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井出留美

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

井出留美

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で食料廃棄に憤りを覚え、誕生日を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンクの広報を委託され、PRアワードグランプリソーシャルコミュニケーション部門最優秀賞へと導いた。『食品ロスをなくしたら1ヶ月5,000円の得』『賞味期限のウソ』。食品ロス問題を全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして2018年、第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門受賞。Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

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      この記事では「賞味期限」と「消費期限」が混同されています。最初の質問で「安全に飲めるのは?」と聞いています。これは冒頭で使われている「賞味期限」(美味しさの目安)ではなく「消費期限」(安全に食べられる期限)のことです。その質問の答えとして「賞味期限は2〜3日を目安にするのが安全です」とされていますがこれも「消費期限」のことです。加工食品の場合、安全に飲食できる期間が5日以内のものに消費期限表示が使われ、それ以上日持ちする物には美味しさの目安「賞味期限」が使われます。「しょうひきげん」と「しょうみきげん」は発音すると一文字しか違わず、一般の方は混同しています。消費者に啓発する立場で影響力の大きいメディアですら誤った情報を流し「賞味期限」で食品を捨てる人がさらに増えます。食品ロス削減推進法を成立させてもメディアが誤った情報を流布してはロスは減りません。基礎知識を確認し正しい情報を発信して下さい

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      食品ロスを減らし、利益率が上がり、廃棄する労力も経費も減る。こんな素晴らしいことはないでしょう!ではなぜ今までしてこなかったのでしょう?値段を下げ売り切る方が店は年400万円ほど利益が増えます(11店舗の損益計算書で見切り前と後を比較した調査結果より)が、本部側は、見切り販売するより廃棄した方が取り分が多くなる。だから、需要を上回る量を商品棚に並べ、毎年、廃棄し続けてきたのではないでしょうか。セブン-イレブン・ジャパンが加盟店の見切り販売を制限し、公正取引委員会から排除措置命令を受けたのは2009年。10年以上経つ今も、全国55,000店舗のコンビニの多くが見切り販売せず捨てています。ただでさえ資源が枯渇しているウナギの廃棄など言語道断で止めるのは当然の責務です。でもその大量廃棄をやめたことで賞賛される日本。SDGs先進国に「日本は周回遅れ」と評されるのも当然です。次の一歩が期待されます。

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      保健所が原因究明中で、おそらく前日に炊いた米飯が原因ではないかとのこと。夏場、特に最高気温が30度を超える猛暑では、酢酸を含むお酢やクエン酸・リンゴ酸を含む梅干しなど、殺菌効果や除菌効果のある有機酸を使った方が、ご飯は傷みにくくなります。弁当やおにぎりに梅干しを入れる場合も、一箇所に1個入れるより、刻んだものを全体に散りばめる、あるいは炊く時にコメ1合あたり1個入れて炊き込みご飯にする方が、ご飯全体に行き渡ります。エフシージー総合研究所の調査では、お酢は、炊いてから24時間経ったご飯でも菌を抑える効果が認められています。日本気象協会によれば、2010年以前と比べ、2010年以降は異常気象が増えており、平均気温も軒並み高くなっています。同じものを食べても、免疫力の低い子どもや高齢者は食べ物にあたってしまう可能性があります。大人に比べて免疫力の低い子どもに対しては、より気を使ってあげたいです。

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      全国のコンビニオーナーに取材してきました。「どんな食品を捨てていますか」と聞くと必ず挙げられるのが「おでん」です。夏に限らず年間通して廃棄が見られます。食料品や飲料の売れ行きは天候や気象に大きく左右されます。かつては季節ごとに出すものを変えていましたが、IoTの時代の今ではデイリー(日)単位で気温の変化のデータを取り、それによって製造数や出荷数を変えて大きく食品ロスを減らしています。日本気象協会は豆腐のメーカー、相模屋食料に「冷奴は、前日との気温差が大きいほど売れる」データを提供し、「寄せ豆腐指数」と名付け、日々の気温差で出荷数を増減させることで年間30%、数千万円単位でロスを削減しました。これこそSDGs(持続可能な開発目標)では。真夏の猛暑におでんを食べたい客もいるかもしれません。が、売れ残って廃棄している店のこともよく聞きます。「売らんかな」商法はやめた方がいいのではないでしょうか。

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      プラ製ストロー使用を禁止した、米国サンフランシスコを視察された方によれば「紙製ストローは使用後ヘドロになる」ということで紙製ストローも使用禁止にしたそうです。ストローの素材は、世界を見渡せばいろいろあります。ベトナムには米粉と小麦粉で作ったストローがあり、飲料水に長時間つけておいても形が保たれていました。フィリピンの飲食店ではステンレス製や竹製が使用、日本では木製や麦わら製があり、プラの代替素材として紙だけにこだわる必要はないと思います。ストローはもちろんですが、プラスチック素材でできているものは、レジ袋や食品の包装容器、飲料のカップなど、他にもあります。一方、包装材料を青果物や加工食品に使うことにより、食品の保存性を高めて食品ロス削減に貢献する事例もあります。ストローだけにとらわれず、容器包装の減量だけにもとらわれず、全体を俯瞰して、総合的に環境に負荷をかけない方法を選んでいきたいです。

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      7月末の業界紙の記事を改編した内容のため、8月1日に発表した9月末での中止の「セブンペイ(7pay)」のことが、「10月にも使用範囲を広げる」という内容のままになっています。8月3日(土)12時に配信され、配信から24時間経とうとしている8月4日(日)朝5:30時点でもそのままになっています。

      ヨーロッパのセブン-イレブンの店舗を取材してきたところ、余剰食品を寄付する、石油ではなく再生可能エネルギーを使って店舗運営する、再生可能エネルギーを使って製造した食材を販売する、農薬などで生産者に負担をかけない方法で作った果物を売るなど、顧客や生産者のことを慮り、持続可能性を考えた経営をしていました。

      日本の大手コンビニの多くは自社の売上のことしか考えていません。店舗で働くオーナーの持続可能な働き方すら配慮しない。ヨーロッパを見て、日本は「化石」だと感じました。2周3周遅れどころではありません。

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      さすがグローバル企業だけあり取り組みが早いと感じました。日本の大手菓子メーカーがこれに追随できるかというと、すぐ実行に移すのは難しいのではないでしょうか。ネスレはコーヒーマシーンの「ネスカフェドルチェグスト」を世界的に展開し、コーヒー豆を入れるカプセル型の容器にプラスチックを利用しており、チョコレートの包装容器だけでなく、そちらも気になります。ヨーロッパの航空会社の機内で出されるコーヒーのミルクは、プラ容器ではなく、紙製のテトラパックの容器が使われていました。菓子を皮切りに、メイン事業であるコーヒーでも脱プラスチックの取り組みを期待しています。また、同じグローバル企業のアディダスでは、オフィスでのプラスチック製ボトルの使用を世界75カ所のオフィスで禁止にしています。ネスレも、製品に加えて、世界の社員全員が取り組むプロジェクトを社会に発表することで、その本気度が伝わるのではないかと思います。

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      賞味期限を「品質が切れる日付」と誤解している人が多くいますが「美味しさの目安」に過ぎません。政府も賞味期限を鵜呑みにせず五感を使って資源を有効活用するよう勧めていますが全国で大量の備蓄が賞味期限前に廃棄されています。政府は企業が算出した賞味期限に0.8以上1未満の安全係数を掛けることを推奨していますが、企業は0.5前後を使い短くしている場合が多いです。仮に今この瞬間災害が発生したら賞味期限が切れた水でも活用するはずです。災害時に支援する側は大量の支援食料を被災地に送ることは善意が迷惑になりかねないことを心得るべきだと思います。SDGs(持続可能な開発目標)は2030年までに安全で安価な水を世界中の人にと目標設定しています。日本では蛇口をひねれば水が出ますが世界には真水を飲めない人が8億人もいます。防災教育の一環として賞味期限切れの水とそうでない水を飲み比べるなど、有効活用はできるはずです。

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      海外取材中に拝見し、炎上する内容ではないと思いました。が、本来、食品ロスを無くす意図だったので「食品ロスになって棄てられるうなぎを減らすため」という目的を、誰もがはっきりとわかる表現で伝えれば、受け止め方は違ったのかもしれません。省庁はエリート集団ですから、一般の目線まで降りて伝えるのが難しいのかもしれません・・。うなぎは専門のうなぎ屋さんで、それなりに高いお金を払って噛み締めて味わって食べる物だと思います。昨今は、コンビニやスーパーなどで「お手軽に」「それなりに安く」手に入る食べ物になってしまった。うなぎはうなぎ専門店で食べていればニホンウナギが絶滅危惧種になることはなかったかもしれません。寿司も、高ければ、恵方巻きの販売について、国が「需要に見合った数を」と通知を出すまでには至らなかったかもしれません。食べ物は命を頂いているという敬意や愛情を持たない限り、食品ロスは減らないと思います。

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      記事では「生卵の賞味期間は産んでから21日間が標準」とありますが、細かく言うと、保存温度により(産卵から)21日〜57日までと異なります(日本卵業協会による)。夏場は21日。気温が10度以下の冬場は57日です。レストランなど法人向けの卵は季節によって賞味期間を変えていますが、我々一般消費者向けの卵は、夏場に生で食べられる前提で産卵から1週間以内にパックし、そこから2週間とされています。卵白にはリゾチームという酵素が含まれています。これが、溶菌(菌を溶かす)作用や抗菌作用を持っていて、生だと働きますが、ゆでるとその活性が失われてしまいます。ゆでたらすぐに食べた方がいいです。ある報道番組で「卵の賞味期限が切れそうになったら全部ゆでちゃう」という話を聞きました。ある料理研究家の方は「まとめてゆでて冷蔵庫に入れておく」とおっしゃっていましたが、日持ちさせるのなら、ゆでずに生で保存するのが正解です。

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