は、シネマトゥデイ、Safari、ヤングマガジン、クーリエ・ジャポン、スクリーン、キネマ旬報、映画秘宝、ぴあ映画生活、VOGUE、シネコンウォーカー、東京ウォーカー、スカパー!、GQ JAPAN、 劇場用パンフレットなど。得意な分野はハリウッドのアクション大作やミュージカル映画だが、日本映画も含めて守備範囲は多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。コロンビアのカルタヘナ国際映画祭、釜山国際映画祭では審査員も経験。「リリーのすべて」(早川書房刊)など翻訳も手がける。

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      1982年公開の『E.T.』は、当時の日本の映画興行におけるナンバーワンのヒット作になりました。配給収入が96.2億円、興行収入が135億円と言われています。この歴代1位は、15年後の1997年、『もののけ姫』(193億円)に破られるまで続いていたので、いかに重要な記録かがわかります。1997年には『タイタニック』(262億円)も現れましたが、それでも2001年の『千と千尋の神隠し』(308億円)までは、『E.T.』が3位を守っていたことになります。2019年現在、『E.T.』は歴代興行収入14位となっています。
      ちなみに観客動員数という点では、『E.T.』以前に、1965年の『東京オリンピック』の1960万人などがあり、『E.T.』(1069万人)は歴代1位にはなっていません。

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      われわれマスコミ側も、「別に」発言の少し前くらいは、沢尻エリカの取材が大変というのは「常識」になっていました。当時、取材を巡っての「被害者」として挙げられたのが、柳楽優弥です。2006年、彼らが共演した「シュガー&スパイス〜風味絶佳〜」で、撮影時にNGが多かったらしい柳楽に対し、沢尻の怒りは頂点に達したようで、2人の対談取材でも一切、沢尻は目を合わさず、柳楽の目の前で彼への批判的な言葉を浴びせる、という恐ろしい逸話もあったほどです。その場の柳楽の心情はいかばかりか…と察しますが、現在、彼は演技派の俳優として見事に成長し、トラウマにならなかったことを安堵しています。

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      『ジョーカー』のヒット要因はすでにあちこちで書かれているので、データ的な補足を。
      世界興収が10億ドルを超えた作品は『ジョーカー』で44本目。つまり、過去の43本が「R指定ではなかった」作品で、世界的メガヒットを狙うハリウッドの大作が、基本的にR指定にならないように完成まで「配慮」する、要するにファミリーでも観られる作品を目指している、ということです。ちなみにR指定作品での、これまでの世界トップ(現在2位)は2003年の『マトリックス:リローデッド』の8.27億ドルでした。近年は『デッドプール』(7.82億ドル)、『IT』の前作(7億ドル)のように、R指定でもメガヒットが生まれやすい状況になっています。
      中国で公開されず、10億ドル突破となると、『ダークナイト』『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』に続く3本目。2作の時代以上に中国市場が重視される現在、これは快挙です。

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      トランスジェンダーを描く映画では、男性→女性、女性→男性のどちらのケースも、元の性別の俳優が演じることが多く、『彼らが本気で編むときは、』の生田斗真、『ボーイズ・ドント・クライ』でオスカー受賞のヒラリー・スワンク、『リリーのすべて』のエディ・レッドメインが有名です。珍しいのは『トランスアメリカ』で、男性→女性の役を、女性の俳優が演じオスカー候補になりました。

      一方で、アカデミー賞外国語映画賞の『ナチュラルウーマン』ではトランスジェンダーの俳優が主演して高く評価され、その後、『Girl/ガール』というバレエ映画で、トランスジェンダー役をシスジェンダー(トランスではない人)の俳優が演じたことに、過剰な批判が起こったりもしています。この批判は、スカーレット・ヨハンソンのトランスジェンダー役の降板劇を引き起こしました。
      草なぎさんも、過去のトランスジェンダー作品をどう参考にしたのか、楽しみです。

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      八千草さんの代表作は、この記事にもいくつも書かれていますが、彼女の魅力が最も表れていた作品といえば、向田邦子脚本の「阿修羅のごとく」ではないでしょうか。四姉妹の次女・巻子で夫の浮気を疑う主婦。気丈さと、どこかとぼけた味わいの絶妙なブレンドに、他の女優では考えられないほど彼女の個性がマッチしていました。桃井かおりの姉を演じた「ちょっとマイウェイ」も、延々とジャガイモを剥き続けてしまうなど「ぼんやり」した魅力が発揮され、隠れた代表作だと思います。
      6話で降板(病気という理由。その後、渡辺美佐子が引き継いだ)しましたが、山口百恵の母親を演じた「赤い疑惑」も知られざる適役です。
      現場が一緒になったスタッフから話を聞いたことがありますが、じつに柔らかな口調と穏やかな性格で周囲を和ませるという、まさにドラマのイメージそのものだったそうです。

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      アメコミ原作映画として異例のヴェネチア国際映画祭最高賞を受賞して、映画ファンの熱量が一気に高まり、そこから約1ヶ月後の公開という「タイミング」が完璧でした。公開直前には、作品の内容から映画館に警官が配備されるといった「話題」にも事欠かなかったうえ、例年メガヒットが出にくい10月というのも観客を集中させる後押しになりました。
      日本でもここまでのロケットスタートは予想できなかったはずです。今年は例年以上に夏休み映画がディズニー作品や日本のアニメの勢いが強く、映画ファン、とくに大人の洋画ファンが、インパクトの強い作品への待望感を高めたこともヒットの要因かもしれません。作品自体は賛否両論もあるので今後も話題が続くでしょうし、何よりホアキン・フェニックスがほぼ出ずっぱりという演出が、観客の吸引力、集中力を高めるうえで功を奏しています。

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      ベッキーは、今年5月にカンヌ国際映画祭で上映され、来年2月公開の三池崇史監督の『初恋』でも、衝撃的なまでに過剰な演技とアクションに挑んでいます。この映画はすべてのキャストの暴走ともいえる体当たりのチャレンジが、三池監督のテイストに見事にハマった快作になりましたが、その中でもベッキーの存在感はズバ抜けていました。「これは経費で落ちません!」の、したたかな悪女もそうですが、一連のスキャンダルを経て、文字どおり「開き直った」ともいえる彼女のアプローチが、役や作品にうまく機能する。今はそういうタイミングなのかもしれません。この2作の演技によって、彼女の新たな方向でのオファーも増えそうで、しばらく女優としてそっちの路線で突き進むのもアリなのではないでしょうか。

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      「マトリックス」3部作の成功は、アクション監督を務めた香港映画の“レジェンド”、ユエン・ウーピンの功績も大きかったです。一見、ヴァーチャルな世界に、カンフー、武術の特徴も生かした生身のアクションが効果的に機能していたからです。
      昨年末、ユエン・ウーピンにインタビューしたとき、「マトリックスのようなハリウッド大作にまた参加する気持ちは?」と聞いたところ、「そうだね、もう一度、あんなでっかい花火を打ち上げたい」と、うれしそうに答えていました。「マトリックス」1作目でもウォシャウスキー監督コンビが、ウーピンにラブコールを送ったので、74歳のウーピン、まだまだ元気ということで、今度も是非アクション監督に招聘し、「ジョン・ウィック」で今だにアクションの進化を続けるキアヌとのコラボを再び実現してほしいものです。

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      1969年の「イージー・ライダー」を頂点に、70年代後半からは残念ながら代表作といえるものが減り、1983年の日本映画「だいじょうぶマイ・フレンド」に出演した際は、あのピーター・フォンダが日本映画に!と映画ファンの心を一瞬ときめかせたのですが、村上龍原作の同作は当時のアイドル映画のノリで、ハリウッドスターの転落を見せられたようで「残念」な結果でした。

      しかし1997年の「木漏れ日の中で」の哀愁たっぷりの演技でゴールデングローブ賞を受賞。2007年の「ゴーストライダー」でメフィストフェレスを演じたとき、監督が「ピーターの出演が決まってから、劇中のバイクのデザインを考えた」と語っており、彼がハリウッドに残した遺産は脈々と受け継がれていることを実感しました。

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    • 斉藤博昭

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      角川春樹氏の10年前の監督作は『笑う警官』で、大森南朋、松雪泰子のほか、今となっては皮肉ですが宮迫博之を起用。それぞれからシブい演技を引き出していました。撮影現場に何度か行ったのですが、演出はじつに実直。ただしインタビューでは大風呂敷を広げる方で、『笑う警官』も自分が監督したのだからと、大ヒットを宣言していました。興行としての結果は残念でしたが、作品としてはもっと評価されてもいい仕上がりだと感じています。
      このところプロデュース業も目立った活躍もなく、年齢も考えると不安もありますが、現場での実績と、今はいなくなったタイプの映画人ということで、大きなサプライズを届けてほしいと新作に期待します。

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