完全予約制の贅沢!「TORAYA GINZA」さんのカウンターで味わう夏の上生菓子と焼き立てどら焼き
今年の4月にオープンしてからというもの、平日土日問わず洗練された空間美とサービス、ほっと一息つけるような甘露を求める人々で客足が絶えないTORAYA GINZAさん。
赤坂をはじめ他店舗とは異なり、和菓子には普段使用されることのない果実や生の果実を用いた上生菓子を目の前で誂えてもらえる予約必須のカウンター席も人気のひとつ。今回は季節限定の上生菓子「蕉柯(しょうか)」と目の前で焼き上げられるどら焼き「夜半の月」をご紹介。
4名掛け程のカウンター席は背景の黒壁と職人さんの手仕事が映えるライティングなので、どちらの席からも快適に眺めることができます。
今回は、バナナとカカオをあわせたきんとん製の上生菓子。なんと、生のバナナを白餡と合わせて炊き上げているのです!市販のピューレも販売されておりますが、仕入れたバナナをとらやさんで熟成させ、適切な頃合いになってから使用するのだとか。
加熱しすぎても爽やかな生のバナナの風味は飛んでしまい、更に変色してしまうということから、温度に気を付けながら練り上げているそう。さらに、カカオパルプという甘酸っぱいカカオの身のピューレも忍ばせたオリジナリティ豊かなコンビネーションで奥行きをプラス。
確かに、ねっとりとした白餡の口当たりに入り混じる南国の風のような清涼感は、食感だけではなく味わいそのものに瑞々しさが滲んでいるよう。加工されたバナナとは一線を画す仕上がりです。
きんとんの中には、代名詞でもあるこし餡(御前餡)にカカオパウダーを合わせた中餡。こし餡の味わいは残しつつ、シティライクな仕上がりです。最後に散らされたカカオニブのかりかりとした食感とほろ苦さ、仄かな渋みも加わり、夏ならではのハーモニーに口角でキュッと弧を描かずにはいられません。
バナナとカカオを丸ごと味わえる蕉柯。職人さんが、大人のチョコバナナのような味わいです、と目元を緩ませてひとこと添えてくださいました。
さて、もうひとつ。
カウンターに設けられた銅板で一枚一枚焼かれる皮の香ばしさに、ご同席なさった方も追加なさっていた焼き菓子「夜半の月」。どら焼き、なのですが、どら焼きと称するには少しばかり戸惑ってしまうほどのお菓子なのです。
まるで満月のように煌々と光を放つ黄金色の生地にふつふつと水玉模様が浮かんできますと、なんとバーナーで縁の部分を炙るという工程を挟むのです。臨場感と薫香に思わず前のめりになってしまう工程はGINZA TORAYAさんオリジナル。いかんせん焼きたてを提供されるので、生地のべた付きがきになるという方もいるのではという考慮から取り入れたのだとか。
ひっくり返された小麦色の肌は、菓銘のごとく宵闇にぼんやりと霞む満月に変身。
まだ熱々の状態でしっとりとした粒餡を挟んでくださり、その熱を保ったまますぐさま提供されるので、お写真もそこそこにぱくっと。
さっくりとした軽やかさを備えた夜半の月は、今までにない食感と風味。既製品のどら焼きとは食感も小麦粉の香ばしさも全く異なり、なにより温かい皮であたためられたあんこが次第にとろとろと柔らかくなっていくではありませんか。もぐもぐと集中して味わいたくなるはず。
美味しいは美味しい。しかしそこに、「ここだけ」という付加価値が加わると、より一層贅沢なひと時に変化遂げるのです。それは味わいだけではなく、職人の方がお話してくださるそのお菓子についての解説や、食べるだけではわからない工程や配合の理といった知識も含まれております。
五感をフル活用することにより得られる感動は、また次も訪れたいと思うような、いわば明日への原動力へと繋がっているような余韻をも頂戴しました。
尚、ご予約は【予約希望日前月の1日午前0時】よりオンラインにて受付となっております。
当日でもお菓子やお飲み物の追加もできるのが嬉しいですね。
あまりにも満ち足りた初体験でしたので、文字数を考慮したつもりではございますがついつい長くなってしまいました。
それにも拘わらず、最後までご覧いただきありがとうございました。
<TORAYA GINZA>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル4階
03-6264-5200
11時~19時(ラストオーダー18時30分)
定休日 元日・毎月第2月曜日(祝日の場合は第3月曜日)