Y!オーサー

中田大悟

独立行政法人経済産業研究所リサーチアソシエイト

中田大悟

創価大学 経済学部 准教授。1973年愛媛県生れ。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科単位取得退学、博士(経済学)。専門は、公共経済学、財政学、社会保障の経済分析。主な著書・論文に「都道府県別医療費の長期推計」(2013、季刊社会保障研究)、「少子高齢化、ライフサイクルと公的年金財政」(2010、季刊社会保障研究、共著)、「長寿高齢化と年金財政--OLGモデルと年金数理モデルを用いた分析」(2010、『社会保障の計量モデル分析』所収、東京大学出版会、共著)など。

  • 参考になった6069

    • 中田大悟

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      本記事の見出しは、あたかも官邸が賃金上昇率を高く偽装する圧力をかけたかのように読めるものですが、記事中の事実だけとりだせば、特に不自然な話ではありません。毎月勤労統計は、サンプルを総入れ替えするたびに数値が変動し、入れ替え前のデータとの比較可能性が毀損されてしまうことは、広く知られていた問題でした。それ故、このあとローテーションサンプル(部分入れ替え)方式への移行を検討することになるわけですが、その主たる目的として、「近年、政策の効果を測る指標の1つとして、労働者の賃金について、 関心が高まって」と平成27年の検討会報告書にも明記されています。

      政権の意図的介入を示唆する記事としたいのであれば、もう少し、事実関係を掘り下げて書くべきでしょうし、そうでないから、誤解のないような表現に徹するべきなのではないでしょうか。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 中田大悟

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      これは、自発的な選択として選べる支給開始年齢が現行は70歳が上限となっているのを、75歳まで選択可能にしてはどうか、という提案であって、加入者全員の開始年齢を70歳以上にしようという話ではありません。

      ですが、下記のあるような一般のコメントに見られるように、開始年齢が一律引き上げになると勘違いして、無意味な批判をしている人が少なからずいます。

      ちなみに、支給開始年齢を自発的に引き上げた場合、毎月の給付額は増額されますが、生涯給付総額は、平均寿命まで生きると仮定すれば、ほぼ同額となるように設計されています。(引き下げた場合も同様)

      したがって、これによって年金財政が全体として改善するわけではなく、効果は中立的です。つまり、年金財政が苦しくなったことへの対策として支給開始年齢の引き上げがなされるのだ、という批判も的外れなものと言えます。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 中田大悟

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      複数税率による消費税の軽減税率化は、消費税の逆進性の緩和に役に立たないばかりか、区分経理にともなう徴税コストが膨大なものになるため、少なくとも10%の消費税では導入すべきではない、という点において、税、社会保障、経済の専門家の大多数の意見は一致しています。欧州で実施して問題ありとされる制度を、わざわざ日本に導入する合理的理由はありません。

      たしかに財務省が提示したマイナンバーによる消費の補足で、消費税負担分を還付するやり方は、細部に関する詰めが甘く、急ごしらえで出してきた感が否めないわけですが、これは与党サイドが固執する「軽減税率」という制約に、無理に当てはめようとした結果と考えるのが自然です。

      なんのためにやる軽減税率なのか、ということを再確認したうえで、あるべき制度を再度議論すべきです。常識的には、低所得世帯に給付を限った給付付き税額控除、ないしはそれに近しい定額給付が最適です。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 中田大悟

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      デフレ時の給付抑制は、厚労省が最重要課題に掲げていた年金財政安定化策であり、これが政治的な理由で蹴られたことは、間違いなく将来に禍根を残します。

      その中で、年金局が苦肉の策で繰り出してきたのが、物価上昇時の一括削減だと思われます。しかし、明らかにこれは矛盾を含んだ案です。「高齢者の痛み」と言いますが、今年0.9%下げられない給付が、3年後に3%のインフレが起きたとして、まとめて2.7%分下げられるものでしょうか?この場合の「痛み」の方が大きいでしょう。名目額で減らなければ国民は痛みに気がつかない愚か者だ、と言っているに等しい。

      なお、いまの給付抑制を先延ばしした分の年金財政へのしわ寄せは、今の現役世代と将来世代の給付がさらに減額されることで帳尻が合わせられます。しかも、本当に近い将来、抑制できるかも不透明です。

      政治家の先生方は若者とこれから生まれる世代の声に耳を傾けるべきです。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 中田大悟

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      原告らの見識を疑います。

      特例水準は、本来、給付すべきではなかったものを、政治が意図的に給付してしまったものであり、もっと早期に解消されるべきものでした。減額は当然のことです。

      憲法25条に反すると主張していますが、公的年金はそれ単体で国民の生存権を保障するものではなく、健全な国民生活の維持、向上に寄与するためのものです。つまり、生活の助けにするものです。最終的に国民の生存権を保障する生活保護制度とは異なります。また、年金制度は保険制度ですから、低年金は過去における低保険料負担の裏返しでもあります。それをもって国を訴えるのは筋違いです。

      年金財政の維持のために合理的な必要性があるならば、一定の範囲内で給付の減額がなされるのは当然とされます。当たり前ですが、いまの給付を維持しようとするならば、現役世代、将来世代にさらなる負担を強いることになります。このことを深く考えるべきです。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 中田大悟

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      若干のコメントを

      価格政策(つまりタバコ税の増税)が喫煙率の低下につながるというのは、医療経済学の分野では、およそ次のように考えられています。

      タバコが高価格になった時に、中毒度が低い喫煙者は禁煙、まだ吸っていない人が喫煙者になる確率は有意に低まります。ですが、中毒度が高い喫煙者は、少々価格が高くなっても喫煙をやめようとはしません。したがって、価格が高くなれば、長い目で見れば、若い人を中心に喫煙者がどんどん減って、全体の喫煙率が下がる、ということになります。

      ですから、タバコ増税が税収アップにつながるかどうかは、短期的にみればその可能性がありますが、長期的にみれば喫煙率低下の効果での減収もありえます。

      なお、公共の場での禁煙規制は、喫煙「率」に与える影響は不明ですが、タバコの消費「量」を減らす効果がある(むやみに吸わなくなる)ということを示した研究も存在します。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 中田大悟

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      動画を見る限りは、対応した医師の言動、態度に落ち度があったことは否めないようですが、この問題は、日本の救急医療がおかれた現状を踏まえた上で語られるべきであって、医師個人の倫理観に帰着させるような議論は避けなければなりません。

      慢性的な医師不足が救急医療に過度なストレスを与えているのは論を待ちません。医師の総数は医学部の定員増などでゆるやかに増加傾向にありますが、高齢医師の増大、女性医師の比率増大もあって過酷な勤務形態を強いられる救急医療を担う医師数には限界があります。さらに救急医療維持への政治的プレッシャーもあるなかで、件の医師に過度なストレスがかかっていた可能性があります。

      またこのケースでは言葉の壁で、救急医療外来では診断が確定できないことから、通常は診断書が出ない、ということがうまく伝わらなかったのも不幸でした。

      冷静な議論が求められます。