今野晴貴 認証済み

NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。 報告

この事件は氷山の一角であり、多くの被害者は「泣き寝入り」を強いられていると考えられる。そもそも、外国人が日本で不当な扱いを受けたとき、その権利を主張するとかえって被害者が強制送還を受ける結果になることがある。
それは、労働法は日本人とまったく平等に適用されるのだが、入管法は労働法上の権利とは無関係に運用されるからだ。したがって、違法労働の被害者でも、ビザが取得できなければ国外退去となり、労基署に申告したり、裁判を継続することが困難になる。労働被害の支援団体も手を出しにくい構図になっているのだ。
この事件を扱っている指宿弁護士はこの手の問題のエキスパートだが、ほとんど利益にならない外国人の事件に対して、「手弁当」で支援する弁護士は限られているのが実情だ。外国人労働者に対する専門的な窓口の設置や、入管制度において、違法労働が疑われる場合の特別の措置の策定が必要であろう。

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今野晴貴 認証済み

NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

NPO法人「POSSE」代表。年間3000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。著書に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。2013年に「ブラック企業」で流行語大賞トップ10、大佛次郎論壇賞などを受賞。共同通信社・「現論」、東京新聞社・「新聞を読む」連載中。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。POSSEは若者の労働問題に加え、外国人やLGBT等の人権擁護に取り組んでいる。無料労働相談受付:soudan@npoposse.jp。

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