川上泰徳

中東ジャーナリスト 報告 オーサー

安田純平氏はシリア内戦で何が起こっているかを知り、伝えるためにジャーナリストとしてシリア入りし、武装組織に拘束された後も自身の状況や拘束組織について克明に記録し、その一端を帰国後の会見やインタビューで明らかにした。ジャーナリストの仕事を続けるために旅券を申請し、5か月間、外務省が「審査中」として発給しないのは、政府による報道の妨害と言わざるを得ない。2月には、1000万人以上が飢餓状態にあるイエメン内戦を取材しようとしたフリージャーナリストの常岡浩介氏が旅券の返納命令を受けて出国できない事件もあった。シリア内戦であれ、イエメン内戦であれ、戦争や紛争には地域の政治や経済、社会の矛盾が集まり、それは常に他地域や世界に広がり、日本にも及ぶ危険性をはらんでいる。政府がジャーナリストの紛争地取材を阻むのは、世界で起こる問題と危機から国民の目を塞ぎ、主権者である国民の判断材料を奪う不当な行為である。

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川上泰徳

中東ジャーナリスト

元新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」など取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランスとして夏・秋は中東、冬・春は日本と半々の生活。現地から見た中東情勢を執筆。著書に新刊「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)「中東の現場を歩く」(合同出版)「イスラムを生きる人びと」(岩波書店)「現地発エジプト革命」(岩波ブックレット)「イラク零年」(朝日新聞)◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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