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前嶋和弘

上智大学総合グローバル学部教授

前嶋和弘

専門はアメリカ現代政治外交。上智大学外国語学部英語学科卒業後、ジョージタウン大学大学院政治修士課程修了(MA)、メリーランド大学大学院政治学博士課程修了(Ph.D.)。主要著作は『アメリカ政治とメディア:政治のインフラから政治の主役になるマスメディア』(単著,北樹出版,2011年)、『オバマ後のアメリカ政治:2012年大統領選挙と分断された政治の行方』(共編著,東信堂,2014年)、『ネット選挙が変える政治と社会:日米韓における新たな「公共圏」の姿』(共編著,慶応義塾大学出版会,2013年)など。

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      分極化もあり、投票率が低い党内予備選に勝つには、民主党の場合、より左に自分を位置付けた方が有利になります。その意味で知名度もイデオロギー的にもサンダース氏は目立つ候補です。ただ、ウォーレン氏を筆頭にサンダース氏のような候補が複数いる中、2016年選挙のような熱狂的な若者をとどめておけるかがポイントかもしれません。2016年選挙のような熱狂的な若者をとどめておけるか。16年で演説が抜群に面白かったのが同氏とトランプ氏ですが、サンダース氏の場合は古典落語のようでした。同じ話を繰り返しながら、聴衆は同氏と一緒に決め台詞を唱和しながら、一体感を作り出していきました。

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      前のめりともみえるトランプ政権。これで北の非核化がどれだけ具体的に進むかがポイントかと思います。リスト提出とロードマップ作りができるとしたら「朝鮮戦争は私が終わらせた」と豪語するトランプ大統領の姿が想像できます。非核化段階で日本の対北朝鮮外交が本格的に動いていくのかと思います。

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      トランプ氏が派手に争点化させてしまいましたが、政府閉鎖の前から実際は民主・共和両党の「壁の定義」のすり合わせの問題でした。「何らかの「障壁」」という玉虫色の解決になりそうです。政府閉鎖は回避ですがトランプ氏にとっては「いつでも民主党を責めることができる」状態が続くことにもなります。86年移民法以降の抜け道ばかりの国境警備対策とは一線をかす警備は、費用対効果を考えると、壁だけでなく 、膨大な距離をどう監視できるか。ドローンも使った総力戦になりそうです。

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      政府閉鎖の責任を民主党よりはトランプ氏に求める世論がだんだん大きくなりつつある中、風向きをみてトランプ氏が譲った形です。3週間後の再閉鎖の可能性を示唆していますが、ちょっと難しそうです。「壁」建設も不可能に近くなりました。トランプ氏の負けにもみえますが、そう映らないためにどうするか。一方でペロシ議長は自分への支持が集まる大きなチャンスなのでこれをどう活かすか。まずは再設定となる一般教書演説に何が盛り込まれ、トランプ氏がどう伝えるかに注目。

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      連日のロシア疑惑報道の中から出てきた、今度はウォールストリートジャーナルのスクープ。そもそもレッドフィンチ・ソリューションズは中立な世論調査会社ではなくて、オンラインマーケティングの会社です。トランプ陣営に限らず、この手のPRのための調査は選挙陣営も特定の利益団体などもよく使う手です。ただ、今の場合は分極化で一気に情報が支持層に広がるというのが前との違いです。

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      露中の軍拡の中でアメリカとしてはミサイル防衛をしっかりしなければという前提があります。逆に言えばアメリカ側のあせりもみえます。100頁ほどの報告書を読みましたが、ハイテク機器の説明も多いですが、冷戦時に似た言説も確かに多いかと思います。「Japan is one of our strongest missile defense partners」などの言及があるように、報告書では日米同盟の重要さが強調されています。

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      トランプ大統領にとってちょっと形勢が悪い感じですが、過去2年の上下両院共和党多数派議会でも通せなかった「壁」を巡るおそらく最後で最大のチャンスではあります。ロシア疑惑のモラー最終報告も控えている中、支持者を固めるためにも一発逆転をかけて譲らないのがいいのか、譲った方が得策なのか、難しいところかと思います。

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      「非常事態」をちらつかせる形での民主党側への揺さぶり。新議会で下院の多数派が民主党となることでさらに壁建設費用の捻出が難しくなる中のからめ手です。これまでの政権なら議会の対立党に首席補佐官や副大統領を送って調整させるのですが、議会対策がうまいスタッフがいない中、広く支持者に訴えて議会を動かそうとする狙いです。世論を動かすことで議会を動かす「ゴーイングパブリック戦略」の典型例です。メキシコと実際の戦争状態でもないため、非常事態宣言が実際に出せるかはかなり難しいところ。

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      アメリカでは年末にアジア諸国との安全保障での包括的な協力強化を念頭にした「アジア再保証推進法」が成立したばかり。民主党側も同法に賛成で、安全保障の面では中国強硬論は超党派で支持されています。この動きを踏まえてあえて習氏が「統一に武力放棄せず」という発言をしました(もちろん「放棄する」とは国内の立場上、言えないと思いますが)。習氏の発言は米中関係が厳しくなる中、中台関係は東アジアの大きな火薬庫になる可能性も示唆しています。

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      10月からすでに始まっている新年度の予算が決まっていないためのつなぎ(暫定)予算。共和党も民主党も譲らず、閉鎖とはなりましたが、今年の場合、前提として本来の新年度予算もかなりまとまっています。「自分たちは正しい」という両党ともに支持固めの大きな機会でもあるので、誤解を恐れずにいえば、妥協をしないのも一種のメディアイベント(一方で世界の市場に影響するという問題も大きいのですが)。閉鎖が終わった後、トランプ政権と民主党とどちらの支持が上がるかがポイントになりそうです。そのためにもどこで折り合えるか。最後は米墨国境の壁建設ですが、民主党側と共和党側の差は額のみ。費用算出の差を決めるのが、何をもって「壁」とするのか。最後は「壁の定義」がおそらく焦点。

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