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市川衛

医療の「翻訳家」

市川衛

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/医療ジャーナリスト/メディカルジャーナリズム勉強会代表/京都大学医学部非常勤講師。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。【主な作品】(テレビ)NHKスペシャル「腰痛 治療革命」「医療ビッグデータ」ためしてガッテン「認知症!介護の新技」など。(書籍)「脳がよみがえる・脳卒中リハビリ革命(主婦と生活社)」「誤解だらけの認知症(技術評論社)」など。※記事は個人としての発信であり、いかなる組織の意見も代表するものではありません

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    • 市川衛

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      ゾフルーザは、「1回飲めば効く」新薬として昨シーズン話題となり大量に処方されました。

      しかし、ある薬だけを使ってウイルスを退治していると、その薬が効かないウイルスが生まれ、それが増えていくことになります

      そのウイルスが、ひとからひとへ感染する能力を得ると、薬が効かないウイルスが多数派となり、その薬は使えなくなってしまいます

      このことはゾフルーザの販売当初から危惧されていたことですが、それが現実化しようとしている兆候が見られているので、慎重に使わなければいけないんじゃないの?というのが今回の提言です。

      薬が使えなくなってしまえば、わたしたち市民側にとっても不幸ですし、この薬を真摯に開発してきた製薬企業や選択肢を失う医師にとっても不幸なのではないかと思うので、大切に使っていきたいものです

    • 市川衛

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      厚労省の報告によれば、クーポン券の使用実績は、都道府県ごとに大きくばらついています

      抗体検査でいえば、栃木県(32%)や長野県(31%)で高い一方で、青森県(3%)や宮崎県(2%)などかなり低いところも。クーポンを送付するだけではなく、自治体による職場への声かけなど、もう一押しが、接種率アップに必要なのかもしれません

      とはいえ、クーポン券の送付やそれに付随する事務作業は、現場にとって非常に大きなものになっていると聞いています(いま接種率が低い自治体も、なかなか体制が整わずクーポン券の送付が遅れたなどの事情があるかもしれません)

      今回の対象になっている40代ー50代の働き盛りの男性は、仕事に忙しくなかなか検査→接種と2回の通院にかかる時間をとれないかもしれません。でも、自分だけでなく多くの人の命を守る取り組みです。クーポンが届いた方はどうか、まずは検査、いってみましょ!

    • 市川衛

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      市販薬は、店頭で手軽に手に入れられることから、なにかに頼りたい辛い思いを抱えた子ども(違法薬物やアルコールを手に入れる手立てを持たない層)にとって助けを求めやすいものです。

      その事情は理解できる一方で、依存につながる薬物を放置することは、かえってその人たちを不幸へいざなってしまうことになりかねません。

      なので乱用の恐れのある一般用医薬品を複数購入しようとする場合、薬局やドラッグストアの店頭で「使用目的の確認をする」などの規制がかけられています

      にもかかわらず、先日、薬局やドラッグストアでの不適切販売が半分近くに達するという調査結果を厚労省が発表しています

      すでに、依存性のない成分を含むかぜ薬やせきどめ薬が多数販売されている現状です。依存性のある成分を含む医薬品に関しては、販売の規制を含む対策も致し方ない、という意見も出てくるかもしれません。

    • 市川衛

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      国立がん研究センターを中心にしたグループが2015年に発表した研究で、全国の約9万人をおよそ19年間追跡した結果、コーヒーを毎日飲む人は、心臓病や脳卒中などの死亡率が低い傾向があることが分かっています

      死亡率が最も下がったのは、1日3-4杯飲む人たち。それと比較すると5杯以上飲む人ではわずかに上がりました。ただ、5杯以上の人はそもそも数が少ないので、たくさん飲むことの良否は良くわかっていません。

      私も含めたコーヒー好きにはうれしい情報ですね。ただコーヒーは臨床試験などで効果が示された薬ではありません。いまコーヒー好きな人が、今まで通り楽しむ意義がちょっと見えてきたかも、くらいのとらえ方がよさそうです

      なお別の研究では、緑茶でも同様の死亡率の低下がみられています。いま緑茶を飲んでいる方があえてコーヒーに代えたり、嫌いな方が無理して飲み始めたりする必要はないかも。念のため。

    • 市川衛

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      育児に対する常識が変わるかもしれないニュースです。

      「液体ミルクや粉ミルクに頼って母乳育児しないなんていかがなものか」という意見もあります。
      たしかに母乳育児のメリットは様々な研究で示唆されていますが、一方で母乳育児にこだわることによる母親への精神的な不利益などデメリットも指摘されています。

      私が取材の中で知った知見による限りですが、「母乳育児は良いものだけれど、絶対にそうしなければいけないほどのメリットもない」というのが正直なところです。

      粉ミルク・液体ミルクを使うことのメリットとして、父親が主体的に育児に関わる道を開く、というものがあります。これはとても大きなものです。

      子どもを抱える家族が、「○○べき」という価値観に従わなくてもいい選択肢が増えつつある現状は歓迎すべきものだと思います

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    • 市川衛

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      感染症の流行が起こった(もしくは疑われる)場合には、誤った情報が拡散されやすいことが過去の研究で示されています

      ウィスコンシン医科大学のメガ・シャルマ医師らが2016年に行った調査では、北米でジカ熱が流行した際に、FB上では「感情的なデマ」が、適切な情報に比べて圧倒的に拡散されたことがわかりました

      シャルマ医師はCNNのインタビューに「この傾向は、パンデミックの際に有害になると考えられます。感染を広げる原因となる行動やパニックを生み出す可能性があるからです。ジカ熱だけでなく、エボラ出血熱や新型インフルエンザ、鳥や豚インフルエンザでも同様です」と答えています

      今回日本でも、同様のケースが発生しました
      「○○の感染症が流行している」と思うと恐怖を感じ、手当たり次第に情報を拡散したくなりますが、一呼吸おいて根拠を確認することが、役に立つ態度と言えるかもしれません

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    • 市川衛

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      JAFによれば、気温35℃の炎天下の駐車場に窓を閉め切った状態でミニバンを駐車した場合、エアコンを使用していない車両の熱中症指数は、わずか15分で人体にとって危険レベルに達しました。

      乳幼児は自分の危険予知することも、異常事態が起きた時に自力で命を守る行動をとることもできません。「たった15分だから」と思わずに、だっこして一緒に外に出るなど、対策をとってもらえるように切に願います

    • 市川衛

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      記事のケースは、薬剤の有効性や安全性を調べる「治験」の第1相の最中に起こった出来事だと考えられます。治験は第1相から第3相まであり、第1相は薬の効果(有効性)ではなく、「人間に投与して大丈夫なのか」という基本的な安全性を調べることを目的とした試験です。

      そのため、その薬の治療対象がたとえば高齢者や、慢性の病を抱える人だったとしても、まずは若く健康で、薬の副作用があっても耐えられる体力を持つ人に報酬を払って服用してもらうことになります。

      もちろん人間に投与するわけですから、動物実験などを繰り返し、「ほぼほぼ人間に悪い効果は出ない」ことを確認してから始まります。

      それにもかかわらず、服用後に亡くなった方がいたというのは、ゆゆしき事態です。亡くなった方に心からの哀悼の意を表するとともに、この事態が本当に薬剤との関連で起きたのかどうか、徹底的に調べることが求められます。

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    • 市川衛

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      ストレスが、がんの発症や進行に悪い影響を与えるということは以前から言われており、ほぼ定説化しています。記事の研究は、そのメカニズムの一端をマウスの実験によって確かめたものです。

      記事では製薬への可能性について言及していますが、薬の開発には、ものすごく長い時間とお金がかります。あくまで、将来的な可能性ととらえたほうが良いかもしれません。

      がんを抱えた人は、将来への不安や他者との関係性で生きづらさを感じやすく、それによるストレスを抱えやすい状況に置かれます。

      近年では、がんの当事者や経験者同士の気兼ねない交流を目的とした取り組みや、(がんのステージに関わらず)苦痛を軽減させる緩和ケアなどの重要性が指摘されています。

      こうした取り組みの大切さを改めて感じさせてくれる、という意味で記事の研究は意義のあるものと思います。

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    • 市川衛

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      非常に高い薬価が注目されていますが、対象患者は200人程度と見積もられており、年間の市場規模は70億円程度と推定されます。

      一方で2018年の日本国内売上ランキングを見ると1位の薬の市場規模は1300億円以上、2位も3位も1000億円を超えています。

      ですので、この薬は単価を見ると高額ですが、日本の医療財政に特別に甚大なダメージを与えるというものではないと言えるかもしれません。

      もちろん貴重な保険料からプールされたお金を使うわけですから、適切な人に適切に使われるよう注意していくことは大切です。

      しかし、対象者が適切に使ったにもかかわらず「財政に負担をかけてまで助かるのか」といわれたり、心理的な負い目を感じたりすることがないよう、冷静に評価することが大事だと思います。

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