９月に入り、一気に食品売り場やお菓子売り場が秋めいてきたと思いませんか？無花果に葡萄、十五夜のデザインなど、深みのある色合いと共に目立つのが栗などの温かな色。特に、芋栗南瓜と申しますように、秋の三銃士はこれからますます人気が高くなりますね。

さて、静岡県浜松市に本店を構える和菓子屋「巌邑堂」さん。四季折々の上生菓子をはじめ、都内店舗では早い日には夕方前には完売してしまうほど人気のどら焼きなど、優しい色合いのお菓子が揃うお店です。

その巌邑堂さんの中でもユニークなのが、春夏秋冬をモチーフにしたカステラ。しかもただのカステラではなく、中にあんこを挟んでいるのが特徴的。シベリア？いえいえ、それがまた違うのです。

今回はその「あやとり」シリーズの中から秋の「邑月」をご紹介。

橙色の色味そのままに、南瓜をあわせたカステラ生地とあんこのツートンカラーが温かなお菓子。といいつつ、どこかスタイリッシュな印象も。

カステラといいつつ、その食感は一般的なカステラよりも非常に繊細で柔らかく、しゅわりと溶けてしまいそうな程。しかし決して軟弱ではなく、卵のコクが南瓜特有のほっこりとした素朴な風味をググっと後押し。そのおかげで、ほんのり洋菓子のようなエッセンスを纏った上品な装いにドレスアップ。

また、カステラ同様に舌先で押すとスッと滑らかに広がるあんこは小豆だけではなく手亡豆を合わせたこし餡。きめ細やかなこし餡は瑞々しさと小豆の香り立ちを保ちつつ、手亡豆の作用により引き際の良いあっさりとした余韻に。そこが南瓜の味わいにスポットライトを当てる良い役割を担っています。

そのままでも、少し冷蔵庫で冷やしても美味しく召し上がることができます。お好きな大きさに切り分けて召し上がれ。

２０２４年１月にあやとりシリーズのパッケージがリニューアルされ、和テイストと高級感は残しつつも、より鮮やかで可愛らしい印象になりました。季節の便りとして、甘いひとときを贈ってみてはいかがでしょう。

また、一年を通して全種類の季節のあやとりをお取り寄せや店頭で購入することができます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ