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市川衛

医療の「翻訳家」

市川衛

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/医療ジャーナリスト/メディカルジャーナリズム勉強会代表/京都大学医学部非常勤講師。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。【主な作品】(テレビ)NHKスペシャル「腰痛 治療革命」「医療ビッグデータ」ためしてガッテン「認知症!介護の新技」など。(書籍)「脳がよみがえる・脳卒中リハビリ革命(主婦と生活社)」「誤解だらけの認知症(技術評論社)」など。※記事は個人としての発信であり、いかなる組織の意見も代表するものではありません

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    • 市川衛

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      臓器提供の意志確認の方法については、オプトイン形式(通常は「やらない」で、承諾の意思表示をすれば「やる」となる)と、オプトアウト形式(通常は「やる」で、拒否の意思表示をすれば「やらない」となる)があります。

      日本はオプトイン形式ですが、臓器提供の件数が多い国は、オプトアウト形式をとっています。

      たとえば生まれつきの心臓疾患をもっている赤ちゃんがいた時に、臓器移植法があるにもかかわらず、「○○ちゃんを守る会」という形で何千万~何億円もの支援を集めて海外に救いの道を求めなければならない人がいる現状を考えると、オプトアウト形式を議論してもよい環境にあるのかもしれません。

    • 市川衛

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      SNSのうねりがひと夜にして物事を変える。ヘルスケアの分野で、その傾向が顕著になっていると感じます。

      だからこそ、その力を「けしからんものを抹殺する」ことではなく、より「多くの人の役に立つように」どう生かせるか。ヘルスコミュニケーションの実践や研究は、新たな分野に注力しなければならない時代を既に迎えているのかもしれません。

      今回のことは、広告のクリエイティブそのものというより、人生会議について本質を知り施策していくべき厚労省のご担当者が、「刺さるけど当事者や家族への配慮に欠ける」アプロ―チに違和感を覚えずGoしたことに、真摯に議論してきた本丸の人たちが「厚労省すら本質を分かっていなかったのか」と落胆し再考を促そうとした結果だと感じます。

      人生会議という取り組みを、より届きにくい人に届けたいという想いは大切なことと思いますので、次の、よりよいアプローチにつながるようにと祈っております

    • 市川衛

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      「介護予防」への取り組みを促すよう、国が交付金を増やすとするニュースです。

      しかし、そもそも介護が必要になる状態を「予防」するというのはどういうことでしょうか。

      人間、年を取っていけば体力が衰えたり、病気になる機会が増えたりすることは防げません。

      ですので介護が必要な状態を「予防する」ということは、その衰えた体力でも暮らし続けられるよう生活環境を工夫したり、ちょっとした支援が必要な時に支える人が増えるような取り組みも含むはずのものです。

      増える交付金が、そうした取り組みを評価するものになれば、役に立つお金の使い方といえるかもしれません。

      自治体の競争を促す際に、「介護予防」=「アンチエイジング」的な短絡的思考で、たとえば「筋トレ指導を何回やったか」とか、「脳トレを〇時間やったか」というような評価軸が設定されないことを切に願います。

    • 市川衛

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      経鼻ワクチンは、成分を鼻に噴霧することで粘膜を通じてからだに吸収させるものです。

      従来のワクチンと違い、注射ではないので、針をからだに刺す必要がなく、痛みの負担を減らし、万が一の事故のリスクを軽減することが期待されます。

      より安全に利用できることになることで、たとえば薬局で薬剤師による使用が受けられるようになるかもしれません。ただでさえ大きいと言われている医師の負担を減らすうえ、わたしたちにとっても診察室での待ち時間や診察料の金銭的負担を減らせる可能性があります。

      これから承認申請ということでまだ市場に出るまでは時間がかかりそうですが、色々な意味で期待できる技術です。

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    • 市川衛

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      ゾフルーザは、「1回飲めば効く」新薬として昨シーズン話題となり大量に処方されました。

      しかし、ある薬だけを使ってウイルスを退治していると、その薬が効かないウイルスが生まれ、それが増えていくことになります

      そのウイルスが、ひとからひとへ感染する能力を得ると、薬が効かないウイルスが多数派となり、その薬は使えなくなってしまいます

      このことはゾフルーザの販売当初から危惧されていたことですが、それが現実化しようとしている兆候が見られているので、慎重に使わなければいけないんじゃないの?というのが今回の提言です。

      薬が使えなくなってしまえば、わたしたち市民側にとっても不幸ですし、この薬を真摯に開発してきた製薬企業や選択肢を失う医師にとっても不幸なのではないかと思うので、大切に使っていきたいものです

    • 市川衛

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      厚労省の報告によれば、クーポン券の使用実績は、都道府県ごとに大きくばらついています

      抗体検査でいえば、栃木県(32%)や長野県(31%)で高い一方で、青森県(3%)や宮崎県(2%)などかなり低いところも。クーポンを送付するだけではなく、自治体による職場への声かけなど、もう一押しが、接種率アップに必要なのかもしれません

      とはいえ、クーポン券の送付やそれに付随する事務作業は、現場にとって非常に大きなものになっていると聞いています(いま接種率が低い自治体も、なかなか体制が整わずクーポン券の送付が遅れたなどの事情があるかもしれません)

      今回の対象になっている40代ー50代の働き盛りの男性は、仕事に忙しくなかなか検査→接種と2回の通院にかかる時間をとれないかもしれません。でも、自分だけでなく多くの人の命を守る取り組みです。クーポンが届いた方はどうか、まずは検査、いってみましょ!

    • 市川衛

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      市販薬は、店頭で手軽に手に入れられることから、なにかに頼りたい辛い思いを抱えた子ども(違法薬物やアルコールを手に入れる手立てを持たない層)にとって助けを求めやすいものです。

      その事情は理解できる一方で、依存につながる薬物を放置することは、かえってその人たちを不幸へいざなってしまうことになりかねません。

      なので乱用の恐れのある一般用医薬品を複数購入しようとする場合、薬局やドラッグストアの店頭で「使用目的の確認をする」などの規制がかけられています

      にもかかわらず、先日、薬局やドラッグストアでの不適切販売が半分近くに達するという調査結果を厚労省が発表しています

      すでに、依存性のない成分を含むかぜ薬やせきどめ薬が多数販売されている現状です。依存性のある成分を含む医薬品に関しては、販売の規制を含む対策も致し方ない、という意見も出てくるかもしれません。

    • 市川衛

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      国立がん研究センターを中心にしたグループが2015年に発表した研究で、全国の約9万人をおよそ19年間追跡した結果、コーヒーを毎日飲む人は、心臓病や脳卒中などの死亡率が低い傾向があることが分かっています

      死亡率が最も下がったのは、1日3-4杯飲む人たち。それと比較すると5杯以上飲む人ではわずかに上がりました。ただ、5杯以上の人はそもそも数が少ないので、たくさん飲むことの良否は良くわかっていません。

      私も含めたコーヒー好きにはうれしい情報ですね。ただコーヒーは臨床試験などで効果が示された薬ではありません。いまコーヒー好きな人が、今まで通り楽しむ意義がちょっと見えてきたかも、くらいのとらえ方がよさそうです

      なお別の研究では、緑茶でも同様の死亡率の低下がみられています。いま緑茶を飲んでいる方があえてコーヒーに代えたり、嫌いな方が無理して飲み始めたりする必要はないかも。念のため。

    • 市川衛

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      育児に対する常識が変わるかもしれないニュースです。

      「液体ミルクや粉ミルクに頼って母乳育児しないなんていかがなものか」という意見もあります。
      たしかに母乳育児のメリットは様々な研究で示唆されていますが、一方で母乳育児にこだわることによる母親への精神的な不利益などデメリットも指摘されています。

      私が取材の中で知った知見による限りですが、「母乳育児は良いものだけれど、絶対にそうしなければいけないほどのメリットもない」というのが正直なところです。

      粉ミルク・液体ミルクを使うことのメリットとして、父親が主体的に育児に関わる道を開く、というものがあります。これはとても大きなものです。

      子どもを抱える家族が、「○○べき」という価値観に従わなくてもいい選択肢が増えつつある現状は歓迎すべきものだと思います

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    • 市川衛

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      感染症の流行が起こった(もしくは疑われる)場合には、誤った情報が拡散されやすいことが過去の研究で示されています

      ウィスコンシン医科大学のメガ・シャルマ医師らが2016年に行った調査では、北米でジカ熱が流行した際に、FB上では「感情的なデマ」が、適切な情報に比べて圧倒的に拡散されたことがわかりました

      シャルマ医師はCNNのインタビューに「この傾向は、パンデミックの際に有害になると考えられます。感染を広げる原因となる行動やパニックを生み出す可能性があるからです。ジカ熱だけでなく、エボラ出血熱や新型インフルエンザ、鳥や豚インフルエンザでも同様です」と答えています

      今回日本でも、同様のケースが発生しました
      「○○の感染症が流行している」と思うと恐怖を感じ、手当たり次第に情報を拡散したくなりますが、一呼吸おいて根拠を確認することが、役に立つ態度と言えるかもしれません

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