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江守正多

国立環境研究所地球環境研究センター気候変動リスク評価研究室長

江守正多

1970年神奈川県生まれ。1997年に東京大学大学院総合文化研究科博士課程にて博士号(学術)を取得後、国立環境研究所に入所。2001年に地球フロンティア研究システムへ出向し、2004年に復職した後、温暖化リスク評価研究室長等を経て、2011年より気候変動リスク評価研究室長。専門は地球温暖化の将来予測とリスク論。気候変動に関する政府間パネル第5次評価報告書主執筆者。著書に「異常気象と人類の選択」「地球温暖化の予測は『正しい』か?-不確かな未来に科学が挑む」、共著書に「地球温暖化はどれくらい『怖い』か?温暖化リスクの全体像を探る」「温暖化論のホンネ -『脅威論』」と『懐疑論』を超えて」等がある。

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      中国の排出量はここ2年ほど減少傾向でしたが、今年は3.5%程度の増加に転じました。原因は少雨による水力発電の減少と、生産活動の増加だそうです。米国、EUは微減。インドの増加が近年の平均6%から今年は2%程度に。いずれも予測された推定値であり、不確実性があることに注意。
      記事では悲観的なコメントが強調されていますが、確かに排出量増加は残念なことで、警告として受け止めて気を引き締めるべきかもしれません。しかし一方で、自然条件、社会条件による年々の変動は当然あるものと受け止めて、気にしすぎないことも必要かもしれません。世界的な再エネシフトなどの動きを怯まずに進めていけば、遅かれ早かれ世界の排出量は減少に転じるでしょう。

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      タイトルに「主な原因は中国」とありますが、中国の排出量は実は過去2年ほど減少傾向でした。しかし、今年は3.5%程度の増加に転じたのです。原因は少雨による水力発電の減少と、生産活動の増加だそうで、必ずしも対策の後退によるものとはいえなさそうです。米国、EUは微減。インドの増加が近年の平均6%から今年は2%程度に。いずれも予測された推定値であり、不確実性があることに注意。
      排出量増加は残念なことで、警告として受け止めて気を引き締めるべきかもしれません。しかし一方で、自然条件、社会条件による年々の変動は当然あるものと受け止めて、気にしすぎないことも必要かもしれません。世界的な再エネシフトなどの動きを怯まずに進めていけば、遅かれ早かれ世界の排出量は減少に転じるでしょう。

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      ブッシュ政権による京都議定書離脱(2001年)と大きく異なる点を2つ指摘できます。
      一つは、ブッシュは気候変動の科学がまだ不確実なのでもっと調べるべきだとして、地球観測など気候変動の科学研究をむしろ奨励しました。一方、トランプ政権では研究予算の大幅削減が危ぶまれています。
      二つめは、京都議定書の交渉が国家間の「負担の押し付け合い」のゲームだったのに対比して、パリ協定合意以降は世界の脱炭素化(CO2排出ゼロへのエネルギー革命)に向けた「機会の奪い合い」にゲームのルールが変化していることです。欧州や中国は、自国のビジネスを売り込むことを含めて、いかにその主導権を取るかを争っているようにみえます。ブッシュの京都議定書離脱は狭い意味の国益を考えれば合理的だったかもしれませんが、トランプのパリ協定離脱は非合理的という見方が多くあります。米国内の多くの企業が離脱に反対したことからもそれがわかります。

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      米国においては、気候変動問題は銃規制や妊娠中絶とならぶ保守vsリベラルの象徴的な政治的対立点になっています。一部の保守派による気候変動対策反対の背景には、化石燃料産業などによる規制への抵抗、市場経済への政府の介入をきらう新自由主義などの信奉、キリスト教原理主義による気候変動の科学の否認、といった要因があります。トランプ大統領やトランプ政権のパリ協定離脱派(バノン、プルイットなど)の主張も、表面上は科学や経済への認識の問題であるようにみえますが、その根っこにはこのような政治性が影響していたと想像できます。
      米国の国益を考えた場合、クリーンテクノロジーのイノベーションをリードする国になる方が、化石燃料産業に執着するよりも、経済成長にも雇用にもプラスになるという見方があるはずです。G7の他国首脳をはじめ、多くの人がそのように説得したと想像できますが、トランプ大統領は耳を貸さなかったのでしょう。

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      メタンはCO2に次いで重要な人為起源温室効果ガスで、産業化以前からの世界平均気温上昇量の1/5程度を説明すると考えられます。
      メタンの大気中濃度の変化は精度よく把握されているので、この記事は過去や現状の温室効果の見積もりに見直しを迫るものではありません(記事の最後の「その濃度はこれまでの推定値の最大約2倍」は誤訳と思われます)。
      問題となっているのは、その濃度変化の要因の内訳です。メタン濃度の変化は、人為起源排出(化石燃料、水田、家畜など)、自然起源排出(湿地など)、および大気中化学反応による消滅過程のバランスで決まります。この研究では、このうち人為起源排出の化石燃料(採掘時の発生や使用時の漏れ)に起因する部分が、従来の推定より大きく見積もられたということです。ただし、この研究の見積もりが決定版というわけではなく、従来の見積もりとの違いが生じる理由のさらなる理解と推定の改良が必要です。