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前田恒彦

元特捜部主任検事

前田恒彦

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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    • 前田恒彦

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      黒川弘務検事長が定年延長を打診された際に固辞しておけば、こんな騒動にはなりませんでした。前例のない強引な人事であり、検察内外で紛糾することが目に見えていたわけですから。

      ましてや、是が非でも彼を次の検事総長に据えなければならない理由も必要性もありません。彼が検事総長になったとしても、カルロス・ゴーン氏の身柄引き渡しが行われることなどないわけです。赤手配されて久しいシー・シェパードの創設者ですら、米国での所在が判明しているにもかかわらず、いまだに引渡しが実現していない状況です。

      最高検察庁が明らかにした『検察の理念』には、「自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず、時としてこれが傷つくことをもおそれない胆力が必要である」という一文があります。

      地位や権力に連綿とする人の醜さが如実に現れた定年延長問題。今からでも遅くないので、黒川検事長が辞表を出したらどうかと思う次第です。

    • 前田恒彦

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      よく目にするハトはキジバトとドバト(カワラバト)ですが、鳥獣保護法が無許可の捕獲や殺傷を禁じている鳥獣に当たります。キジバトは狩猟免許・登録を受けた者による狩猟が許されているものの、ドバトは対象外。これを改良したレース鳩の狩猟もアウトです。

      対象外の鳥獣を殺傷すると1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、飼育しているイエバトだと動物愛護管理法違反として2年以下の懲役又は200万円以下の罰金、他人のものだと最高刑が懲役3年の器物損壊罪も考えられます。また、そうした鳥獣を譲り受けたり加工すれば、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

      ただし、故意が必要なので、「捕獲可能な鳥獣と見間違えた」といった弁解を覆せなければ、民事責任は別として、刑事責任を問うことは困難です。大正時代の話ですが、錯誤が問題となって有罪無罪の結論が分かれた「たぬき・むじな事件」と「むささび・もま事件」が有名です。

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      押収された覚せい剤入りの袋から指紋が検出され、槇原敬之氏のものと一致したという話もあるので、報道が事実であれば、観念したということでしょう。

      今後の本格的な取調べでは、1999年の裁判後、いつから、どのような経緯で再び規制薬物と接するようになり、だれから入手し、どの程度の頻度で所持・使用していたのか、覚せい剤仲間はだれなのか、といったことに重点が置かれるはずです。

      また、今回の逮捕容疑は2年前の所持事件でしたが、逮捕に伴って行われた関係先への捜索で新たに覚せい剤などが発見されているのかや、尿の鑑定結果も重要となります。

      沢尻エリカ氏らの逮捕といった騒動があってもやめられず、直近も使用していたということになると、常習性や依存性の高さが極めて顕著であるうえ、「薬物依存症」という病の度合いも相当深刻だということにもなるからです。

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      持ち主が見つかれば、拾得者は5~20%相当の報労金を請求できます。ただ、このケースの場合、発見場所は市の清掃施設内であるうえ、発見者は市の職員で、しかも分別業務中に発見しているので、法的には拾得者はその職員ではなく、市ということになります。

      しかも、遺失物法では、国や自治体は先ほどの報労金を請求できない決まりです。したがって、持ち主がこれを市に支払う義務はありません。

      ただ、これはあくまで法的な権利義務の話です。もしこの職員が発見しなかったら、そのまま焼却処分されていたことでしょう。市に一部を寄付するといったことも、市民としての美徳の一つと言えるのではないでしょうか。

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      覚せい剤の常習者が本当の入手先を隠すため、「たまたま拾った」とか「ヤクザから手に入れたが、報復が怖いので誰かは言えない」「名前まではわからない」といった供述をすることはよくあります。今回も検察側は、入手経路を意図的に隠そうとしていると指摘しています。

      覚せい剤事件の受刑者は、医務部の看護師が工場に回診に来てほかの受刑者に採血注射をしている姿を見るだけで擬似快感を覚え、生唾を飲んだりしています。取調べで話さなかった真実の入手先に関する情報をお互いに交換したりもしています。それでも、一定期間の服役でほぼ自動的に仮釈放が許可されます。

      警察の捜査で本当の入手先を明かしていなければ、出所後、「放免祝い」と称してこの入手先から数回分の覚せい剤をタダでもらうなどし、再犯へとまっしぐらです。今回の公判検事も、「このままだと、どうせまた覚せい剤に手を出すに違いない」と考えていることでしょう。

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      覚せい剤は「パケ」と呼ばれる小さなビニール袋に小分けした形で入れられています。たとえ2年前の事件であっても、槇原敬之氏の当時の自宅から覚せい剤入りのパケが押収されており、ここから採取した指紋が槇原氏のものと一致したということだと、さすがに「知らない」「自分のものではない」といった弁解は通らなくなります。

      このほか、危険ドラッグ「ラッシュ」が入っていた小瓶や押収されたパイプからも槇原氏の指紋やDNA型が検出されているのか否か、今回の逮捕に伴う広範囲の捜索で新たに覚せい剤などが発見されているのか否か、また、逮捕直後に採取された尿から規制薬物の陽性反応が出ているのか否かも重要となります。

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      覚せい剤事件で懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を受けた前回の裁判は1999年12月のこと。このときはCDの販売が停止されるといった事態にまで至りました。

      ただ、この裁判からすでに20年を経ているので、仮に覚せい剤の所持や使用で起訴されて有罪になったとしても、大量所持の余罪が発覚したとか、密売に関与していたといったことでもない限り、再び執行猶予が付く可能性が高いでしょう。

      薬物依存症という病の完治は難しく、容疑が事実であれば、薬物仲間との付き合いを断ち、環境を一新し、周囲の支えを受けつつ、また一から治療を進めていく必要があります。

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      今回は覚せい剤約0.083グラムの所持容疑により自宅で逮捕されたとのことですが、この容疑が事実であれば、前回の裁判後、いつから、どのような経緯で再び規制薬物と接するようになり、だれから入手し、どの程度の頻度で所持・使用していたのか、といったことが捜査の焦点となります。尿検査の鑑定結果も注目されます。

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      実際に逃げているのに何をバカなことをと思うかもしれませんが、法的にはかなり重要な主張です。これを覆せなければ、少なくとも逃走に関しては刑罰が軽くなるからです。

      すなわち、この被告人は、アクリル板の片側を金属の枠から外して壊し、隙間を作って逃げたということで、最高刑が懲役5年の加重逃走罪で起訴されています。一方、刑法は、壁や鍵などの設備を壊さず、警察官らに暴行や脅迫も加えず、だれとも共謀せずに1人で逃げた場合、単純逃走罪として1年以下の懲役という比較的軽い刑罰にとどめています。

      もしアクリル板の止め具などがすでに壊れていたということだと、加重逃走罪ではなく、単純逃走罪にとどまる可能性が出てきます。接見室内には防犯カメラはなく、警察が接見のたびにアクリル板を確認することもありません。

      この接見直前までは壊れていなかったいう事実を検察側がどうやって立証するのか、証拠の内容が重要となります。

    • 前田恒彦

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      遺失物の公告から3か月以内に持ち主が見つからなければ、この現金は拾得者のものになります。一方、持ち主が見つかれば、拾得者は報労金を請求できます。金額は5~20%相当ですが、折り合いがつかなければ裁判になります。

      では、今回のようなケースの場合、誰が拾得者ということになるでしょうか。発見場所は市の清掃施設内であるうえ、発見者は市の職員で、しかも分別業務中に発見しているので、法的には清掃施設の占有者である市が拾得者になるものと思われます。

      なお、国や自治体は先ほどの報奨金を請求できない決まりとなっていますが、もし持ち主が出てこなければ、市が権利を放棄していない限り、現金は市のものになります。

      脱税など事件性のある事案ばかりでなく、タンス預金をする1人暮らしの高齢者が死亡したあと、事情を知らない遺族が遺品をゴミとして捨てることなどから、こうした事例が相次いでいる状況です。

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