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今野晴貴

NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

今野晴貴

労働・福祉運動家/社会学者。NPO法人POSSE代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。年間2500件以上の若年労働相談に関わる。著書に『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)、『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか?』(星海社新書)など多数。2013年に「ブラック企業」で流行語大賞トップ10、大佛次郎論壇賞などを受賞。共同通信社・「現論」連載中。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。無料労働相談受付:soudan@npoposse.jp、03-6699-9359。

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    • 今野晴貴

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      退職代行ではなく、労働側の弁護士に依頼すべき理由は、非弁行為だけではない。社員をやめさせないブラック企業では、残業代不払いやメンタルヘルス疾患の労働災害が横行している。違法行為の被害を抱えたまま、ただ「辞める」だけでは、そうした被害は回復できない。
      労働側の専門的な弁護士やユニオンであれば、辞めるだけではなく、それらの権利侵害に対する被害回復についても必要な助言や手続き、支援を行ってくれる。
      たとえば、パワハラとサービス残業を苦に辞めるという場合。ただ辞めれば、失業と転職で困窮するだろう。メンタルヘルス疾患を患っていれば、しばらく働くこともできなくなるかもしれない。しかし、それらの被害は一切救済されない。
      もし、労働側の弁護士やユニオンであれば、残業代を請求し、労災の手続きについても手続きや支援を行ってくれる。このように、「辞めたあと」で、天と地ほどの差が生じてくることになる。

    • 今野晴貴

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      非情に典型的で、蔓延している問題。
      まず、大前提として、労働者本人の「同意」なしに労働条件を変更することはできない。もし新たな「同意」によって契約を結びなおしていないならば、減額された分の全額の支払い義務が発生する。
      それにもかかわらず、脱法的に賃金を「減額」するための手段が、今回のケースに見られる「固定残業代(みなし残業)」を組み込むというやり口である。一見すると額面が変わらないために、あたかも「変化」がないかのように見えるから、騙しやすいのだ。
      最近では、最低賃金の上昇に合わせて、巧みに「固定残業時間」分を変化させて調整したり、裁量労働制が違法扱いされた場合に「備えて」固定残業代の契約を組み込むといったやり口が目立つ。就業規則に新たに書き込むケースも多い。
      そうした賃金制度の変更に対しては、このケースのように事後的に請求が可能である。気になることがある方は、ぜひ専門家に相談してほしい。

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      大量離職は各所で発生しているが、辞めても人員を入れ替わるだけでは、体質は改善しない。本来、「一斉に辞める」という選択肢は事実上の「ストライキ」と類似の効果を持っている。実際に、労働相談の現場でも、「辞めることで一矢報いたいと思っています」という方は多い。
      だが、繰り返しになるが、辞めるだけでは会社の体質はなかなか改善しない。この記事のケースでも、結局次の人員の確保が達成されているとして、会社は反省の姿勢を見せていない。
      本来「辞める」ことが会社にとってダメージになるということは、それだけ保育士の力に依存した経営をしているということ。そうした働く側の「価値」を交渉力に変えるためには、労働組合という組織を活用することが効果的だ。労働組合による団体交渉やストライキ権の行使は、自分たちの「価値」を交渉に反映させる「法律上」の方法なのだ。ストライキ中は新規の採用は制限され、ストを理由に解雇はできない

    • 今野晴貴

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      報道では一方的な説明がなされているが、実は、この問題は教員たちの「内部告発」に端を発している。すでに昨年、教員たちが文科省に対策を求めていたのだが、これを文科省は「門前払いした」という経緯があるのだ。教員たちの改革しようという訴えは無視し、トップダウンで制裁を科す姿勢には疑問を覚える。
      学校の経営に問題があることは間違いないが、教員たちはすでに労組を結成し、学校の運営の在り方に抗議していく予定だという。こうした内部からの改革の声に耳を傾け、改革を後押ししていくことが、必要ではないか。

    • 今野晴貴

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      本記事では対応策について、就職のための支援を提言しているが、それだけでは十分ではない。
      まず、これ以上非正規を拡大しないための「入口規制」を作る必要がある。非正規雇用はますます多くの職種で活用されている。例えば、私立学校では4割が非正規先生。低賃金で働き、将来も見通せない。何度も雇止めされる中で、まさに教師を「諦める」人が続出している。負の循環を止めるには、非正規そのものの規制が必要である。実際に、欧州では非正規雇用を採用する際に合理的な理由を求める規制が存在する。
      第二に、現状の非正規雇用の待遇改善を進める必要がある。再び現場に戻っても、そこが差別され放題の待遇では、またやる気を失ってしまう。同一労働同一賃金を義務付けるような法政策が必要である。
      そもそも、2000年代の時点で、こうなることは「わかって」いた。非正規雇用の拡大を放置し続けてきた結果である。入口規制はすぐにでも導入すべきだ

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      沖縄の労働問題は、全国的にみても際立っている。
      沖縄の最低賃金は全国最低クラスの762円。県民所得は国民所得に比べてかなり低い。一人当たり国民所得319万円に対し、県民所得は全国最下位の217万円だ。労働時間も長い。事業所規模5人以上の総実労働時間が全国平均では月143.4時間だが、沖縄では月148.8時間である。
      背景には、沖縄の第三次産業の多さがある。産業3部門の就業者数は、日本全体で67.2%であるのに対し、沖縄では73.5%。そして実は、ブラック企業は第三次産業に多い。ブラック企業はIT、介護や保育などの福祉、コンビニやアパレルなどの小売などに多く、これらは主に第三次産業だ。 第三次産業は構造的に生産性の向上になじまず、利益を上げるために人件費の削減が行われやすいのである。そのため、沖縄からの労働相談も多い。違法行為については早めに相談を寄せてほしい。

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      時代の流れに逆行した判断。政府や財界は「雇用によらない働き方」を推進しており、自営業者をますます増やそうとしているからだ。実際に、アメリカでは自営業者が急増し、数年以内に労働者の半数が「自営業者」になるともいわれる。
      そもそも、形式的に「自営業者」「業務委託」などの形をとっていても、「実質的」に支配従属関係があれば、労働法上の労働者として扱われる。そうしないと、契約の「形式」だけ置き換えられて、無防備な状態におかれるからだ。これまでに、運送業などでこの「自営業者化」は問題になってきた。社員にトラックを購入させて、業務委託に契約を切り替える。しかし、仕事は断れず、単価も言い値。「支配された自営業者」である。こうした場合に、労働法が適用される。
      コンビニオーナーも、実質的に支配された契約であり、労働法の適用が妥当であると考えられる。また、自営業者の拡大のなかで、適用の拡大こそが必要なのである。

    • 今野晴貴

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      判断した理由が非常に「あいまい」。このような対応だと、今後、別の店舗で24時間営業を拒否した場合には、やはり制裁が科せられることになる可能性が高い。
      これからの課題は、「どのような場合に24時間営業しなくて良いのか」を、明確にすることである。ルールの不明瞭さは、経済的取引においては「予測不可能性」を高め、不効率を生み出す。
      今回の件に関しては、この記事の説明では、結局オーナーたちは、病気などの事情があっても時短できるかわからないままだ。実験中は他の店舗も24時間営業をやめて良いのか、そして「実験」がおわったあとどうなるのかもわからない。
      予測可能性を高めるための「ルール」を定める最良の方法が、労使交渉である。本部はコンビニ加盟店ユニオンの団交を拒否しているが、オーナたちの安心とやりがい、将来の予測可能性を高めるためにも、交渉によって明確なルールを作っていくべきだ。

    • 今野晴貴

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      妥当な判断。ただし、今後の課題は、「明確なルール」を定めること。
      今回は強い世論の批判にさらされたことで、違約金と契約解除が回避されたが、今後、別の店舗で24時間営業を拒否した場合には、やはり制裁が科せられるだろう。
      もちろん、一気にすべての店舗の24時間影響を「任意」とすることは難しいかもしれない。そうであれば、「どのような場合に24時間営業しなくて良いのか」を、明確にすべきだ。
      そうでなければ、結局オーナーたちは、病気などの事情があっても時短できるかわからず、安心して経営できないままだ。オーナーをこれからやろうという人も、見通しが不明瞭では参入し難い。ルールは「取引の安全と効率」を高めるのだ。
      そのような「ルール」を定める最良の方法が、労使交渉である。本部はコンビニ加盟店ユニオンの団交を拒否しているが、オーナたちの安心とやりがいのためにも、交渉によって明確なルールを作っていくべきだ。

    • 今野晴貴

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      保育士の大量退職は世田谷区や名取市などでも起きている。理由を整理したい。
      第一に、「子どもの安全」がもっとも大きい。人手不足でも要員が派遣されなかったり、経営側が保育そのものに適切な関心を払わない結果、「責任を負うことが出来ない」と判断して一斉退職する。このような事態が他の園でも見られている。第二に、待遇の低さや、劣化である。人手不足の中で、持ち帰り残業の強要が当たり前に行われている(主に、行事の準備などだ)現実がある。最後に、これらの問題の本質は労働組合が存在せず、経営者と「交渉」が適切に成されていないところにある。園を良くし、子どもを適切にケアしたい。このような思いを保育士が持っていても、人員配置や運営は、経営側と交渉して納得して決める必要がある。その話し合いの回路がないために、「離職」という形になっていると思われる。したがって、解決策は労組を結成し、話し合いの道を開くことにあるだろう

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