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なぜ幸福の国「ブータン」に行ってきたか?

鈴木崇弘政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー
(ペイレスイメージズ/アフロ)

幸福の国といわれる「ブータン」に行ってきた。

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筆者は、最近AI、IoT、シェリングエコノミーなどにはまっていて、それらについて精力的に研究してきている。その結果、今後、人間と科学技術との関係が大きく変わるだろうという確信をもっている。これまでは、科学技術は人間社会に影響し、紆余曲折があるが、ある面では良い影響を与えてきた。しかし、今後はそのレベルをはるかに超える状況が確実に生まれてくるだろう。つまり、科学技術がこれまで以上に人間社会や人間の在り方(何が人間かという問題も含めて)をドラスティックに変容させていくだろう。特に、人間の歴史を越えて、宇宙史的に考えた時に「人間」の意味や役割とは何かが問われることになる。それは、数千年否100万年ぐらいのタイムフレームではなく、宇宙開闢の138億年前からの宇宙の歴史の中の「人間」を考えることになるだろう(注1)。

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このような研究を進める中で、人類は確実にその方向に進んでいくだろうが、本当にそれだけでいいのだろうかという疑問も生まれてきた。AIやIoTなどとは対極についても考えてみるべきではないかと考えた。

その時にあることから偶然に思いついたのが、その疑問への回答を得るために、ある意味つい最近まで開発や科学技術などからは距離をおき(注2)、またGDPに代わるGNH(国民総幸福量)という概念を打ち出し独自の地位を築いている「ブータン」に行ってみることだった。

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そのような思いから、今回のスタディー・ツアーに参加してきた。同ツアーでは、ブータンの中でもさらにルーラルエリアにあり、ブータンのオリジン的な色彩を今も色濃く残す村を訪れ(注3)、現地の方の家で、寝食を共にしながら、同村での生活や活動などに参加しながら、視察させていただいた。

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今回のツアーは全行程9日間という非常に限られたものであったが、非常に多くの収穫があり、大いに考えさせられた。学んだことや考えたことの多くはいまだ整理できていないが、今後きちんと整理していきたい。また、本記事で先に述べた今回のツアーの参加の元々の理由や疑問についても、完全な回答に至ったわけではないが、何らかの糸口が得られた感触がある。それらのことは、今後様々な形で、自分なりに発信していきたい。

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(注1) この視点を考える上で『ビッグヒストリー(我々はどこから来て、どこへ行くのか)…宇宙開闢から138億年の「人間」史』)が参考になる。

(注2) 長年、ある意味で「鎖国政策」を取ってきた。1971年に国連加盟したが、その後も、さまざまな課題や地形的な問題などから、アクセスが容易とは言い難い状態があるといえるのではないか。その状況は現在も大きく変わってない。

(注3) 日本を経ち、現地に到着するのに、一時立ち寄りもあったが、実に3日間かかった。

政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。新医療領域実装研究会理事等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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