前田恒彦

元特捜部主任検事 報告 オーサー

黒川弘務検事長が定年延長を打診された際に固辞しておけば、こんな騒動にはなりませんでした。前例のない強引な人事であり、検察内外で紛糾することが目に見えていたわけですから。

ましてや、是が非でも彼を次の検事総長に据えなければならない理由も必要性もありません。彼が検事総長になったとしても、カルロス・ゴーン氏の身柄引き渡しが行われることなどないわけです。赤手配されて久しいシー・シェパードの創設者ですら、米国での所在が判明しているにもかかわらず、いまだに引渡しが実現していない状況です。

最高検察庁が明らかにした『検察の理念』には、「自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず、時としてこれが傷つくことをもおそれない胆力が必要である」という一文があります。

地位や権力に連綿とする人の醜さが如実に現れた定年延長問題。今からでも遅くないので、黒川検事長が辞表を出したらどうかと思う次第です。

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前田恒彦

元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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