Information2015.12.28

「お金がない」「電車で座りたい」――大学生がアプリで解決したい課題とは?【法政大学×Yahoo!ニュース】

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 Yahoo!ニュースでは、中学生・高校生向けの職場見学やスタッフによる大学生への講義などをはじめとした、教育現場との連携を進めています。このほど、Yahoo!ニュースの編集者とエンジニアが9月と11月に講義に登壇した、法政大学の「ウェブジャーナリズム実習」(藤代裕之准教授)を受講する学生が、講義を通じて考えたアプリの企画案を発表するためヤフーを訪問しました。その模様をご紹介します。

 この日、ヤフーの本社を訪れたのは、主にメディア業界を志望する2~3年生の大学生8名。3つのチームにわかれて身近なニュースを出発点にして考えたアプリの企画案を紹介しました。Yahoo!ニュースからは7人のスタッフが審査員として参加しました。



 ひとつめのチームがニュースとして捉えたのは「お金」。バイトの掛け持ちや、サークルやゼミの飲み会などで収支が流動的な学生の皆さんは、「銀行口座を見た時に思った以上にお金がなくてヒヤっとした」という経験をお持ちの人も多いようです。そこでこのチームが提案したのがスケジュール帳に予定を入れていく度に、その予定にかかる収入と支出を自動で計算してくれるというアプリでした。

 「金銭管理に家計簿を使うのは面倒。必要なのはお金の収支の情報だけなので、スケジュール帳を使ってざっくり管理できるのではと思いました。今月あといくら使えるのかという、普段から頭のなかでやっている計算を、アプリでやってほしいと考えました」。

 身近な課題を出発点にした提案に、Yahoo!ニュースのスタッフからも「なるほど」「使いたい」といった声が上がりました。このチームの提案が発表後の審査でも最も高い点数を獲得しました。



 次のチームが提案したのは、電車の混雑情報が気軽にチェックできるというアプリです。こちらも学生が普段から感じている「電車で座りたい」というニーズから着想を得た提案でした。ただ電車の混雑情報は一般に公開されておらず、「存在しないデータ」(発表者)。そこでこのチームが注目したのが鉄道ファンによる情報発信でした。

 「Twitter上には電車の運行情報に関するツイートを事細かに発信しているアカウントがいくつかあります。そうした情報発信の背景には社会貢献をしたいという欲求があるようです。そこでこのサービスに、そうした欲求を持った人が投稿することで、鉄道ファン同士の競争も生まれ、発信する側も楽しみながら社会貢献できます。そして利用者はより快適に電車を利用できると考えました」。

 こちらも発表を聞いたYahoo!ニュースのスタッフからは「使ってみたい」といった声が上がった一方で、実現性の観点からは厳しい指摘も。「利用者が少なく投稿の集まりにくい路線の情報の信頼性はどう担保するのか。人の力だけに頼るのではなく、そこに技術の力も含めた二軸で考えると面白いかもしれない」。「混雑率はその人の感覚になってしまう。ただこうしたライフログ的なものを集めてそこに何か意味を見いだすというのは、鉄道の分野に限らず可能性を感じる」。スタッフからのフィードバックを懸命にメモする学生の皆さんの姿が印象的でした。


 最後のチームが設定したテーマは「妻の妊娠中に起こりがちな夫婦のすれ違い」。「旦那、妊娠中、浮気」で検索するとYahoo!知恵袋に8000件以上の質問がヒットするといったデータを示しながら、女性の妊娠期間は夫婦間で「無駄なすれ違い」が起こりやすいと説明。それを解消するために、妊娠中の女性の気分を予測し、そのデータを夫婦間で共有するというアイデアを紹介しました。

 講評では、「女性の感情をアプリを通じて男性に通知する」という方法が課題の解決になっているのかという点から指摘が上がりました。特に審査員には家庭を持つスタッフが多かったことから、「奥さんのイライラを伝えただけでは夫婦のすれ違いは解決しない」といった意見もあり、そもそもすれ違いはなぜ起こるのかという深いテーマで議論が盛り上がる一幕も。スタッフからは「ターゲット層のデータ集めや調査が足りなかったので、事前の情報収集はしっかり行ったほうがいい」「得た情報を必ずしもストレートに伝える必要はないのではないか」といったアドバイスが送られました。



 他チームに比べて厳しいフィードバックを受けた3番目のチーム。一方でこのチームは、他のチームが自らの直面している課題をテーマに設定したのに対して、あえて自分事とは遠い課題に挑戦していたことから、「実際に社会人になってからは、自分に近い出来事だけではなく、老若男女さまざまなユーザーの課題解決について考えなければいけないことが多い。自分とは違う立場のユーザーの課題を考えることは実はすごく大事なこと」と、企画への姿勢を評価する声も上がっていました。


 Yahoo!ニュースは今後も、教育現場との交流から得た知見や経験をサービス運営に生かして参ります。過去の取り組みの一部を当ブログでご紹介しておりますので、以下の関連記事をご覧ください。

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