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前田恒彦

元特捜部主任検事

前田恒彦

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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    • 前田恒彦

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      百歩譲って、元巡査長については盗んだ金を弁償し、被害者らも許しており、「起訴猶予」という形で不起訴になるのも理解できます。

      一方、福岡刑務所の刑務官については、地検の「起訴するに足りうる証拠がなかった」という説明だと「嫌疑不十分」による不起訴だと思われます。

      しかし、法定速度を18キロ超える78キロで車を運転中、覆面パトに検挙され、呼気検査で基準値の2倍のアルコールが検出されたことから現行犯逮捕された事件だったはず。

      しかも、二日酔いだった刑務官は「けさ、自分でアルコール検知器を使ったら、基準を超える数値が出ていた。運転前にアルコールが残っていたことは分かっていた」と供述していたわけで、なぜ不起訴なのか理解に苦しみます。

      この点、もし警察の速度計測やアルコール検査が間違っていたという話であれば大問題でしょう。ほかにもこの覆面パトに検挙されたドライバーが多数いるはずだからです。

    • 前田恒彦

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      興行場法は「業として」「映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設」を営業する場合、都道府県知事の許可を受けなければならないとしています。設置場所や構造設備に関して条例で厳しい基準が定められており、許可のハードルは高いです。無許可営業の刑罰は6か月以下の懲役か5千円以下の罰金となっています。

      ただし「業として」、すなわち有償・無償を問わず反復継続の意思をもって行う場合でなければ許可は不要です。例えば、家族や友人のみを対象にした単発的な映画上映会はセーフですし、飲食店に設置されたテレビなど単なる客寄せの手段に過ぎないものもセーフです。

      ライブハウスが1ドリンク制なのも、本来なら「興行場」として許可を得る必要があるものの、簡単には許可されないので、より容易に許可が得られる「飲食店」として営業しているからです。ライブ演奏は客寄せの手段に過ぎないという理屈です。

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      事故前夜に飲酒し、起床後の朝、車を運転中にブレーキとアクセルを踏み間違えて軽乗用車に追突し、怖くなって逃げたという事案のようです。事故そのものは不注意ですからいつだれが起こすか分かりませんが、さすがに飲酒運転とひき逃げは故意犯であり、酌量の余地がありません。

      そのため、よくある弁解は「寝たから酒は完全に抜けていると思っていた」「まさか相手がケガをしたとは思っていなかった」といったものです。平岡卓選手が取調べの中でこれらの点まで認めているのか否かがポイントになります。

      ただ、逃走犯の特定まで時間を経ており、運転当時の客観的な酔いの程度などは特定困難なので、飲酒運転の点は情状として考慮されるにとどまるでしょう。被害者のケガの程度が軽微なものであれば、示談を待って略式起訴され、罰金で終わる可能性も考えられます。

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      盗撮動画が部内で出回っているという話もあり、刑事事件として立件すべき明らかな犯罪行為にほかなりません。関係者の口を封じ、動画を消去するといった隠ぺい工作の疑いもあるので、警察の徹底捜査が必要でしょう。

      考えられる罰則ですが、一つは正当な理由がないのに浴場をひそかにのぞき見た者を処罰する軽犯罪法です。ただし、刑罰は拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)か科料(千円以上1万円未満の金銭罰)と軽いです。

      迷惑防止条例も考えられますが、自治体によっては浴場や更衣室といった「公共の場所」「公共の乗物」以外の空間での盗撮を規制していないところもあるので、合宿場所がどこかによってこの条例が使えないという事態も考えられます。

      そこで、盗撮用カメラを設置するために女性風呂に入り込んだという点をとらえ、刑法の建造物侵入罪に問うことが考えられます。最高刑は懲役3年であり、盗撮犯の検挙によく使われています。

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      勾留執行停止は、病気治療や親族の危篤といった特殊な事情がある場合に、裁判所の判断で一時的に身柄拘束が解かれるというものです。ただし、保釈と違い、保釈保証金のような制度がありません。

      すなわち、保釈中に逃亡すれば保釈保証金を取り上げるというペナルティがありますが、勾留執行停止中に逃亡してもそうしたペナルティがないわけです。刑法の逃走罪にも当たりません。保釈中の逃亡を含め、何らかの刑事罰の創設が必要ではないかと言われるゆえんです。

      今回は、直ちに病院に向かうということで身元引受人2人が車で拘置所に迎えに来て男と拘置所を後にしたわけですが、受診すらせず、男も身元引受人らも行方不明になっているとのこと。

      身元引受人には犯人蔵匿罪や隠避罪が、男にはその教唆罪が成立します。男のみならず身元引受人についても全国に指名手配し、早期の身柄確保に努めるべきでしょう。

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      初公判開始前に指定弁護士の一人に「もし無罪判決が下ったら、控訴をするのか」と聞くと、「やはり控訴せざるを得ないだろう」と言っておりましたので、予想どおりの展開です。

      ただ、高裁で逆転有罪を得るには極めてハードルが高いし、一審で証拠調べを尽くしているので、控訴審で新事実が飛び出すことは考えにくいでしょう。

      様々な制度改革が必要ですが、一つは検察審査会の議決を経た強制起訴事件については、罪名を問わず裁判員裁判で裁けるようにするといったことが考えられます。だからといって「疑わしきは罰せず」という大原則を曲げるわけにはいきませんが、「素朴な市民感覚」が裁判に反映されやすくなることは確かです。

      ただし、検察すらも不起訴を繰り返さざるを得ないほど証拠が乏しいのが強制起訴事件の特徴であり、有罪立証のチャンスは一審限りとし、無罪判決に対する控訴を認めないといった歯止めも併せて導入する必要があります。

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      懲役8年でも軽い理不尽な事件です。ただ、検察側は控訴していません。それでも控訴審でより重い刑になる可能性があるとなれば、被告人側は怖くて控訴できません。そこで、被告人側だけが控訴している場合、不利益な変更は許されないという決まりになっています。もはやこの母親が懲役8年を超える実刑になることはありません。

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      高浜町自身に調査する気などないわけですから、いずれ市民団体から刑事告発があるでしょうが、捜査当局はこれを待たず、すぐに内偵捜査を始めるべきでしょう。事件のスケールからして、議員や役人らが絡んだ贈収賄事件に発展するニオイがプンプンします。

      すでに税務当局が元助役や建設会社から相当の資料を押さえており、様々な裏事情が分かる「宝の山」だと思われます。原発利権の闇は深く、司直のメスを入れる好機ではないでしょうか。

      まずはこの資料を分析するほか、関連する自治体の首長や議員の収支報告書を取り寄せて調べ、問題の元助役や建設会社社長らの名義で献金やパーティー券購入がないかチェックし、また、元助役や社長らのクレジットカード履歴からプレーしていたゴルフ場を見つけ、そのゴルフ場のチェックインリストなどから一緒にプレーしていた役人らを特定して接待ゴルフのネタを掴む、といったところから始めたらどうでしょうか。

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      建設会社などが原発関連工事の受注をめぐるフィクサーの元助役に工作資金などとして裏金を渡し、一部が関電役員に裏金として流れていたところ、まずは地元の建設会社に対する税務調査で元助役あての裏金の一部が発覚し、次に元助役に対する反面調査で関電役員あての裏金が発覚した結果、関電に問い合わせがあったという流れでしょう。

      もし発覚しなければ関電役員らが返金することなどなかったはずであり、それでも辞任どころか社内の調査報告書すら公表しないという腹の太さには呆れるほかありません。捜査当局による徹底捜査が求められることは当然として、株主に対する背信行為でもあり、代表訴訟による民事面での責任追及も必要でしょう。

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      この男性の問題は性依存症だけでなく、そもそも「社会のルールを守る」という基本的な遵法精神が欠如している点。刑務所内ですらも喧嘩沙汰を起こすなど遵守事項違反をし、ほぼ満期出所。刑務所では性犯罪者に対して認知行動療法などに基づく特別な更生プログラムが実施されていますが、男性は「なぜ性犯罪をしてしまったのか」という基本的な問いにすら曖昧な答えしかできておらず、効果がなかったようです。

      確かに治療的処遇は重要ですが、性犯罪1件あたりの刑罰が軽すぎるからこそ腰を据えた治療ができず、満期であっても早く出所し、社会がこの男性による再犯の危険性にさらされることになるわけです。

      まずは性犯罪に対する一層の厳罰化により、社会から隔離する期間を伸ばす必要があります。併せて、性欲を減退させるホルモン療法やGPS端末の装着による行動監視、幼児に対する性犯罪者の最新住所登録といった再犯防止策の創設も求められます。

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