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窪園博俊

時事通信社 解説委員

窪園博俊

1989年入社、外国経済部、ロンドン特派員、経済部などを経て現職。1997年から日銀記者クラブに所属して金融政策や市場動向、金融経済の動きを取材しています。金融政策、市場動向の背景などをなるべくわかりやすく解説していきます。言うまでもなく、こちらで書く内容は個人的な見解に基づくものです。よろしくお願いします。

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      この手の景況感を問うアンケート調査では、内閣府の「景気ウォッチャー調査」が景気循環を敏感に反映するものとして専門家から注目されているが、同調査でも景況感の悪化が鮮明となっている。
       5月の調査では、家計関連は前月比0.6ポイントの悪化にとどまったが、企業関連は同2.5ポイントも悪化し、企業部門の景況感悪化が際立つ。企業関係の景況感調査では、日銀短観(四半期調査)が有名だが、これも3月時点で悪化傾向が強まり、次回調査では中小企業はマイナス圏に落ち込む恐れもある。
       言うまでもなく、企業景況感の悪化は、米中貿易戦争の影響で世界経済の不透明感が強まっているためで、これを受けて欧米中銀の金融政策スタンスは緩和方向に傾斜している。日銀も追随を余儀なくされるだろう。
       安倍政権は消費増税を断行する構えだが、増税が景気に打撃を与えることは確実。デフレ脱却を標榜した政権の経済政策は逆走が強まるだろう。

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      寿命が長くなり、資産面でも老後への備えが必要になった、というのは現時点での発想としてその通りであろう。ただ、金融庁が示した「試算」は、ただの「試算」に過ぎず、国民が“自助”で運用しても、うまく行くかどうかは別問題だ。なぜなら、経済の先行きは誰にも分からいからだ。
       それは、過去を振り返ると分かることだ。今後、30年の人生があるとして、どのような経済が想定されるだろう。今から30年前はバブル絶頂期だった。今だから「絶頂期」と言えるが、当時はさらに資産価格は上がり、ほとんど誰もバブル崩壊は予想しなかった。
       つまり、「30年」というのは、神のみぞ知る世界であって、運用の成否はあてにならない。むしろ、政府部門の一部が寿命長期化に伴う資産不足を指摘するのは、不安を煽るだけだろう。それより、政府はアベノミクス成功に尽力して経済を繁栄させ、その繁栄を永続させることで国民の老後を安定させるのが筋だ。

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      銀行通帳は、日本人には空気や水のように存在するのが当たり前だが、今後は通帳廃止が徐々に広がる可能性が高い。ネット銀行を使っている方々には通帳なしが普通と思われるだろうが、日本全体ではまだ少数派。これからは銀行界全体が通帳廃止に傾斜する方向とみられる。
       日本では、口座を作ると、預金通帳が発行され、お金の出し入れが即時に記帳される。これは世界的に見ると、かなりユーザーフレンドリーなサービスであり、それだけ銀行側の負担が大きいと言える。
       かつて銀行は預金の獲得競争を展開していたが、低金利が長期化する中で、預金集めの動機が薄れてきた。金利が高い時代は、預金は低コストの調達となり、集めるほど収益が増えたが、低金利が常態化してむしろ預金が負担となった。預金利息はなきに等しいが、預金保険料の負担も重いからだ。
       口座関連経費を削減したいのは銀行界に共通した課題で、通帳廃止が潮流となる可能性は高い。

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      結論から言えば、1~3月期のGDPが年率2.1%増と市場予想に反して大幅なプラスになったのは、単にテクニカルな要因に過ぎず、経済の実情は決して良くない。この数字を景気の良さを示すものだとして持ち出すのはミスリードであり、安倍政権が引き続きデフレ脱却を最優先に位置付けるなら消費増税は見送るのが筋であろう。
       今回のGDPは、市場ではマイナスに落ち込むとの予想が多かった。海外経済が減速しているほか、国内消費もさえないためだ。ところが実際のGDPは予想からかなり上振れ、サプライズなプラス成長となった。このプラスが本物なら喜ばしいのだが、内訳をみると、純輸出が想定以上に増加するという“テクニカルな要因”によるもの。
       つまり、輸入が大幅に減少して計算上の純輸出が拡大し、プラス成長に寄与した。輸入が減るのは国内経済が不振なため。何のことはない、経済不振が(計算上の)プラス成長となっただけなのだ。

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      「国の借金が1103兆円」と聞けば、借金の山を想像する向きも多いだろうが、実は国家経済全体でみれば、「借金」は経済主体の債権・債務関係の一つの断面を切り取った数字に過ぎない。
       「経済主体」とは「一般政府」、「企業」、「家計」であり、この部門間の債権・債務関係において、「国の借金」がどう位置づけられるかがポイントとなる。この構造を統計で捉えたものが、日銀が四半期ごとにまとめている「資金循環統計」だ。
       それによると、昨年末時点では、地方公共団体も含めた「一般政府」の債務は1300兆円あまりに達している。一方で、「一般政府」は600兆円弱の資産も保有しており、借金の山だけが存在するわけではない。
       「国の借金、1103兆円」も数字は膨大だが、国家の債権・債務関係で「借金」が他部門の資産として安定保有されるなら特に不安視する必要はない。重要なのは数値でなく、政府信用が維持されるかどうかだ。

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      元気がお年寄りが以前よりも増えているのは確かであり、それに応じて年金制度を柔軟化していくのは必要な措置であろう。
       ただ、そうした制度対応が老後にうまく合致するかはまた別問題だ。理想的には、健康な状態のまま平均寿命か、それ以上長生きをすることだが、こればかりは事前には分からない。
       また、制度以前の問題として、人口減少かつ高齢化社会の年金制度が維持されるかどうかへの不安も大きい。若年層が高齢層を支えきれなくなれば、やむなく受給年齢の引き上げに追い込まれよう。
       さらに、マクロ経済の先行きも不透明で、安倍政権の「アベノミクス」も当初は、黒田日銀にリフレ政策を委ねて威勢は良かったが、物価は上がらずに意気消沈した状態が数年も続く。
       年金制度自体の見直しは当然として、人口問題に対処すると同時に、経済をきちんとデフレ脱却させ、将来の成長持続を担保することが、国民の老後を安心させることにつながる。

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      自民党の萩生田光一幹事長代行の発言は、あらゆる観点から意味不明だと言えよう。まず、安倍政権はこれまで増税を断行する構えを続け、業界に対してはこの期に及んでも軽減税率への協力を求めてきた。それを今になって梯子を外すかのような言動を取るのは無責任であろう。
       また、増税見送り論を唱えたのは、政府として景気判断が揺らいだ証拠であり、だったら日銀の短観など待たずに即刻、見送りを決めるのが筋だ。景気のダウンサイドリスクに早めに対処し、増税を見送って景気回復を確かなものとし、短観が上向くを野を待つべきであろう。
       それと、日銀短観で増税するかどうかという重大な判断を行うのが解せない。短観は確かに重要な指標の一つだが、日銀自身がそれだけで金融政策を判断したことはない。ただのアンケート調査であり、もっと重視すべき指標は多い。三村会頭が「信じられない」と述べたのは、あらゆる観点でその通りだと言える。

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      賃金の下振れで明らかになったのは、安倍政権と黒田日銀が目指す物価2%の達成がますます絶望的になったことだ。安倍政権の意向を受けて大規模な緩和を行っている黒田日銀だが、物価が上がる理由として、賃金が上がることを挙げている。給料が増えた家計が消費にお金を使い、それにより様々な物品・サービスの価格が上がるのだ、という。
       この理屈を聞いて、納得する向きは少ないだろう。日本経済は外需主導で景気が回復する。潤うのは大企業・製造業が中心で、労働者の多くが属する中小企業の恩恵は少ない。また、最近は海外経済の不調で外需も下振れ、企業全体の景況感も悪化しつつある。
       もともと賃金にけん引された物価上昇というシナリオは空論に近く、今回の賃金統計の下振れはそれを改めて浮き彫りにしたと言えるだろう。さらに賃金が低迷する中で強引に物価を押し上げると、家計への打撃が強まる。アベノミクスがアベコベになるわけだ。

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      この手の値上げのニュースが出るたびに家計への痛手を改めて実感する向きが多いだろう。なぜなら、た景気回復の恩恵を受ける向きは限られる一方、大半の家計は給料もほとんど増えず、一方で生活品の値上がりが目立つからだ。
       また、値上げのニュースと矛盾するようだが、安倍政権と黒田日銀は物価を押し上げようと必死だが、それでも目標の2%は程遠い。これは、食料品など日常の買い物で人々が体感する物価は上がっているように感じても、政府・日銀が目標とする物価指数からは生鮮食品は除外され、多くの品目を含むためだ。
       つまり、多くの人々の賃金がさほど増えずに食料品が値上がりする中、消費税が引き上げられると、一段と家計が痛む構図にある。皮肉なのは、金融緩和で物価を上げるには円安が必要だが、これはエネルギーや食料品の値上げになり、家計をさらに痛めること。強引に物価を押し上げるアベノミクスの見直しが必要だろう。

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      2019年の公示地価で、地方圏の住宅地が27年ぶりに上昇に転じた、という。都市部の地価上昇がやっと地方に波及し、これから上昇軌道に乗る、と期待したいところが、残念ながらそうなる可能性は低いと思われる。
       都市部も地方圏も上昇が目立つのは利便性が良いところに限られる。全体的には低迷が続き、あくまでも部分的な上昇によって平均値を押し上げたと言えるだろう。イメージとしては、仮にバブル的な様相が生じているにしても、点と線に限られ、面としてとらえると冷え込みが続く、といったところ。
       日本の地価は、1980年代後半のバブルが崩壊して以降、2000年代前半に都市部が下げ止まり、その後は持ち直した。最近、バブルが懸念されるにしても、あくまでもスポット的な現象にとどまる。
       経済情勢に目を向けると、世界経済は下振れ懸念が強く、外需依存の日本も景況感が冴えない。地価動向の先行きも予断を許さない。

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