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江川紹子
ジャーナリスト
神奈川新聞記者を経てフリーランス。司法、政治、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々です。
江川紹子の最近の記事
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2月20日(水) 13時33分
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2月6日(水) 19時51分
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1月28日(月) 9時06分
江川紹子の最近のコメント
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江川紹子
|当然の結果だ。宮田さんと事件を結びつける証拠は自白以外になく、その自白と食い違う証拠がみつかっている...続きを読む。
地裁も高裁も再審開始決定を出しており、最高裁がそれを追認することは、誰の目にも明らかだった。しかも、宮田さんは85歳と高齢。にも関わらず、特別抗告をして、再審開始を先延ばししようとした検察の対応は、厳しく批判されなければならない
そして一刻も早く再審を開き、命あるうちに雪冤がかなうよう、すべての司法関係者が協力すべきだ。
最高裁は今回、特別抗告から10か月ほどで判断を出した。過去の事例と比較すると、できるだけ迅速に対応しようと努力したことが伺える。ただ、検察に反省を促すためにも、もっと早い方がよかった。
再審請求人がやはり91歳と高齢で、地裁、高裁が再審開始を決めた「大崎事件」でも、検察は特別抗告している。最高裁は、年内に棄却決定を出し、人権の砦としての姿勢を示してもらいたい。 -
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江川紹子
|警察や検察の捜査が、背景を含めた真相解明にベストの方法とは限らない。また、スポーツも教育の現場であり...続きを読む、捜査機関の介入はできるだけ抑制的であるべきだろう。
被害学生の保護者が捜査機関を頼りにしたくなるのは、日大への不信が大きく、その第三者委員会にも信頼を寄せられないからだろう。しかし、これに対応するには、こんな参考事例もある。
2011年に滋賀県大津市の市立中2年の男子生徒が自殺したいじめ問題では、市の第三者委員会に遺族推薦の委員を入れた。それにより、結果に遺族も一定の納得を得られたようだ。同市では、いじめ事案についての調査に保護者が異議を唱えた場合の再調査では、委員の半数以上を保護者推薦とする条例も作った。
今回の例では、関学や被害学生側が日大に対し、自分たちが推薦するメンバーを一定数委員に入れるなど、そのあり方に注文をつけ、それによって真相解明機能を高めるという方法もあるのではないか。
江川紹子
ジャーナリスト 報告 オーサーDNA鑑定だけでなく、旧証拠と取り調べ録音テープなどの新証拠を総合的に見れば、袴田さん有罪の判断はありえないと思っていただけに、極めて意外な決定だ。再審開始は、新旧の証拠を総合的に判断し「確定判決における事実認定に合理的な疑いを生ぜしめれば足りる」とした、最高裁・白鳥決定はどこに行ったのか。
再審は取り消すのに、死刑と拘置の執行停止はそのままというのは、まったく整合性がない。東京高裁は、自分たちの手で袴田さんを死刑台に連れていく自信はなかったのだろう。
やはり死刑囚が再審を求めていた名張毒ぶどう酒事件では、第7次請求で名古屋高裁刑事1部(小出錞一裁判長)が再審開始を決めたのに、同高裁刑事2部(門野博裁判長)がそれを取り消し、結局、請求人は獄中で死亡した。
袴田事件についても、最高裁で時間をかけて審理する間に、当人が死亡し、手続きが終了すればよいという、裁判所の願望が透けて見える。