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小黒一正

法政大学経済学部教授

小黒一正

1974年東京生まれ。法政大学経済学部教授。97年4月大蔵省(現財務省)入省後、財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授等を経て2015年4月から現職。一橋大学博士(経済学)。専門は公共経済学。著書に『2020年、日本が破綻する日』(単著/日本経済新聞出版社)、『人口減少社会の社会保障制度改革の研究』(共著/中央経済社)など。

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    • 小黒一正

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      現行の年齢別「窓口負担」を改め、応能負担別「窓口負担」に変更する必要があることはいうまでもなく、当初の改革から若干後退したものの、今回の改革が一歩前進であることは確かです。それと同時に、応能負担別「窓口負担」に関する議論が進んでいないことにも目を向ける必要があります。というのは、「所得基準を設けることで、低所得者は1割のままとする余地を残した」という記載がありますが、所得基準のみでなく、資産の多寡も議論を深める必要があるからです。この議論を深め、負担能力に応じて窓口負担などを変更するとき、所得や預金口座・土地といった資産などをどう一元的に把握するかという問題に直面するはずです。マイナンバー制度の利用も含め、議論を進める必要があるでしょう。

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      保険料や税でも、世代にかかわらず、社会保障・税番号制度も活用し、年金などの所得も合算しつつ、資産を含む負担能力に応じて負担する仕組みとするのが望ましいはずです。
      ですから、現在の「年齢差別」的な医療の窓口負担を改め、「応能負担別」の窓口負担に変更する今回の改革は、ぜひ実現してほしいですね。
      ところで、(75歳以上の窓口負担を原則1割から原則2割とする)今回の改革案の移行期間は「約10年」と解釈できます。
      理由は単純で、新たに75歳になる高齢者から順次2割にするルールを適用すると、平均寿命が85歳ならば、約10年間(=85歳-75歳)で、75歳以上の高齢者は平均的に原則2割負担となるからです。2030年頃では、70歳以上は原則2割負担となっているでしょう。

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      1973年の70歳以上・窓口負担無し(所得制限あり)から、2001年の1割負担(月額上限あり)の導入などを経て、約20年近くも経過し、やっと少し本格的な改革が始まる感じですね。いずれにせよ、現在の「年齢差別」的な医療の窓口負担を改め、「応能負担別」の窓口負担に変更する改革は不可避ですが、将来的には、保険料や税でも、世代にかかわらず、社会保障・税番号制度も活用し、年金などの所得も合算しつつ、資産を含む負担能力に応じて負担する仕組みとするのが望ましいと思います。

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      消費税率が10%に引き上げられてから、2か月も経過していない状況で、今回のIMFの提言は、ちょっと問題がありますね。もっとも、IMFは数年前から、4条協議や対日審査報告等で、日本に対し、財政再建のため消費税率を(少なくとも)15%に引き上げるべきとの提言をしており、今回の発言は従来と同様のものです。また、日本の財政は税収等で社会保障関係費などの歳出を賄えない状況が続いていることは事実であり、経済同友会や関西経済同友会なども、消費税率を段階的に17%に引き上げることを提言しています。いずれにせよ、民主主義国家である日本の政治を動かすのは、IMFでなく、有権者である我々国民です。厳しい現実を直視しながら、政治や我々国民が、将来世代の利益も念頭に、(社会保障改革の方向性を含め)冷静な議論を行うことが最も重要に思われます。

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      マクロ経済スライドに伴う年金水準の目減りを取り戻すためには、「繰り下げ」の利用も重要ですが、在職老齢年金が一つの障害になっているのも現実です。在職老齢年金は一種の課税の性質をもちますが、同制度の対象は労働所得で不動産収入(例:家賃)等は対象外となっています。税の世界では「水平的公平性」(同じ所得水準の者には、同じ税額を徴収するのが公平)という概念があり、課税の水平的公平性を実現するためには、在職老齢年金制度を廃止した上で、マイナンバー制度を利用し、税制上、不動産収入を含め、所得や資産の能力に応じた公平な負担を実現することが望ましいと思われます。

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    • 小黒一正

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      2050年に人口が50%以上も減少するエリアが6割を占める中、「全国の隅々までインフラを整備・維持し、フルセットの行政サービスを提供する」という発想は捨て、基礎的自治体のスリム化を図ることを考える必要があります。ですが、現状の政策では単なる「バラマキ」に終わり、立ち行かない自治体を延命させることしかできない可能性が高いように思われます。この点で、真の地方創生特区とは、いわばダウンサイジングを図るための「撤退作戦」を行いつつ、急速な人口減少・超高齢化がもたらす現実を直視し、果敢に集中と選択を実行可能とするため、地方分権の観点から、特区という制度を活用し、自治体に義務付けられたフルセットの行政サービスの撤廃を許容するための仕組みになるはずです。つまり、本当に優位な分野に自治体が自由に資源を特化・集中可能とする枠組みの整備が最も重要です。