【英会話】この時間、照明が必要なの? って尋ねたら、首を振られた。どこがおかしい?
20年ほど仕事で英語を話していますが、慣れないことを言おうとすると一瞬詰まったり、日本語を直訳してしまったりすることが、まだまだあります。
そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと自然な英語を得られるお得なエッセイです。
光あれ
10年ほど前に会社を設立したんですが、そのころからうちの会社はオンラインで仕事をしています。スタッフとNative English Speakerとがネットでつながっていて、何か用事があればお互いに呼び合って、ミーティングを始める。移動時間が必要ないですし、どこにいても参加できる。このあいだなんて、シドニーのビーチから参加してきたNative English Speakerもいました。どうだ、これがリアル・ニューロマンサー! サイヴァー・パンクだ! なんて、愉しいわけですが、相手の仕事環境によってはびっくりすることもあります。
このあいだNative English Speakerの友人のRichとテレビ電話で話し始めたら、相手の部屋が真っ暗なんです。どうも電気がついてないみたいで。真っ暗じゃんと言うと、
Excuse me. The light died last night. (ごめん、蛍光灯が切れちゃって)
とのこと。ああ、そういうこともあるわいな と思ったんですが、その時の時間は午後の2時、相手も東京にいるんで同じように明るい筈、カーテン開ければいいのにと思って、
Do you need the light at this time of day? (この時間、照明が必要なの?)
というと、Richが暗闇の中ニヤリと笑う。ちょっとサスペンス物の趣ですが、そうじゃない。ちょっとその英語、不自然だよのサイン。
みなさん、この英語、どこが不自然か気づかれるでしょうか?
Richのヒントは、より具体的にということ。具体的にと言われても、今回はきちんと「the light (照明)」と言ってるし、どこだろうと首をひねる。
困っているとRichがさらにヒントをだしてくれる。照明は光っていても照明、光ってなくても照明だよね? とのこと。
さすがに私も思いつきます。照明の光が必要なの? って言わなきゃならないんです。
こういうところにも、英語の事実をできるだけ丁寧に描写する特徴が出ていて面白い。たしかに、照明が必要 と言ってしまうと、照明器具が必要 という意味と、照明の光が必要 というあいまいさが残りますからね。
こういう英語の具体的に表現する特徴を身につければ、曖昧さをできるだけなくしたいビジネスシーンの日本語にも活用できますね。英会話を身につけることで、より隙のない日本語も身につけられちゃう。英会話の副産物です。
明日から下半期の始まり。新年の抱負ではないですが、下半期の抱負に英会話にチャレンジというのもいいかもしれません。自分の思っていることを英語にすると意外な発見がありますよ。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。
お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
おっと、書き忘れるところでした。この時間、照明が必要なの? をどう表現するかと言うと、
Do you need the light on at this time of day?
です。一単語on をつけることで照明がついている ということを表現できます。わざとつけっぱなしにしといた なんかにも応用できますね。
I meant to leave light on.
です。ご利用ください。
イラスト 大橋啓子