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井出留美

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

井出留美

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学)(女子栄養大学大学院)修士(農学)(東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で食料廃棄に憤りを覚え、誕生日を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンクの広報を委託され、PRアワードグランプリソーシャルコミュニケーション部門最優秀賞へと導いた。『賞味期限のウソ食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書4刷)。食品ロス問題を全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして2018年、第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門受賞。Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

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      専門家が「賞味期限は3〜4割余裕を持たせている(短めに設定)」と答えており、これが現実です。国(消費者庁)は、企業が算出した美味しく食べられる目安(賞味期間)に対し、安全係数として「0.8以上1未満」を掛けることを推奨しています。「2割程度短め」というのが国のお勧めなのです。賞味期限は、食品メーカー自身が設定する場合もありますが、分析機関に依頼する場合もあります。先日、筆者が出演したテレビ番組では、分析機関は「安全係数0.7〜0.9を使う」と答えていました。専門家も分析機関も、国の推奨より短めを勧めている、もしくは現状短めになっていることを把握しています。2割から4割も短くなった、美味しさの目安に過ぎない「賞味期限」の日にちを律儀に守ってすぐ廃棄する必要はないということです。賞味期限を省略できる食品もあります。3ヶ月以上日持ちするものは日付を省略してOKです。その程度のものということです。

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      「食品廃棄削減に本腰」とタイトルにありますが、売れ残り食品のコストの8割以上を加盟店オーナーに負担させ、見切りするより捨てる方が本部が儲かるコンビニ会計に斬り込まない限り、本腰とは言えないです。食品業界には様々な商慣習があります。前日納品より1日でも古いと納品できない「日付後退品」、賞味期限や消費期限の手前に販売期限、その手前に納品期限を設置する「3分の1ルール」、食品メーカーが欠品を起こすと小売側がペナルティを課し取引停止もあり得る「欠品NG」など。これらはおもて向きは全て「お客様にいつでもどこでも新鮮な食品を提供するため」となっていますが、実は小売側が競合企業の店舗に顧客を取られないための方策でもあります。真の意味のお客様思いではないし、商品を提供しているメーカーを苦しめる結果になっています。「本腰」と謳えるのはコンビニ会計始め、食品ロスを生み出すこれら商慣習に全てメスを入れた時です。

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      東大阪の一件で世間から批判が高まって以来、前社長は講演予定もキャンセルし、会見等の場で語る機会を一切作りませんでした。批判を受けた時ほど組織のトップが顔を出し語るべきです。時代の流れや社会の要請に耳を傾けない企業は淘汰されます。取材で、あるオーナーは「人間らしい暮らしがしたい」とおっしゃっていました。睡眠や休息を取れるよう、24時間営業に柔軟に対応するのはもちろん、ドミナント(店舗日販がある一定金額を超えると近隣にさらに出店)して店舗数を右肩上がりに増やし本部の売り上げを伸ばす既存の方針を見直すべきです。過剰出店はオーナーの生活や健康を圧迫しています。店が発注すればするほど本部が儲かり、廃棄デイリー食品(日持ちしづらい弁当など)のコストの85%をオーナーが持ち本部が15%しか持たず、見切りより捨てる方が儲かるコンビニ会計はいくら合法と言えども見直す時機に来ています。新社長に期待しています。

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      まずできることは毎年2月の恵方巻きの大量生産をやめることです。食品リサイクル工場には未出荷や売れ残った恵方巻きが大量に入ってきます。でもリサイクルに入ってくるのは全体のほんの一部。産業廃棄物として全て事業者がコスト負担する食べ物ごみは製造者から出るものだけです。コンビニ・スーパー・百貨店の売れ残りや飲食店での食べ残しは「事業系一般廃棄物」として、事業者がコスト負担する以外に管轄の自治体の税金が使われ、家庭ごみと一緒に焼却処分されるところがほとんどです。そのコストは東京都世田谷区では1kgあたり55円。1リットルの牛乳パックの分だけでもそれだけかかるので、全国の事業者ともなれば、量は膨大です。年間2兆円のごみ処理費を費やしていて中でも食べ物ごみは燃やすごみの4割を占めます。食べないで捨てる大量の海苔を毎年目にしています。これだけの不作で、しかも食べないで捨てるなら、最初から作らないで下さい。

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      取材させて頂いたローソンは、電子タグの実証実験を大手コンビニの中で最初にパナソニックさんなどと共に進めています。2019年2月に経済産業省が実施したダイナミックプライシング(期限が近づくと自動的に値引き表示される)の実証実験も大手3社の中で唯一参加していました。無人・省力化の分野に最も力を入れていると思います。IoTの分野で積極的な一方、人間的な温かみもあり、2007年頃から生活困窮している方への支援も10年以上続けて来られました。コンビニには、捨てる方が本部の取り分が多くなる「コンビニ会計」の問題や、24時間労働など課題が山積しています。が、複数あるコンビニ各社の本部の考え方は、取材や店舗、そこで働く人たちを通してかいま見られると感じています。どうか、ローソンやその他のコンビニで働く人たちが心身の健康を保ちながら無理なく働き続けられるように。そのための今回の無人化実験であって欲しいです。

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      国が「オーナーの満足度低下が確認できた」と認めたのはよかったです。この調査は2月が締め切りでしたが、大手コンビニ本部から末端の店舗まできちんと行き渡っていないことが2月中旬の報道で明らかになり、3月24日まで延長された経緯があります。一部のコンビニ本部は全国オーナーの意見を積極的に吸い上げ改善しようとしていないことが見て取れます。結果が誤魔化されることを懸念していたので、ネガティブな現状を表す結果を国が認めたのだけはよかったです。便利さが行き過ぎ、オーナーや店員の健康的でない生活や我慢を強いることになっているのは問題です。利便性のために働く人の命や心身の健康が害されるのは本末転倒。持続可能性は特に先進国が率先して取り組まねばならないこと。トイレットペーパーや廃棄食品のコストまでオーナー自己負担の現状はおかしいです。見切り販売より廃棄の方が本部の取り分が多くなるコンビニ会計も見直すべきです。

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      スーパーでは賞味・消費期限前のデイリー食品は見切り販売します。セブン-イレブン・ジャパンは見切り販売制限が独占禁止法違反(優越的地位の濫用)として2009年6月に公正取引委員会から排除措置命令を受けました。なぜ全国1%のコンビニしか見切りしないのでしょう?見切りするより廃棄した方が本部の儲けが多くなる「コンビニ会計」の存在があるからです。本部に取材すれば「見切り禁止ではない」「でも無制限にされても困る」との回答です。コンビニ本部はオーナーとは対等関係だと主張しています。ですが、本部がいつでも契約解除できる優越的立場にあることは東大阪の事例で明らかです。多くのオーナーは契約解除を恐れて見切りしていません。見切り禁止とは別の表現でさせないようにする事例も聞きました。SDGsを受け世界の真の優良企業は持続可能性と環境配慮と労働者の健康維持を優先しています。そうでない企業は所詮は裸の王様でしょう。

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      賞味期限は美味しさの目安であり、品質が切れる日付ではありません。賞味期限切れの販売は法律に抵触するわけではないのに、リスクや批判を恐れてやらない事業者がほとんどです。そのような中、こうした企業は素晴らしく、多くの人に知ってもらいたいです。一方、メディアにお願いしたいのは、余らせないこと、ロスを出さないこと(リデュース:Reduce)が食品リサイクル法でも世界の方針でも最重要ということです。余りの活用は賞賛されやすく、大量リサイクルの映像も衝撃的なのでメディアに取り上げられやすいですが、本来は作り過ぎない・売り過ぎない・買い過ぎないが基本です。世界で13億トン、日本で646万トンの食品ロスが発生しており、リスクを恐れる事業者が大半の中、余剰食品がこうして生かされるのは稀で、在庫過多にしないことが日本では特に重要です。環境配慮の原則(3R)とロス削減の本質にまで触れている報道は殆どありません。

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      コンビニオーナーへの取材で印象に残っている言葉の一つは「人間らしい暮らしがしたい」というものです。コンビニエンスストアは確かに便利。でも、その便利さを享受するために、誰かが我慢したり健康な暮らしを犠牲にしたりしているのはおかしいことに、みんな少しずつ気付き始めているのではないでしょうか。私たち消費者側も、無料でトイレを使う・汚すなど、トイレットペーパーすら自己負担する加盟店主の苦労を読み取ることなく、便利を使い捨てしてはいませんか。コンビニ本部は、加盟店主に対していつでも契約を解除できる立場にあることが、本件の当初の対応からもわかります。公正取引委員会のいう「優越的立場を持つ」のです。その濫用は禁じられています。強者におもねる意見も見られますが、社会的弱者に寄り添うことのできる企業や個人こそがリーダーシップをとるべきです。彼らは優越的立場を濫用しない倫理観や善意、良心を持っているからです。

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      違約金と契約解除なしと伝えたのはよかったです。ただ最初の対応が「違約金1700万円」でしたから真意は判明しました。弁護士ドットコムが口火を切って報じ、マスメディアが追随して報道したための対応と思わざるを得ません。全国のオーナーに取材すると24時間営業の契約に苦しむのはこの店だけではありません。配偶者が入院し、基本的にワンオペで経営し、365日休みを1日も取れたことがない店舗もあります。オルタナ編集長の森摂氏は記事で「コンプライアンスには3種類ある」と書いています。1つが法令遵守、2つめが社内規則やマニュアル、3つめが社会からの要請・意見・批判等。1と2が狭義のコンプライアンスで3が広義のコンプライアンス。日本企業は残念ながら「広義に鈍感」だそうです。いくら契約上は合法であろうとも、社会の共感を得られなければ企業のイメージやブランドが失墜し得ることを、今回の一連の報道や世論を見て痛感します。

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