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井出留美

食品ロス問題専門家・ジャーナリスト・博士(栄養学)

井出留美

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学)(女子栄養大学大学院)修士(農学)(東京大学大学院農学生命科学研究科)。食品企業広報室長として東日本大震災食料支援の折、大量の食料廃棄に憤りを覚え、自らの誕生日であり転機の3・11を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンクの広報を委託され、PRアワードグランプリ ソーシャル・コミュニケーション部門最優秀賞や食品産業もったいない大賞食料産業局長賞へと導いた。国内外での講演や企業コンサルティングを行なう。市議、商店街振興組合理事長らと食品ロス削減チーム川口主宰。『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)上梓、3ヶ月で3刷に。

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      タイトルだけ読むと「炭水化物はだめ」と短絡的に受け取られる可能性もあるかもしれない。この記事の調査結果によれば「炭水化物摂取割合が70%を超えると総死亡リスクが統計的に有意に上がる」とあるので、糖質を含む炭水化物を制限しなさいといった極端な結果は示していない。日本人の食事摂取基準の最新版(2015年)でも炭水化物摂取の目標量は50〜65%とされており、70%は超えていない。ただ、アルコールの摂取エネルギーは炭水化物1gあたりより高いので、アルコールを多く飲む人は、特に夜は炭水化物を少なめにするなどの心がけは必要かもしれない。厚生労働省が毎年実施している国民健康・栄養調査では、所得が低い層ほど野菜の摂取量が少なくなることがわかっている。所得が限られると安価で満腹感の得られやすい炭水化物に偏る傾向がある。食料支援の必要な方に食事や食品を提供する場合、炭水化物に偏らないよう配慮が必要だと考える。

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      「まずい」ことと「異物混入など衛生管理が不充分である」ことには重なる部分もあるが、全く同じではない。本件では、主に次の3つが背景にあった。1、一食250円という限られた予算で食材を調達するのが難しい。2、濃い味付けに慣れた子どもが塩分量の少ない給食をまずいと感じる。3、虫や髪の毛などの異物混入が頻発。1と2は全国の給食で言える問題かもしれないが、3に関しては全国一律に発生しているわけではなく、この学校特有の問題ではないだろうか。そうであれば、原因と今後の再発防止策をもう少し深堀りしたい。9年前から「おいしい給食」というキャッチコピーを掲げて取り組んできた東京都足立区は、学校給食の残渣が、平成20年開始当初の11.5%(小中学校平均)から、平成28年度には4.2%まで削減できている。限られた予算で美味しい給食を実現できている他校との比較に基づき、なぜ本校ではできなかったのかも議論して欲しい。

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      日本の法律では、3ヶ月以上賞味期間がある食品は、日付表示が省略できる。2013年から、ペットボトルなどの飲料に関しては、業界全体で年月表示化が進められてきている。出典の元記事には書かれていないが、この「年月日」→「年月」表示化では、半端な日付は切り捨てされる。たとえば「2017年11月11日」が賞味期限であれば、11日分が切り捨てられ「2017年10月」表示となる(月末の場合のみ、その月表示になる)。場合によってはロスが増える。そこで食品メーカーは、年月日を年月表示化にする動きと並行して、賞味期限そのものを延長する取り組みを進めている。たとえば製造工程や包装材を改良し、7ヶ月の賞味期間だったマヨネーズを12ヶ月まで延長したキユーピー株式会社や袋麺・カップ麺などの取組みがある。賞味期限そのものを延長する取り組みに加え、この「年月表示化」の取り組みが組み合わさり、食品ロス削減の実現となりうる。

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      まずはお客様に健康被害のないことを第一に考えての企業の最善策と考える。アレルギーを引き起こす可能性のある食材のうち7品目(卵、小麦、乳・乳製品、蕎麦、落花生、エビ、カニ)は、原材料欄に明記すべき義務表示品目である。今回の場合、バターが「乳・乳製品」に相当し、乳アレルギーの方が誤って食べないよう、自主回収の判断が下されたと考える。「もったいない」の声もあるようだが、マルハニチロは、自主回収した製品の安全性を確認した上で寄付し活用した実績がある。2016年11月、金属片混入により自主回収したさんまのかば焼き缶詰のうち、エックス線を使った機械で安全性が確認された約11,000個を2017年3月、セカンドハーベスト・ジャパンに寄付している。今回の場合、冷凍品かつ貝類であるため、前回の缶詰より難しいとは思うが、乳アレルギーの方への注意喚起をすることで、廃棄せずに活用できる可能性もゼロではないだろう。

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      JR東海は、賞味期限が切れる前に備蓄を交換しておくべきだったかもしれない。だが非常事態に際し、五感で食べられると判断し、善意で顧客に供したのであればベターな選択ではないか。賞味期限は、日持ちが5日以内の食品に表示される消費期限と違い、品質が切れる日付でなく美味しく食べられる目安である。国(消費者庁)は「賞味期限が切れてもすぐ食べられなくなる訳ではない」としているし、企業は安全係数を掛け実際の日持ちより短めに設定している。缶詰は、缶の品質保持期限=3年から賞味期限3年とされているが、理論的には半永久的に持つ。国が「賞味期限は目安だから消費者が判断し食べなさい」と言う一方、備蓄食品の多くが賞味期限の1年前に新品と交換され廃棄されるのは矛盾している。メディアは、これを報道するのなら、消費期限と賞味期限の違いや賞味期限は美味しさの目安である旨も説明すれば、消費者の誤解も食品ロスも減るのではないか。

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      食品製造業の場合、同様の異物混入のクレーム(消費者からの申し出)が3件あれば、その背後に100件近く発生していると認識し、健康被害が予想される場合は自主回収をも考える。クレーム件数=発生件数、ではない。全ての消費者がわざわざ手間をかけて申し出てくれる訳ではないからだ。学校給食にそのまま当てはめることはできないが、異物混入が100件認識されていたということは、これ以上発生していた可能性もある。学校給食は、成人してからも、懐かしい思い出として長く残っていく。子どもたちが口にする給食に金属片が入っていたことは、安全性の面から深刻であることは言うまでもないが、この給食を体験した子どもたちに「学校給食に虫や金属片が入っていた」という嫌な思い出を心に残してしまうことを想像すると、取り返しのつかない事態が残念でならない。食べることは一生続く。子どもたちにはこれから給食のいい思い出を作っていってあげたい。

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      東京都足立区は「おいしい給食」という取り組みを9年前(2009年)から始め、食べ残しを6割以上減らしている。給食メニューコンクールや、学識経験者・PTA・医師・校長・学校栄養士・調理業者などを委員とする「おいしい給食推進委員会」の設置、学校給食週間に給食の時間を5分延長するなど、全方位から取り組みを続けてきた。その結果、2009年(平成20年)には小学校で平均9%、中学校で平均14%の食べ残しがあったのが、2013年(平成24年)には小学校3.5%、中学校7.8%まで減少できた。学校給食での取り組みに加え、糖尿病対策の一環で野菜摂取量を増やすため、区の職員が居酒屋のお通しで出されるおつまみを野菜に変えるなど「ベジタベライフ」施策で野菜摂取量増加という実績も出した。区のイメージアップを目指す「シティプロモーション」も功を奏している。子どもの食生活環境を整えることは、街全体の健全化にも繋がる。

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      シャリを残す人が増えたのは、糖質制限ダイエットが背景にあると思われる。糖質制限は糖尿病や血糖値の高い人には良いが、全ての人に向くダイエット法ではない。2013年3月18日付で日本糖尿病学会は「炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは現時点では勧められない」と警鐘を鳴らしている。シャリ1個30kcal前後なのに対し、脂身の多いトロであればネタだけで50kcalを超える。客側は、シャリを残すくらいなら注文する個数を減らしてはどうか。一方、回転寿司店の一部は、決められた回転数を超えると寿司を全て廃棄している。もったいない。今年5月10日付の朝日新聞は、回転寿司チェーンの元気寿司が「廻さない」店を全国86店舗に増やしたことを報じている。客から注文を受けて作る方式に変え、売上が1.5倍に伸び、ロスも減ったという。客はシャリを残さず、店も回転後に廃棄するのをやめ、双方で食品ロスを減らしていきたい。

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      これまで廃棄されていた駆除対象のウニと、傷んでしまった廃棄対象野菜を廃棄せずに活用し、新たな付加価値を生み出す、非常に有意義な取り組み。これまで廃棄されていた農産物を活用する取り組みは、まだまだ充分に知られてはいないが、全国にたくさんある。たとえば、長野県松本市の蕎麦の製粉時の残渣やワサビの葉などを商品化したもの、島根県のカニ殻を活用したキチン・キトサンなどへの健康食品化、佐賀県伊万里市の規格外小葱を活用してのグリーンカレーのレトルト食品商品化、神奈川県鎌倉市の規格外の青みかんを活用しての茶・ジャム・化粧品などへの商品化など。この記事で紹介されている実証実験は、海藻を食い荒らす駆除の対象となっていたウニに廃棄野菜を食べさせ、甘味のある良質なウニに生まれ変わらせるという、マイナスとマイナスを掛け合わせてプラスのものを生み出すもの。他に見られないオリジナリティ溢れる取り組みで非常に素晴らしい。

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      食品表示法の食品表示基準で「ゼロ表示」について定められており、実際にはゼロでなくても「ゼロ」と謳うことのできる栄養素がある。たとえばカロリー(エネルギー)であれば、100gあたり5kcal未満なら0kcal(ゼロキロカロリー)と表示できる。甘味料を使った炭酸飲料などに表示される。脂質は100g中0.5g未満、コレステロール5mg未満、ナトリウム5mg未満、糖類0.5g未満であれば、ゼロ表示できる。糖質と糖類は紛らわしいが、「糖質」は、炭水化物から食物繊維を除いたもの。糖質の中に、砂糖などの「糖類」が含まれる。「糖」を団子にたとえると、「糖類」は団子1個(単糖類)か2個(二糖類)のみ。「糖質」は、それら「糖類」に加えて、複数のもの(多糖類)が含まれる。比較的エネルギーの低いこんにゃくを使った「しらたき」であっても、100g中、糖質は0.1g含有されるので「糖質ゼロ」を謳う条件はかなり厳しい。

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