前田恒彦

元特捜部主任検事 報告 オーサー

死刑確定から執行までの平均期間はオウム事件に関する大量執行前の10年間で5年半程度でしたが、今回の神奈川事件は11年9か月、福岡事件は8年5か月ですから、いずれも執行まで比較的時間を要したほうだと言えるでしょう。それでも、執行未了の確定死刑囚は111人に上ります。

この点、刑事訴訟法は「死刑の執行は、法務大臣の命令による」「前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない」と規定しています。しかし、この「6か月ルール」は守られていません。執行すれば取り返しがつかない極刑だけに、慎重の上にも慎重を期す必要があるからです。

裁判所も、法務大臣の職務上の義務ではあるものの、この規定に反したからといって違法とはならず、法的拘束力もないと判断しています。政府も同様の立場です。

前田恒彦

元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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