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レアル・マドリーの問題はエムバペだけではない。ビッグマッチの結果と戦術…突きつけられる現実。

森田泰史スポーツライター
競り合うゴロサベルとエムバペ(写真:ロイター/アフロ)

現実を確(しか)と捉えられなければ、事態は変えられない。

レアル・マドリーが苦戦中だ。リーガエスパニョーラで2位につけ、チャンピオンズリーグでは、リーグフェーズで24位に位置している。

ボールを追うエムバペ
ボールを追うエムバペ写真:ムツ・カワモリ/アフロ

最初、兆候が現れたのは、チャンピオンズリーグのリーグフェーズ初戦だ。シュトゥットガルトとの一戦で、マドリーは3−1と勝利。だがGKティボ・クルトワがいなければ、結果は違うものになっていただろう。

リーグフェーズ第2節では、リールに0−1で敗れた。第3節ボルシア・ドルトムント戦では勝ったものの、第4節ミラン戦(1−3)、第5節リヴァプール戦(0−2)と連敗を喫している。

その間、リーガにおいては、アトレティコ・マドリーに引き分け、バルセロナ、アトレティック・クルブに敗れている。

苦戦しているレアル・マドリー
苦戦しているレアル・マドリー写真:ロイター/アフロ

そう、今季のマドリーは、ビッグマッチで勝てていない。「マドリーらしさ」が失われているのだ。

前述の8試合で、マドリーは獲得可能な勝ち点24のうち、7ポイントしか得られていない。それは全体の29.16%である。

試行錯誤するアンチェロッティ監督
試行錯誤するアンチェロッティ監督写真:なかしまだいすけ/アフロ

「チームは良い状態ではなかった。敗戦から学び、改善する必要がある。それだけだ。時に、負けることはプラスに働く」

「バルセロナに0−4で負けたシーズンでも、我々はリーガとチャンピオンズリーグのタイトルを獲ったことがある」

「選手たちが落ち込むのは、私もそうだが、良いことだ。全員が、どうしたら向上できるかを考えなければいけない。現実を受け入れる必要がある。そうでなければ、この状態でシーズン終盤を迎えるのは困難だ」


これはカルロ・アンチェロッティ監督のコメントだ。

■戦術と落とし穴

今季のマドリーは、大きく分けて、2つの課題を抱えている。それは「エムバペの適応」と「クロースの穴を埋めること」だ。

ただ、ここでは、それ以上の深掘りをーー無論、エムバペとクロースの問題は関わってくるがーー行いたい。

具体的に論じる。例えば、リヴァプール戦。アンチェロッティ監督は守備時に【4−4−2】を敷いて、リヴァプールの攻撃を跳ね返すそうとした。

この試合はヴィニシウス・ジュニオールが負傷で欠場。エムバペを左ウィングに配置したが、そういう意味でも、守備免除が許される選手が一人になり、アンチェロッティ監督としてはバランスを見つけやすかったはずだ。

だがマドリーはリヴァプールのアタックに屈した。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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