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「王として現れ、伝説として去った男」の言葉 #専門家のまとめ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 アヤックス、ユベントス、インテル・ミラノ、ACミラン、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・ユナイテッド、LAギャラクシーらを渡り歩き、数々の金字塔を打ち立てたズラタン・イブラヒモヴィッチ。引退後、ACミランのアドバイザーとなった彼が、プレ・シーズンマッチを戦うチームに同行している。

 現役時代と変わらぬ歯に衣着せぬ発言は、サッカー界に貴重なアドバイスとなる。稀有なストライカーだった”イブラ”に今尚、注目だ。

ココがポイント

▼2018-2019年シーズン、MLSのLAギャラクシーに在籍し、58試合に出場して53ゴールを挙げた稀有なストライカーが、米国と欧州の差を述べた。

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▼2023年に名門、ACミランでユニフォームを脱ぎ、現役生活にピリオドを打ったイブラヒモヴィッチが、NYヤンキースで始球式に挑んだ。

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▼ACミランのプレ・シーズンマッチに同行し、アメリカ合衆国を訪れているズラタン・イブラヒモヴィッチが、マンU時代を想起した。

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エキスパートの補足・見解

 「私はベビーシッターではない。ACミランの選手たちは大人なので、自らの言動に責任を負わねばならない。私がいないときでも、彼らは200パーセントの努力をする必要がある」

 今回のアメリカ滞在中に、イブラヒモヴィッチが語った言葉だ。彼はコーチを引き受けるつもりはないと述べ、「私の白髪が見えるか?コーチになって1週間もすれば、真っ白になるだろう。1日12時間働くのがコーチの人生。私にそんなことはできない」と付け加えた。

 ニューヨーク・ヤンキースで始球式に挑んだ姿からは、今でも彼がストイックな生活を続けていることを示した。現役時代は気の強さがクローズアップされたが、弛まぬ努力を重ねたからこそ光を放ったのだ。やはり、次世代の手本となる男である。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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