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ヤマハ五郎丸歩、2シーズンぶりの東京でサントリーと接戦。「祝」ではなく…。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ロングキックで存在感(写真は昨季のもの)。(写真:アフロスポーツ)

 2015年のラグビーワールドカップ日本大会で日本代表だった五郎丸歩が、9月2日、東京・秩父宮ラグビー場で国内最高峰トップリーグの第3節に出場。ヤマハのフルバックとしてフル出場し、同リーグの通算100試合出場を達成した。

 この日は一時、前売りの指定席が完売となるも試合直前には空席ありとなり、公式入場者数は「14054人」を記録した。五郎丸がゴールキックを蹴る際は、多くのファンがグラウンドにスマートフォンを向けた。

 2016年2月からオーストラリアのレッズ、同年8月からはフランスのトゥーロンに在籍した五郎丸は、今夏から2季ぶりにヤマハへ復帰。3戦連続で先発したこの日は、昨季王者のサントリーと一進一退の攻防を繰り広げ、ノーサイド直前の勝ち越しトライに泣いた。

 試合後の共同会見では、進化したチームへの手応えや日本代表待望論への思いなどを語った。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「まず、100試合目を戦えたことを嬉しく思います。チームミーティングでジャージィを渡された時に言ったのは、『100試合を祝ってもらうのではなく、100試合お世話になったチームに恩返しするような試合をしたい』。結果的に負けてしまいましたけど、非常に見ごたえのある試合だったと思います。観に来てくださった皆様も非常に満足して帰っていかれると思います。トップリーグでもこれくらいの試合をすれば、国内のレベルはもっと上がる。ただ負けは負けなので、チャンピオンを目指せるようにしていきたいです」

――久しぶりの秩父宮での試合。自身のパフォーマンスについて。

「久しぶりに秩父宮でやったのですが、スタンドとピッチが非常に近い。お客さんもかなりの人数が入ってくれて満足しています。個人としても満足できるレベルだったと思います」

――試合全体を振り返って。

「前半から後ろで見ていて、フィジカルで優っている部分はヤマハの方が多く、非常に頼もしかったです。ただ、それがトライに繋がらなかったのは今後の反省だと思います」

――サントリーのフルバック、松島幸太朗とのマッチアップについて。

「15番(フルバック)の対面というのは非常に(相手との距離が)遠いので何とも言えないですけど、若い力が出てくるのはラグビー界にとって非常にいいことだと思います」

――デューク・クリシュナン選手が一時退場中、フォワードに入ってスクラムを組んでいました。

'''「非常に、いい押しという評価をいただきました(場内、笑い)」

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――日本代表復帰への思いは。

「トップリーグを戦うなか、結果としてついてくるもの。ここで私がやります、やらないというものではないと思います」

 同ポジション対決や日本代表関連の談話など、メディアがファンのニーズを規定して発する質問については静観の構え。国内最高峰であるトップリーグのいち選手として、今後も好試合を目指す。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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