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井出留美

食品ロス問題専門家・博士(栄養学)・消費生活アドバイザー

井出留美

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学)(女子栄養大学大学院)修士(農学)(東京大学大学院農学生命科学研究科)。食品企業広報室長として東日本大震災食料支援の折、大量の食料廃棄に憤りを覚え、自らの誕生日であり転機となった3・11を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンク、セカンドハーベスト・ジャパンの広報を委託され、PRアワードグランプリ ソーシャル・コミュニケーション部門最優秀賞や食品産業もったいない大賞食料産業局長賞へと導いた。市議、県庁職員、商店街振興組合理事長らと食品ロス削減チーム川口主宰。『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)上梓、3ヶ月で3刷に。

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      食品製造業の場合、同様の異物混入のクレーム(消費者からの申し出)が3件あれば、その背後に100件近く発生していると認識し、健康被害が予想される場合は自主回収をも考える。クレーム件数=発生件数、ではない。全ての消費者がわざわざ手間をかけて申し出てくれる訳ではないからだ。学校給食にそのまま当てはめることはできないが、異物混入が100件認識されていたということは、これ以上発生していた可能性もある。学校給食は、成人してからも、懐かしい思い出として長く残っていく。子どもたちが口にする給食に金属片が入っていたことは、安全性の面から深刻であることは言うまでもないが、この給食を体験した子どもたちに「学校給食に虫や金属片が入っていた」という嫌な思い出を心に残してしまうことを想像すると、取り返しのつかない事態が残念でならない。食べることは一生続く。子どもたちにはこれから給食のいい思い出を作っていってあげたい。

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      東京都足立区は「おいしい給食」という取り組みを9年前(2009年)から始め、食べ残しを6割以上減らしている。給食メニューコンクールや、学識経験者・PTA・医師・校長・学校栄養士・調理業者などを委員とする「おいしい給食推進委員会」の設置、学校給食週間に給食の時間を5分延長するなど、全方位から取り組みを続けてきた。その結果、2009年(平成20年)には小学校で平均9%、中学校で平均14%の食べ残しがあったのが、2013年(平成24年)には小学校3.5%、中学校7.8%まで減少できた。学校給食での取り組みに加え、糖尿病対策の一環で野菜摂取量を増やすため、区の職員が居酒屋のお通しで出されるおつまみを野菜に変えるなど「ベジタベライフ」施策で野菜摂取量増加という実績も出した。区のイメージアップを目指す「シティプロモーション」も功を奏している。子どもの食生活環境を整えることは、街全体の健全化にも繋がる。

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      シャリを残す人が増えたのは、糖質制限ダイエットが背景にあると思われる。糖質制限は糖尿病や血糖値の高い人には良いが、全ての人に向くダイエット法ではない。2013年3月18日付で日本糖尿病学会は「炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは現時点では勧められない」と警鐘を鳴らしている。シャリ1個30kcal前後なのに対し、脂身の多いトロであればネタだけで50kcalを超える。客側は、シャリを残すくらいなら注文する個数を減らしてはどうか。一方、回転寿司店の一部は、決められた回転数を超えると寿司を全て廃棄している。もったいない。今年5月10日付の朝日新聞は、回転寿司チェーンの元気寿司が「廻さない」店を全国86店舗に増やしたことを報じている。客から注文を受けて作る方式に変え、売上が1.5倍に伸び、ロスも減ったという。客はシャリを残さず、店も回転後に廃棄するのをやめ、双方で食品ロスを減らしていきたい。

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      これまで廃棄されていた駆除対象のウニと、傷んでしまった廃棄対象野菜を廃棄せずに活用し、新たな付加価値を生み出す、非常に有意義な取り組み。これまで廃棄されていた農産物を活用する取り組みは、まだまだ充分に知られてはいないが、全国にたくさんある。たとえば、長野県松本市の蕎麦の製粉時の残渣やワサビの葉などを商品化したもの、島根県のカニ殻を活用したキチン・キトサンなどへの健康食品化、佐賀県伊万里市の規格外小葱を活用してのグリーンカレーのレトルト食品商品化、神奈川県鎌倉市の規格外の青みかんを活用しての茶・ジャム・化粧品などへの商品化など。この記事で紹介されている実証実験は、海藻を食い荒らす駆除の対象となっていたウニに廃棄野菜を食べさせ、甘味のある良質なウニに生まれ変わらせるという、マイナスとマイナスを掛け合わせてプラスのものを生み出すもの。他に見られないオリジナリティ溢れる取り組みで非常に素晴らしい。

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      食品表示法の食品表示基準で「ゼロ表示」について定められており、実際にはゼロでなくても「ゼロ」と謳うことのできる栄養素がある。たとえばカロリー(エネルギー)であれば、100gあたり5kcal未満なら0kcal(ゼロキロカロリー)と表示できる。甘味料を使った炭酸飲料などに表示される。脂質は100g中0.5g未満、コレステロール5mg未満、ナトリウム5mg未満、糖類0.5g未満であれば、ゼロ表示できる。糖質と糖類は紛らわしいが、「糖質」は、炭水化物から食物繊維を除いたもの。糖質の中に、砂糖などの「糖類」が含まれる。「糖」を団子にたとえると、「糖類」は団子1個(単糖類)か2個(二糖類)のみ。「糖質」は、それら「糖類」に加えて、複数のもの(多糖類)が含まれる。比較的エネルギーの低いこんにゃくを使った「しらたき」であっても、100g中、糖質は0.1g含有されるので「糖質ゼロ」を謳う条件はかなり厳しい。

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      環境配慮の基本的な考え方に「3R(スリーアール:さんアール)」がある。最優先が「Reduce(廃棄物の発生抑制)」次が「Reuse(再利用)」最後が「Recycle(リサイクル)」である。国や自治体は「3R」をキーワードにごみを「Reduce(発生させない)」努力をしている。環境対策の進んでいる京都市や、東京都文京区では、最後の「リサイクル」を取り「2R(にアール)」と呼んでいる。京都市の方に理由を訊ねたら「リサイクルは充分やっている」「リサイクルはお金とエネルギーがかかるから」とのことだった。フランスではプラスティック容器の使用を禁ずる制度が成立し、フィリピンでは数年前、コンビニの買い物袋がプラスティックから紙に変わった。今回の研究による発見は素晴らしく、プラスティックごみ問題を改善・解決する可能性がある。かといってこれに甘えず、ごみを発生させない、できる限り少なくする努力が求められる。

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      帯広の農家の言う「イモが余るときは買い取りサイズを厳しくするのに足りなくなると手のひらを返す」メーカーの姿勢は小売でも見られる。東北在住の方から「小売が魚介類を穫り尽くしてしまい、魚資源の持続可能性が損なわれる」と聴いた。そのくせ要らなくなるとそっぽを向く、と。沖縄では、栽培するマンゴーの多くは高く売れる首都圏へ流れるとのこと。同じ構図は途上国vs先進国にも存在する。カカオ等もその典型だろう。東日本大震災の後、被災地や首都圏のスーパーでは食料品が棚から消えた。「今、無くてもやっていける」と、多くの消費者は我慢したと思う。ポテトチップスは、今すぐ製造しないといけないのだろうか。自社の売上が失われるからというのも理解できるが、社会全体としてどう行動するのがよいのか、俯瞰する姿勢も各メーカーには望まれる。自然から得られる農産物を人間の都合で無理させるのでなく、命を頂く姿勢も必要ではないだろうか。

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      京都市は、2000年度81.5万トンあったゴミを、2015年度44万トンまで削減した。食品ロスは、2000年度10万トン近かったのを2015年度6.5万トンまで削減している。ごみ半減プランに取り組み、年106億円のゴミ処理費用を削減した。京都市環境政策局循環型社会推進部ごみ減量推進課に2回取材に伺ったところ、取り組みのきっかけは1997年に京都で開催されたCOP3とのこと。京都議定書が発効した2005年2月16日に因み、毎月16日を環境に良いことをする「Do You Kyoto?デー」にしている。小学校4年生には食品ロスを学べる下敷きを配付し、持ち帰り容器や小盛りサイズを用意する飲食店やホテル・旅館が申請すれば「食べ残しゼロ推進店舗」として市が認可するなど、ゴミと食品ロスを減らす取り組みを全方位的に続けている。声掛けで顧客の意識や行動を変えていくこの取り組みは、全国でもぜひ展開して欲しい。

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      豆腐製造業者に聴いたところ、豆腐の製造工程で出るおからに関しては、小売業者から「無料で」と言われるケースもあるという。小売から指示を受けるのは価格だけではない。製造したその日の納品を強要されるケースも多いという。業界用語でいう「D0:ディゼロ」である(DはDayの略)。豆腐は大豆を一晩水に浸してから製造するため、作り始めて一日以上かかる。小売から指示を受けるのは価格や納品日だけではない。製造業者が小売への納品で欠品を起こすと罰金(欠品ペナルティ:欠品粗利補償金)を店舗ごとに払わなければならない。豆腐に限らず欠品を恐れて多めに製造する慣習が食品ロスの一因となっている。とはいえ小売だけを責めるのはおかしい。より安いもの・より新しいものを求めることが価格に転嫁されているということを認識し、消費者の購買行動も改めなければならない。食品業界のヒエラルキー(上下関係)を是正する取り組みは第一歩である。