Inside2015.03.06

なぜチバットマンは錦織・長友・羽生よりもシェアされたのか~Yahoo!ニュース公式Facebook

(ロイター/アフロ)

 こんにちは。Yahoo!ニュースSNSチームです。このたび、おかげさまでYahoo!ニュースの公式Facebookに20万いいね!をいただきました。いつもご覧になっていただいている方々、本当にありがとうございます! Yahoo!ニュースといえば、Yahoo! JAPANのトップページに並んでいる8本の「トピックス」のイメージが強いかもしれませんね。でも、トップページに来ない方々にもニュースを届けられるようSNSにも力を入れており、Facebookでは毎日20本から30本ほど記事を投稿しています。

 投稿するにあたって、社会的に重要なニュースはもちろんですが、「バズりそうなニュース」も日々探っています。それでは、Yahoo!ニュースの公式Facebook上でこれまでバズったのはどんな投稿だったのでしょうか。これまでにシェア数の多かった投稿の一部を見てみましょう(カッコ内はシェア数)。ちなみに、記事の最後に投稿を埋め込んだのであとでご確認ください(一部投稿は画像が消えています)。

 上位は錦織選手、羽生選手、長友選手といったスポーツのビッグネームや、岡山県倉敷市で起こった小5女児監禁事件といったトップ級のニュースが多く並んでいますね。スターの活躍や注目度の高いニュースがシェアされるのはある意味当然と言えるでしょう。

 ところが、スターやトップ級のニュースではなくても、まれにそれらを超えてしまう投稿があります。これまでYahoo!ニュースの公式Facebookで今年2月末までにシェアされたのは、まさかの「チバットマン」でした。チバットマンとは、昨年話題になった千葉の街中を爆走するバットマン姿の一般男性です。昨年9月1日に投稿し、シェア数は3,600以上。これは2位の長友より500以上多い、圧倒的な数です。ここまでの反響を呼ぶとは、SNSチームとしても想定外の結果でした。

 Yahoo!ニュース・トピックスにチバットマンのニュースが掲載されたのは、1日遅れの9月2日。「目撃多数 チバットマン爆走姿」との見出しで取り上げました。当日掲載したニュース114本がそれぞれどれだけ読まれたか確認したところ、上位には「大阪でデング熱感染 計34人に」などトップ級のニュースや、「たけし 氷水発言について語る」「稲葉が引退会見 全く後悔ない」など有名選手や芸能人のニュースがきています。

 トップ級のニュースや有名選手・芸能人の話題は、Yahoo!ニュース・トピックスでもよく読まれますし、SNSでも多くシェアされます。チバットマンはそのどちらでもありません。

参考リンク

なぜチバットマンは1位になったのか

(ロイター/アフロ)

 Yahoo!ニュース・トピックスでは上位にこなかったチバットマンが、なぜここまでFacebookでは反響を呼んだのでしょうか? 考えられる要素は以下のようなものではないでしょうか。

  • 市民の笑顔のために全力
  • これまでにない試みだった
  • 知名度の高いアイコン
  • 見た目のインパクトがすごい
  • 思わずひとこと言いたくなる
  • 千葉クラスタにひびいた
  • 話題になり始めたころだった

 ひとつひとつ見ていきましょう。

市民の笑顔のために全力
 単にありふれた「いい話」というだけでは大きくバズることはあまりありません。チバットマンの投稿には「なかなかのイケメン40代でしたよね。中途半端じゃないからここまでやると、かっこいい。」などのコメントがありました。ポジティブな話題であることをベースに、思わず応援したくなる物語性や全力感がシェアに結びついたようです。

これまでにない試みだった
 千葉の街中をバットマンそのものが走っているのは、日常では「ありえないこと」ですよね。この意外性からくる「驚き」はシェアされた大きな要因のひとつでしょう。

見た目のインパクトがすごい
 バイクや衣装の完成度が非常に高く、見た目にインパクトがあります。その上、チバットマンの投稿には10枚のさまざまな視点の写真をつけていました。後述するように複数枚の画像付きの投稿はバズる上でとても大きな効果があります。

知名度の高いアイコン
 バットマンという知名度の高いキャラクターがモチーフだったことも欠かせない要素ではないでしょうか。より多くの人が共通して持つ知識や記憶や体験がベースになっている話題は、受け皿が広い分だけ当然シェアされやすくなるようです。

思わずひとこと言いたくなる
 「彼の正体は、謎の41歳溶接工 謎どころか歳までバレてんじゃん(苦笑)」「マントが巻き込まれそうで怖い」などのコメントがついていたように、チバットマンにはひとこと物申したくさせる力がありました。決して悪い意味では
なく、「ツッコませる力」と呼べるかもしれません。

千葉クラスタにひびいた
 見たことある!」など地元の方と思われるコメントが多くあったことから分かるように、「地域」というクラスタに刺さったのも見逃せない要因でしょう。ちなみに、Facebookはリアルの人間関係を反映しているため、地域の話題がバズりやすいようです。

話題になり始めたころだった
 チバットマンがテレビなどで紹介され、話題になりはじめたタイミングで投稿されました。自分は知っているけど、まだ周りは知らないと思い、友達に知らせたくなった人も少なくなかったのではないでしょうか。

 バズるかどうかはひとつの要素で決まるのではなく、さまざまな要素の掛けあわせで決まります。チバットマンは上のようなさまざまな要素を高い水準で兼ね備えていたため、Yahoo!ニュース公式Facebook上で錦織選手や羽生選手などの有名人たちを超えたのでしょう。

「バズる」を考える日々

(アフロ)

 ちょうど上の原稿を書き終えた3月4日、ある投稿がチバットマンを上回るシェア数を記録しました。こちらをご覧ください。

 猫が多く住む島としてニュースにも取り上げられる愛媛・青島。私たちは写真素材のアフロ社と契約しており、現地の様子がよく伝わる画像が多数用意されたことから、10枚を選んで投稿しました。

 チバットマンをはるかに超えるシェア数でYahoo!ニュースFacebook史上、圧倒的な1位。よく言われることですが、SNSで猫画像はバズりやすい傾向にあります。あらためて、猫の力のすさまじさを感じました……。

 シェアもいいね!もコメントも、人間の感情の動きであり、正確に予測するのは困難です。13文字で読まれるか否かが判断される「トピックス」よりも予測は困難かもしれません。

 でも、繰り返し振り返っていると、安定してバズる話題の傾向は見えてきます。チバットマンのように「応援したくなる」話題やの画像はその代表格でしょう。また、「エクストラ・スーパームーン」の投稿のように、「今だからこそ」の希少性がある天体の話題もこれまで安定してバズっています。

 話題の内容だけでなく、テクニカルな面でも、運用を続けるなかでさまざまな発見がありました。たとえば、昨年7月は複数枚の画像を付ける投稿の効果を測定してみました。その結果、複数枚の画像付き投稿は、平均いいね数が7月の全体平均の152%、平均シェア数が131%であり、大きな効果があることが分かりました。

 また、投稿時間の間隔についても調整しています。当初は1時間に1本のペースで投稿していました。しかし、30分間隔での投稿を試してみた結果、投稿ごとに「喰い合う」ため、一投稿あたりの平均リーチ数やアクション数は低下しやすかったものの、1日トータルで見ると増加することが分かりました。それ以来、30分間隔で投稿するようになりました。

 今回は数字のことを中心に書きましたが、もちろん数字を追いかけるだけでなく、社会的に重要なニュースにも力を入れています。号外級のニュースや地震などの災害時は少しでもはやく投稿できるように画像なしでも「速報」しています。

 Facebookの運用で難しいのは仕様が頻繁に変わることです。ここに書いてあることは来月には当てはまらなくなっているかもしれず、必要に応じて投稿のスタイルを変えていかなければなりません。より価値のある投稿をより広く届けられるように、これからも研究を重ねていきます。

シェア上位の投稿

※画像が消えている投稿は除外しました。

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