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青山弘之

東京外国語大学 教授

青山弘之

1968年東京生まれ。東京外国語大学教授。東京外国語大学卒。一橋大学大学院修了。1995~97年、99~2001年までシリアのダマスカス・フランス・アラブ研究所(IFPO、旧IFEAD)に所属。JETROアジア経済研究所研究員(1997~2008年)を経て現職。専門は現代東アラブ地域の政治、思想、歴史。編著書に『シリア情勢:終わらない人道危機(岩波新書)』(岩波書店、2017年)、『「アラブの心臓」に何が起きているのか:現代中東の実像』(岩波書店、2014年)などがある。ウェブサイト「シリア・アラブの春顛末記」(http://syriaarabspring.info/)を運営。

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      この要約記事の前後して配信されたロイターの記事は、米高官2人の発言に続けて、こう付言しています。

      ベン・ロードス氏(国家安全保障担当補佐官)は「甚大な人道的悲劇」の責任はロシアにあるとホワイトハウスは追及している、と述べたが、ロシア軍機が攻撃を行ったか否かには言及しなかった。

      また、国連OCHAの報道官は、19日に国連人道問題担当事務次長が出した非難声明の「空爆」という文言に関して「誤植だろう」と述べ「攻撃」に改めたことを明らかにしました。

      ロシア国防省によると、攻撃は同地を支配するシャーム・ファトフ戦線によるもので、その際有志連合の無人航空機が現場上空を旋回していたと発表しています。

      「シリア内戦」を見る側、そして伝える側は、真偽が特定でいないこうした一連の情報から安直な結論を導く以前に、各当事者が情報戦のなかで何を狙っているかを考える必要があります。

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    • 青山弘之

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      今回アレッポ市東部の包囲解除に成功したと発表した反体制派はファトフ軍とアレッポ・ファトフ軍という二つの武装連合体です。ファトフ軍は、先日アル=カーイダとの関係解消を宣言し、ヌスラ戦線から改称したシャーム・ファトフ戦線、アル=カーイダとの関係を否定するアル=カーイダ・メンバーらが主導するシャーム自由人イスラーム運動、アル=カーイダだけでなくISとの関係も指摘されるジュンド・アクサー機構などからなるイスラーム過激派連合体です。一方、アレッポ・ファトフ軍は、ファトフ軍にも参加するシャーム自由人イスラーム運動をはじめとするイスラーム過激派と、米国が支援するヌールッディーン・ザンキー運動などの「穏健な反体制派」の混成体です。シリア内戦はアサド政権、IS、反体制派の三つ巴の戦いなどと評されますが、「反体制派」という言葉は、シリア内戦の実態を見えにくくしてしまうため、その使用には細心の注意が必要です。

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    • 青山弘之

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      「殉教者3人が自動車爆弾や自爆ベルトを爆発させた」という犯行声明ですが、正確にはイスラーム国の犯行声明ではなく、広報部門アアマーク通信の速報です。

      実はこの速報と前後して、イスラーム国・ダマスカス州の名で犯行声明も出されています。そこには「アブー・アブドゥッラフマーン・アンサーリーを名乗る戦闘員が車を爆発させた」とあり、自爆が1度しか行われなかったと主張されています。

      なお、シリア国営通信やシリア人権監視団、そしてアラブの主要メディアは、爆発が2回発生し、1度目は自爆ベルト、2度目は車爆弾によるものだったと伝えています。

      自爆テロは、イスラーム国が依然としてシリアの治安と安定に脅威を及ぼす力を持っていることを示しています。その一方、アアマーク通信とダマスカス州の情報のズレは、この組織がシリア国内でどのような状況に置かれているかを推し量る好材料だとも言えます。