水島宏明

上智大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター 報告 オーサー

以前、若い女性弁護士のドキュメンタリーを制作した時に、クレプトマニアの中年女性が万引きで逮捕・起訴された裁判を取材。わずか数千円の窃盗でも、再犯で実刑は確実でした。女性弁護士は「病気なので刑務所に収監しても外に出ればまた同じことをする。必要なのは刑務所より、治療する病院だ」と切々と訴え、最終的には依存症の専門病院に入院しました。この取材で、いかに同じ様なケースが多いか、また「治療」を優先させる視点はまだ少数派であることも実感。テレビでも「万引きGメン」が万引き常習犯を捕まえて、警察に突き出す場面は数多く放映されても、その原因はほとんど報道されません。奈良県でこうした動きが出てきたことやそれがきちんと報道されたことは望ましいこと。法律を侵したかどうかの単純な二分法でなく、こうした病気による犯罪をどうすればなくしていけるのか、社会全体を意識して考える報道が必要な段階に入っていると思います。

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水島宏明

上智大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター

1957年生まれ。東大卒。札幌テレビで生活保護の矛盾を突くドキュメンタリー『母さんが死んだ』や准看護婦制度の問題点を問う『天使の矛盾』を制作。ロンドン、ベルリン特派員を歴任。日本テレビで「NNNドキュメント」ディレクターと「ズームイン!」解説キャスターを兼務。『ネットカフェ難民』の名づけ親として貧困問題や環境・原子力のドキュメンタリーを制作。芸術選奨・文部科学大臣賞受賞。2012年から法政大学社会学部教授。2016年から上智大学文学部新聞学科教授(報道論)。放送批評誌「GALAC」編集長。近著に「内側から見たテレビーやらせ・捏造・情報操作の構造ー」(朝日新書)、「想像力欠如社会」(弘文堂)

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