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秋山文野

フリーランスライター/翻訳者(宇宙開発)

秋山文野

1990年代からパソコン雑誌の編集・ライターを経て宇宙開発中心のフリーランスライターへ。ロケット/人工衛星プロジェクトから宇宙探査、宇宙政策、宇宙ビジネス、NewSpace事情、宇宙開発史まで。著書に電子書籍『「はやぶさ」7年60億kmのミッション完全解説』、訳書に『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』ほか。

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      クリスティーナ・コック宇宙飛行士とジェシカ・メイヤー宇宙飛行士による今回の船外活動は、国際宇宙ステーションの電源設備を交換するというものです。7時間の船外活動を適切に実施し、2人の宇宙飛行士が高い能力を持つベテランであることを実証したものとなりました。

      一方で、2019年3月に予定されていた女性宇宙飛行士ペアによる船外活動が「NASAがMサイズの宇宙服を1着しか用意していなかったため」中止されNASAが批判されたという説明はややミスリードです。これはこのときのペアがLサイズ、Mサイズで活動する予定だったところ、2名ともMサイズ着用の必要が出てきたためです。そもそも宇宙服は男女別に用意されているものではなく、M、L、XLから各自に合ったフィット感のものを準備します。男性同士、XLサイズとLサイズで準備していたものの2名ともLサイズ着用になった、という場合にも起きうる予定変更です。

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      JAXAが2018年から本格運用を開始した「しきさい(GCOM-C)」は、解像度250mと細かいメッシュで海水の色を観測することができます。台風で川から流れ込んできた泥などで海水が濁っている様子を色で見分けることができます。台風による豪雨の後には、多くの河川から濁った水が流れ込み、沿岸の養殖業にも影響を与えてしまいますが、衛星データによって影響の範囲や度合いがわかれば、対策を講じることができます。気候変動を観測し、漁業を支援する衛星でもあります。

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      「身近なところから一人一人の意識を行動を変えていきたい」とのことですが、レジ袋削減のように身近な取り組みは民間で可能なアクションであり、すでに有料化を進めている小売店は多くあります。国の政策で求められることは、個人にはわかりにくい、民間ではできないことを長期のビジョンに沿って進めることではないでしょうか。

      具体的には、科学に基づいた気候変動の観測、地球の水や熱の循環という、個人の身近な感覚ではとらえることができないデータを利用した高精度なモデル化作りへの貢献があります。2021年打上げ目標の日欧共同雲エアロゾル放射観測衛星EarthCareの着実な推進、2022年度打上げ目標のGOSAT-3に相乗りするAMSR2開発(元は2017年度開発着手目標がすでに2019年度着手となっています)など、環境省がユーザーとなる気候変動観測衛星への取り組みが挙げられます。

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      メサ航空は、アリゾナ州フェニックスに拠点を置き、アメリカン航空とユナイテッド航空の委託を受けて北米、中米圏でリージョナル便を運行する企業です。145機を所有し、1日およそ610便と大規模な運行を支える機体に三菱スペースジェットが採用された背景には、SpaceJet M100が北米の航空会社で労使協定によって結ばれた「スコープ・クローズ」という運行能力の上限を定めた制限事項に合致することができたという点があります。現在のスコープ・クローズ上の制限は最大76席です。90席まで緩和されるとの見通しもありますが、すでに開発遅れのあったスペースジェットは、規制緩和を待つよりも現行規制に合わせ、北米大手航空会社の採用という実を取ったといえるでしょう。

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      United States Space Command (USSPACECOM)は「米宇宙軍」と表記されていますが、米11番目のunified command(統合軍)です。統合軍とは、空軍や海軍といった複数の軍種によって構成される部隊のことで、USSPACECOMは宇宙に関する領域を主管する機能別統合軍です。その目的は宇宙における「正当な理由のない攻撃や武力衝突を阻止すること」とあり、具体的にはGPS衛星網や偵察衛星といった米軍の持つ宇宙能力が他国のASAT(衛星攻撃)によって損なわれる事態を防ぐといった目的を持っています。

      一方で、アメリカ6番目の軍種として「宇宙軍(Space Force)」を創設しようという動きがあります。USSPACECOMとSpace Forceは関連していますが別の組織であるため、「宇宙統合軍」「宇宙軍」のように日本語表記を分けたほうが混乱が少ないでしょう。

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      大変センセーショナルに聞こえますが、アン・マクレーン宇宙飛行士と元パートナーのサマー・ウォーデンさんは離婚係争中であり、マクレーン宇宙飛行士側の説明は、アクセスした口座は家族間の共用口座と認識していたというものです。2018年にはウォーデンさんによるマクレーンさんへの暴力行為を訴えられたこともあった(申立は取り下げられています)という背景を理解する必要があります。
      仮に不法行為であると認められた場合、国際宇宙ステーションには参加国による法的枠組み「IGA(国際宇宙ステーション協定)」がありますが、今回は米国の宇宙飛行士による米国の市民への行為であり、他国の宇宙飛行士や宇宙機は関係していません。米国の国内法の適用の対象と考えられます。

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      スペースXのスターリンク衛星網計画では、打上げ前に予定していた高度1000km以上の軌道は、他の通信衛星網と電波干渉を起こす懸念があるという「物言い」が付き、打上げ直前の2018年にスペースX側が初期衛星の軌道を変更するということがありました。これはFCC(米連邦通信委員会)の情報公開を通じて行われたもので、FCCサイトで公表されている計画に対し、影響が及ぶ範囲の関係者が評価コメントを送ることができます。低軌道衛星通信網は米政府が推進する高速通信政策とも関係するため、計画の白紙撤回といったことは難しいでしょう。ですが、地道に公開された情報を収集し、悪影響に対する調整を求めるということはできるでしょう。研究者が忙しい観測業務の合間を縫って行うのではなく、技術者側との連携が必要になると考えられます。

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      JAXA、インド宇宙機関ISROとの協定があり、日本とインドは2023年に打ち上げ目標の月南極域の着陸探査を共同で計画しています。日本がロケットとローバーを、インドが着陸機を提供する方向です。チャンドラヤーン2のヴィクラム着陸機の成果は、将来の共同月探査の土台ともなる技術です。無事な着陸と水の発見という成果に結びつくよう、応援しています。

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      はやぶさ2のミッションを成功させたプロジェクトチームに対する評価を、JAXA全体の年収水準を基準に判断してよいのかという点に疑問があります。関わったエンジニア、サイエンティストの皆さんの評価は、最終的に成果を論文として発表することで決まります。一方で、クリティカルなミッションの場合は24時間に渡る運用を遂行するには、多大な人的労力を必要とし、研究や論文執筆を犠牲にして運用にあたらなくてはならないケースも発生するのが実情です。激しい緊張と激務からの燃え尽き症候群もありえます。

      世界でも高い水準の宇宙探査プロジェクトに携わった方々を評価する各国の宇宙機関、テクノロジー企業は数多あると思われますが、評価と高待遇を勝ち取るには、論文という実績が必要です。1プロジェクトの予算規模が十分な人員と開発リソースを確保し、研究と論文執筆につなげることができているのか、その点から検証すべきでしょう。

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      『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』(2018年 地人書館)の翻訳者です。スーザン・フィンレイさん(本書ではお名前をこう表記しています)は、NASAの中核研究施設 ジェット推進研究所(JPL)で活躍されてきた方です。当時のJPLで計算室に所属していた女性チームは、ロケットの推進力から人工衛星の軌道計算、打ち上げミッションの軌道決定まで、紙と鉛筆による手計算で行っていました。もともとは「計算する人」を意味していたコンピューターという言葉は、1960年代の電子計算機導入によって機械へと置き換えられていきます。変化の波の中で、スー・フィンレイさんたち女性コンピューターは、プログラミング言語という新たな技能を身に着けて対応していきました。そして高等教育を新たに受け、宇宙探査ミッションを計画するエンジニアとなっていったのです。年齢を超えたご活躍は、変化を恐れない研鑽の賜物です。

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