「問題」と「課題」の違いとは? 効率的に問題解決するたった一つのポイント
「どうしたら〇〇できますか? 一番良い方法を教えてください」
と質問してくる人がいる。
理解できない、ことはない。
問題が起こった時には「すぐに解決したい!」という気持ちを持つのは当たり前のことだからだ。
問題が放置されると、ますます大きな問題になる可能性もあるし、不安やストレスを抱え続けることにもなる。だから、周りの人たちに迷惑をかけないためにも、問題を早急に解決したい。
その気持ちは、わかる。
しかし、たった一つの具体策で問題解決にいたることはない。だから「一番良い方法」など存在しないのだ。
問題解決にまでタイパ(タイムパフォーマンス)を持ち込むべきではない。
問題を効果効率的に解決するには、問題と課題の違いを正しく捉えることが重要だ。意外と勘違いしている人が多いので、しっかりと確認しておこう。
問題と課題の違いを理解し、問題発見と課題設定のスキルを手に入れよう。今回は、問題と課題の違い、その設定の仕方について図解を交えて解説していく。
ぜひ、最後まで読んでいただきたい。
<トピックス>
■問題と課題の違い
■問題解決に対する誤解
■課題設定がズレすぎると投資対効果が落ちる
■手段を目的にすると問題解決以外で労力がかかりすぎる
■課題設定3つのポイント
■マネジメントサイクルの回し方
■問題と課題の違い
問題と課題は違う。ここはしっかりと押さえておこう。
○問題 → 理想と現実のギャップ
○課題 → 問題を解決するために〝現実的に取り組めるテーマ〟。
現実的に取り組める課題を設定するのがポイントである。その課題設定をして理想(あるべき姿)に近づけていく。
問題発見と、課題設定スキルが大事だ。
■問題解決対する誤解
今回最も伝えたいこと。それが、あるべき姿と現実とのギャップを埋める唯一無二の解決策はない、ということだ。
冒頭に書いたとおり、
「どうしたら新規開拓できますか? 一番良い方法を教えてください」
と質問する人がいるが、たった一つの具体策で期待通りにはならない。
「やり方」ではなく「あり方」。「あり方」は一つだが「やり方」は数えきれないほどあるものだ。そして、それらをどう組み合わせて理想に近づけるか。
ここを考えていかなければならない。
■課題設定がズレすぎると投資対効果が落ちる
問題解決するための課題をどう設定するか? 常に気を配らなければならない視点である。
課題設定は少しぐらいズレてもいい。だが、あまりにズレすぎると投資対効果が著しく落ちる。試行錯誤を繰り返し、いかにこのズレを減らすか。常に創意工夫が必要だ。
■手段を目的にすると問題解決以外で労力がかかりすぎる
問題解決するための課題のはずなのに、そちらのほうが目的になってしまうケースがある。
DX時代なので、とくにシステム化は気を付けたほうがいい。DX等の流行り言葉に振り回される前に、もっと解決しやすい課題はないか? と、常に自問自答するクセをつけよう。
■課題設定3つのポイント
問題解決するための課題は、以下3つのポイントを考慮しながら検証する。
①少しぐらいズレてもいい
②複数ある
③少しぐらい手段の目的化になってもいい
そして課題には設定しない部分も、細かな創意工夫が必要だということを忘れてはならない。
■マネジメントサイクルの回し方
問題解決するための課題設定をしたら、高速にマネジメントサイクルを回す。
そして本当に「あるべき姿」に近づいているかを定期的に検証する(グラフ化を推奨する)。
そうでないと「自己満足の課題設定」「手段の目的化」を防げない。対策をしても、まるで問題解決しない人・組織は、この点を常にチェックすべきである。