前田恒彦

元特捜部主任検事 報告 オーサー

特捜部は、思いがけず勾留延長請求が却下され、批判にさらされ、下手をすると保釈まで認められるかもしれないという状況に追い込まれたことで、起訴できるか否か、あるいは有罪を獲得できるか否かはさておき、ひとまずゴーン氏の身柄を繋ぎとめておくため、ついに「特別背任」というカードを切らざるを得なくなってしまいました。

2011年に最高検が明らかにした『検察の理念』には、「あたかも常に有罪そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならない」といった一文があります。

年末年始は関係者や関係企業が休暇に入るため、連絡が取りにくくなり、円滑かつ迅速な捜査も期待できません。不十分な捜査のまま見切り発車するという泥沼に陥らなければよいのですが。

明日にも特捜部は裁判所に対してこの特別背任で10日間の勾留請求を行います。さらに裁判所がその請求を認めるか否かが注目されます。

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前田恒彦

元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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