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Y!オーサー

加藤順子

ライター、フォトグラファー、気象予報士

加藤順子

学校安全、防災、対話、科学コミュニケーション、ソーシャルデザインが主なテーマ。災害が起きても現場に足を運ぶことのなかった気象キャスター時代を省みて、取材者に。主な共著は、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)、『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)、『下流中年』(SB新書)等。

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      こうした人権侵害を行う引き出し業者に関しては、宿泊型施設を選ぶ上での3つのポイント(①本人同意②事前見学・体験③地域の評判)だけでは不十分です。私の取材の範囲では、業者の洗脳状態にある家族も多く、本人に事前同意を取らないことこそ引き出しのセオリーであると信じ切っています。本人も、騙されたり、十分な情報を与えられないまま連れ出され、断れない状況で同意書や自殺免責同意書にサインさせられています。また、家族も事前に見学し、吟味の上で契約している例が少なくありません。さらに、寮生に農作業やお祭りの手伝いをさせたり、スタッフが自治体職員や議員ら政治家と盛んに交流している施設もあり、地域の評判もそこそこあります。引き出し業者の裏の顔に関する詳しい情報を持たないまま、業者が表向き見せる情報だけで実態を見抜く方法はないといってよいでしょう。なお、引き出し業者はコロナ禍でも、盛んに活動を続けているようです。

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      今年の命日前の取材は、脅迫状に挙げられたご遺族宅では物々しい監視体制でした。メディアが「遺族」と称することで、特別な印象を与えてしまうかもしれませんが、みなさん、普通のお父さん、お母さんたち。ごく一般の市民です。
      休日の旧大川小校舎には、大勢の教育関係者が全国から手を合わせに訪れます。一方、裁判の判決を、「教師の尊厳が侵された」と捉える教育者も、少なくありません。こうした傾向こそ、大川小事件の教訓化を妨げ、未災地の学校安全をないがしろにすることに繋がりかねない大きな課題だと危惧しています。
      先月25日、宮城県教委が校長・教職員研修に旧校舎を活用する方針が報じられました。裁判で負けなければ、9年経なければ、亡くなった74人の命に向き合う仕組みすら設けられない。これが、教育界の認識の現実です。
      この脅迫事件が、起訴、裁判に進み、現役教員とされる容疑者の動機が明かされていくことを願っています。

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      今日の旧大川小校舎は、遺族会取材の慰霊式典が中止となった影響で、人出はまばらでした。あの場所で起きた出来事の教訓を、取材者として、きちんと社会に伝えるバトンリレーをできているのか。いつもいつも、問いかけられる思いです。
      これまでの取材でお預かりした数々の言葉や、現場で自分なりに感じたたくさんの問いを、反芻する9年目の3/11です。

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      この本には、「内情がやっと世に出た」という感慨があります。

      取材者は、セクハラの被害者の声を取材することはあっても、自らの被害については語る機会はほとんど持てない存在です。

      取材先でセクハラ被害に遭い、所属組織に助けを求めても、身内に再度傷つけられる2次被害はかなり多くあります。記憶に蓋をして、感情を押し殺しながら働き続けている方も少なくありません。そんな数々のエピソードが、ピアインタビューで明かされています。

      私自身も、いくつも被害を思い返せますが、誰にも相談できませんでした。この本を通じて、心に蓋をしてきた当事者の姿を、自分の中に発見しました。

      メディアで働く女性たちが直面するセクシャルハラスメントについて、構造的な点も広く知られる意義はもちろん、記憶や感情に蓋をして今日も頑張る当事者たちに、「ひとりじゃないよ」という思いが伝わることが、今求められているのではと感じています。

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      治療や就労訓練の対象としがちだったこれまでのひきこもり支援施策。ひきこもる本人を欠格者として扱う「支援」には、当事者や経験者たちから違和感を訴える声が、長年上がり続けています。
      また、「引き出せば自立させられる」「専門家に頼めが解決する」といった幻想に基づく本人への介入には、多かれ少なかれ暴力性が伴います。むしろ、家族、地域、仕組み等の環境への介入で有効であることは、各地の先進事例が示している通りです。
      昨年の練馬の刺殺事件以降、「苦しむ本人を救うべきか、苦しまされる家族を救うべきか」といった議論で社会が分断しがちですが、今年こそ、当事者や経験者の声を真ん中において、ひきこもり支援をめぐる議論を活発にさせていき、事件の宿題にみんなで向き合っていきたいです。

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      引き出し業者にとっては、連れ出す対象が「ひきこもり」しているかどうかは関係ありません。原告本人は、もともと社交的でネットで小説家としても活発に活動していた方でした。そこに、こうした業者の怖さがあると思います。
      今回の判決では、「あかざけいぶの全国自立支援センター」を運営していた「エリクシルアーツ」の実態が、専門性のない素人集団であることが指摘されました。同意なき連れ出しや、自由意志に基づく行動の自由がなかったこと等、様々な不法行為が認定されており、画期的な判決だったと感じる一方で、暴力的な引き出し行為や暴行等、密室での被害がほとんど事実認定されなかったことは、課題を残したと思います。

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      大川小事故は、「東日本大震災の悲劇」という切り口よりも、震災をトリガーとした「戦後の教育行政史上で最悪級の学校事故・事件」とみるべきです。大川小の記事には遺族をモンスター視するコメントが多く付きますが、事後対応を見る限り、魔物化していたのはむしろ教育行政側でした。
      この記事の通り、佐藤敏郎さんは初めから、子どもの命を真ん中に置いた対話的手法による真相究明と教訓化とにこだわっていました。しかし、架空の理由や矛盾だらけの説明会で手打ちにしようとする市教委の事後対応があまりにもひどかったため、同じ教育者として煩悶の末、毅然とした態度を示すようになりました。教育行政側の姿勢は、法理が伴わないのに上告審に突き進んだことに象徴されます。
      事後対応という二次的災害の潮目が、判決確定により本当に変わったかをジャーナリズムはウォッチしていくべきで、きれいなストーリーでまとめる段階ではまだないと感じています

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    • 加藤順子

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      行政側がようやく遺族の面前で頭を下げました。市教委の「謝罪」のポーズはこれまで何度かありましたが、「謝罪」直後に、市・市教委全員が退出し「遺族は納得した」と語ったり、メディアの前でだけ頭を下げる形を取ったりしただけでした。約9年間、あまりにも不毛な事後対応が繰り返されてきたのです。
      1日は、遺族の案内で市長や市・県両教育長が大川小校舎跡に入りました。市長が遺族たちと同じ方向を見て言葉を交わす姿をみて、隔世の感があります。ここからが謝罪のスタートです。
      事後対応がひどいのは、大川小事故だけではありません。全国の学校事故・事件でも、遺族や被害者の意向を踏みにじる対応が繰り返されています。「真相を知りたい」という遺族・家族の思いに対し、暴言を吐く学校経営者も後を絶たず、調査委設置を巡って全力で抵抗する学校関係者も少なくありません。行政と学校が、組織として子どもたちの命に向き合うよう願います。