市川衛

医療の「翻訳家」 報告 オーサー

食肉処理場から得た、死後4時間を経過したブタの脳に、合成した血液を含む液体を送り込んだところ、脳の神経細胞の一部に活動が見られた、という研究です。

これまで、脳神経細胞は栄養や酸素が完全に絶たれると数分で死んでしまうと考えられてきましたが、なかにはもっと長い時間にわたって生きながらえるものがあるのかもしれない、ということを示唆する結果です。

ただし、この研究は「すでに死んでしまった細胞が、生き返る」ということを示したものではありません。なので、現時点では、例えば「死んでしまった人を、生き返らせられる」可能性が示されたとは言えないものです。

いずれにせよ、私たち自身の脳にはこれまでの研究ではわかっていない可能性が秘められていることを感じさせる研究です。今後、脳卒中やアルツハイマー病のような病への理解を深めるための基礎実験として意義あるものと言えそうです。

市川衛

医療の「翻訳家」

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/医療ジャーナリスト/メディカルジャーナリズム勉強会代表/京都大学医学部非常勤講師。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。【主な作品】(テレビ)NHKスペシャル「腰痛 治療革命」「医療ビッグデータ」ためしてガッテン「認知症!介護の新技」など。(書籍)「脳がよみがえる・脳卒中リハビリ革命(主婦と生活社)」「誤解だらけの認知症(技術評論社)」など。※記事は個人としての発信であり、いかなる組織の意見も代表するものではありません

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