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井出留美

食品ロス問題専門家・ジャーナリスト・博士(栄養学)

井出留美

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学)(女子栄養大学大学院)修士(農学)(東京大学大学院農学生命科学研究科)。食品企業広報室長として東日本大震災食料支援の折、食料廃棄に憤りを覚え、自らの誕生日であり転機の3・11を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンクの広報を委託され、PRアワードグランプリ ソーシャル・コミュニケーション部門最優秀賞や食品産業もったいない大賞食料産業局長賞へと導いた。『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)は3刷。食品ロス問題を全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして、2018年、第二回食生活ジャーナリスト大賞「食文化部門」を受賞。

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      記事では触れられていないが、表にある相模屋食料は、日本気象協会のデータを活用することで、豆腐の食品ロス量を年間30%削減できた。コストにして数千万円単位(2017年放映のテレビ東京系「ガイアの夜明け」で日本気象協会が発表)。表にあるミツカンは、冷やし中華のタレの食品ロスを年間20%削減することができた。食品メーカーやスーパーなどの食品小売業にとって、食品ロスを発生させることは廃棄コストの増加になり、経営を逼迫する。もちろん、売上の増減は天候だけでなく、折り込みチラシが入ったかどうかや曜日、近隣のイベントなど、多くの要素に左右されるので、気象データだけで100%コスト削減できる訳ではない。相模屋食料の例では、メーカーと日本気象協会だけでなく、今度は小売店も巻き込んで新たに需要予測を始めており、需要予測精度は実際とのズレが1%未満まで向上した。IoTを活用した経営コスト削減に今後も期待したい。

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      環境配慮の原則「3R(スリーアール)」では最優先が「Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)」。作り過ぎず、適量生産すれば売れ残りは減らせたはず。事情でそれができなかったのなら、二番目の優先順位は「Reuse(リユース:再利用)」。災害の被災地や戦闘地など、洋服を必要としている人にシェアして使っていただく。ブランド価値を毀損しないようリユースは出来ないとバーバリーが主張するなら、三番目に来るのが「Recycle(リサイクル:再生利用)」。元の形を留めないよう再生して利用する。この優先順位は食品でも洋服でも本でも同じ。今回の場合、どの過程も経ることなく焼却処分してしまった。二酸化炭素を出し環境負荷をかけただけでなく、洋服を作るために働いた人の時間や思いや労働力、人件費、輸送に使われたエネルギーなど、その全てを燃やしてしまったということ。持続可能性が問われる時代の企業対応としては言語道断。

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      日もちが5日以内のものに表示される消費期限と違って、賞味期限は美味しさの目安。設定に際しては、企業や分析センターなどの専門機関が、微生物検査や官能検査など、複数の検査を実施して決められる。とはいえ、安全性やリスクを考慮し、安全係数が乗じられるため、実際より短めになる傾向がある。国(消費者庁)は、0.8以上を推奨しているが、企業は経営リスクを鑑みて、実際には0.7や0.6、0.5など、国の推奨値より短い値を使っているケースも多い。日本は生食文化や高温多湿、リスク回避志向など様々な背景から、欧米諸国と比べて全般的に食品の賞味期限が短い。そんな中、20年以上も変えなかった賞味期限を延長する検討自体、喜ばしい。もちろん、安全性も充分に議論されることと思う。これを機に、豚肉以外の食品に関しても、経済的観点のみならず、資源活用や環境負荷軽減の観点から、延長の検討に関する議論がなされることを願っている。

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      記事の統計値は以前の数字。最新の食品ロスは年間646万トン。うち家庭が289万トン(45%)事業者が357万トン(55%)(農林水産省・環境省2018年4月17日発表、平成27年度)。理想は整理整頓や下ごしらえしたりだけど現実にはできないからロスになる訳で・・面倒くさい人でも簡単にできることからやった方がいい。割とすぐ買い物に行ける人なら買い過ぎないのが一番。買い物に行く時間がない人やお店が遠い人でも冷蔵庫に長期間溜め込み過ぎないこと。買っては使いスッキリさせ、また買って・・のサイクルで風通しをよくするといい。お腹が空いている時に買いに行くと無駄買い金額が64%増える(米国研究者の調査)。食材を書くと意識にのぼってロス削減の効果があるし、ダイエット同様、測るのもいい。神戸大学の同様の調査でも、記録する日数が増えるほど食品ロスが減ったという結果がある。減らしてスッキリ清々しさを味わうとよい。

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      豆腐の廃棄率はメーカーで0.4%、スーパー店頭で0.75%と食品ロスになりやすい。また製造時に排出するおから年70万トンのうち、食用1%以外の多くは産業廃棄物処理されている。三重県のミナミ産業はおからを排出しない豆腐製造技術を開発した。森永乳業は長期保存可能な豆腐開発に加え、おからを高タンパク飼料にし、食べた乳牛の生乳をビヒダスヨーグルトや森永のおいしい牛乳などに加工し販売している。群馬県の豆腐メーカー相模屋食料は、製造工程を変えて豆腐の賞味期間を15日間まで延長したほか、日本気象協会の気象データを活用し、需要予測精度を向上させ年間ロスを30%も削減した。震災時の支援食は炭水化物に偏り、タンパク質やビタミン・ミネラルが不足しがち。長期保存豆腐は災害時にタンパク質を摂れる備蓄食としても期待できる。このように、豆腐の長期保存性向上やおからの再利用など各社の食品ロス削減の取り組みを評価したい。

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      国連が貴重なタンパク源として昆虫食を推奨している。長野県ではイナゴが有名。食品ロスを活用し5週間5カ国のヨーロッパを巡るドキュメンタリー映画『0円キッチン』ではダーヴィド監督がオランダの小学校を訪問する。肉団子の芋虫入りと入ってないのを作る。入れると団子型が保てて食感がクリスピーだと子どもたちの好評価を得る。東京では毎月昆虫料理教室が開催されている。一昨年参加し、コオロギのカナッペやアブラゼミと芋虫のチョコレートコーティングののったケーキを食べた。見た目がグロテスクなので普及するのは難しいかもしれないが、ヨーロッパでは粉末タイプが流通している。途上国では肉の消費量が増え、タンパク源が不足している。水資源や飼料を多く費やす牛肉に代わり、昆虫食が貴重なタンパク源となり得ることがわかる。SDGs(持続可能な開発目標)に基づき「日本さえよければいい」ではなく世界全体の持続可能性を考えることが大事。

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      規格外の魚を提供する居酒屋に取材したところ、韓国で食されており化粧品原料にもなるヌタウナギ(ヤツメウナギと同じ無顎類の深海生物、厳密には魚・鰻ではない)は余って捨てられており、美味しく食べられる調理法で活用する必要があるとのこと。ニホンウナギは絶滅危惧種で資源の持続可能性を保つことが食品企業としての責任。環境問題のキーワードである3R(スリーアール)の最優先はReduce(廃棄物の発生抑制)。もう大量生産・大量消費・大量廃棄の時代ではない。SDGs(持続可能な開発目標)は2030年までに世界の食料廃棄を半減する目標を定めた。ヤマダストアーは「恵方巻の大量販売をやめます」「海産物を大切にする」と宣言し消費者の共感を生んだ。企業は「作り過ぎない」「売り過ぎない」を原則とし、我々消費者も「買い過ぎない」。絶滅危惧種を余らせて廃棄するような企業からは物を買わないぐらいな気持ちで。買い物は投票です。

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      当初、全国紙などマスメディアの報道では、原因は断定されていないものの、福岡市内で食べたものによる可能性も推察される記事になっていました。調査により、福岡市ではなく、長崎市の飲食店が特定されたのであれば、当該店が公式サイトを通して謝罪し、原因と再発防止策を発表するのが食品関連企業のあるべき姿と考えます。3日間の営業停止処分を受けた、この飲食店の公式サイトを確認しましたが、5月28日午後13時現在、何も掲載されていませんでした。ミスや不祥事を起こした後の対応にこそ、その組織や個人の考え方や姿勢が現れます。修学旅行の団体客が向こうから来るのが常態化しており、気の緩みがあったのかもしれません。NHKの報道によれば、修学旅行は中止され、生徒らは鹿児島へ戻ったとのこと。中学3年間の思い出の1つである修学旅行がこのようなことになってしまった。そのことに対しても、飲食店は真摯な姿勢を示して欲しかったです。

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      食べ物を無駄にすることに対し「その是非は?」と問うているが問うまでもない話。先日、日本の大学生が諸外国と比べて政治や国際問題に関する議論ができない、あまりに稚拙過ぎて国外の大学に戻ったという記事があった。高校生が食べ物をわざと無駄にすることでしか楽しめないなら大学生になっても推して知るべし。シュークリームはニワトリが24時間かけて産んだ卵や牛の命が使われており、単なるモノではない。洋菓子店の店長がおっしゃっている通り「食べ物は遊びじゃない。美味しく召し上がっていただくために一生懸命作っている」。作り手の気持ちや努力、費やされた原材料や動植物の命、電気や水などのエネルギーを無駄にしている。是非を問う意義があるのは、双方にPros/Cons(メリット・デメリット)があり、どちらにも確定できないような問題のこと。倫理的にも経済的にも環境的にも損失だとわかっていることの是非を議論するまでもない話。

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      2000年、大手メーカーによる食中毒事件があり、私が勤めていた企業含む多くの食品企業が自主回収しました。連日の社告(お詫び広告)に続き、健康被害が無いものまで回収され、食品の無駄が指摘された当時「自主回収するかどうかの判断基準として消費者の健康被害があるかどうかを最優先に考えましょう」と書かれたマニュアルが省庁から配布されました。あれから18年。相変わらず「健康上に被害がないが、念のため回収します」という食品企業の自主回収が相次いでいます。あの時の学びは何だったのでしょう?食品において、安全性を担保することと資源を最後まで活用することの双方が重要です。天秤のバランスを取るように、どちらも大事で、どちらに偏ってもよい結果にはなりません。もう「健康上の害はないけど念のために自主回収する」といった無駄なことはやめませんか?コメントを読んでも多くの方が「もったいない」と思っていらっしゃるようです。

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