窪園博俊

時事通信社 解説委員 報告 オーサー

「国の借金が1103兆円」と聞けば、借金の山を想像する向きも多いだろうが、実は国家経済全体でみれば、「借金」は経済主体の債権・債務関係の一つの断面を切り取った数字に過ぎない。
 「経済主体」とは「一般政府」、「企業」、「家計」であり、この部門間の債権・債務関係において、「国の借金」がどう位置づけられるかがポイントとなる。この構造を統計で捉えたものが、日銀が四半期ごとにまとめている「資金循環統計」だ。
 それによると、昨年末時点では、地方公共団体も含めた「一般政府」の債務は1300兆円あまりに達している。一方で、「一般政府」は600兆円弱の資産も保有しており、借金の山だけが存在するわけではない。
 「国の借金、1103兆円」も数字は膨大だが、国家の債権・債務関係で「借金」が他部門の資産として安定保有されるなら特に不安視する必要はない。重要なのは数値でなく、政府信用が維持されるかどうかだ。

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窪園博俊

時事通信社 解説委員

1989年入社、外国経済部、ロンドン特派員、経済部などを経て現職。1997年から日銀記者クラブに所属して金融政策や市場動向、金融経済の動きを取材しています。金融政策、市場動向の背景などをなるべくわかりやすく解説していきます。言うまでもなく、こちらで書く内容は個人的な見解に基づくものです。よろしくお願いします。

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