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【知ってて損はナシ】知っていると役に立つ「料理名」の由来

緒方湊野菜ソムリエプロ(高校生)

魚の切り身がチリチリと縮むから「ちり鍋」

ちり鍋は関西発祥だといわれています。幕末から明治にかけて、生魚を食べない西洋人が、沸騰した湯の中に、薄切りにした生の魚を入れると“ちりちり”と縮む様子から「ちり」鍋となったといわれています。

水菜のシャキシャキした食感や、見た目のみずみずしくハリのある様子を「ハリハリ」と表現した「はりはり鍋」、おしぼりをタライで洗濯していて、おしぼりをすすいでいる様子が鍋の中で肉を振る様子と似ていたことが由来とされている「しゃぶしゃぶ」など料理名の由来は調べるととても面白いです。

目を離してしまったために料理が焦げた

焦げた料理を食べたところ、意外にもおいしかったことが「グラタン」のはじまりといわれています。「グラタン(Le gratin)」は、フランス語で鍋にこびりついた「おこげ」という意味です。

タルトを作る時、生地を入れ忘れた

フランスのタタン姉妹がリンゴのタルトを作る際、生地を入れ忘れ、あわてて上から生地をかぶせて焼き直し、出来上がったのが「タルト・タタン」です。怪我の功名だった訳なのですね。「タルト・タタン」のように人名がそのまま料理名になったものも多くあります。

ピッツア・マルゲリータ

ピッツァ・マルゲリータの名前はナポリのピザ職人夫妻が、イタリア王ウンベルトⅠ世の王妃、マルゲリータ王妃をお迎えするために考案したピザが由来です。トマト(赤)、モッツァレラチーズ(白)、バジル(緑)を使いイタリア国旗の色合いを表したピザをマルゲリータ王妃が大変気に入ったことから、「マルゲリータ」と名付けられました。

カルパッチョ

カルパッチョの起源は諸説ありますが、イタリアの画家であるヴィットーレ・カルパッチョが薄切りの生牛肉にパルミジャーノ・レッジャーノをかけた料理を好んだことから、彼の名を取ってカルパッチョと呼ばれているという説。

イタリアのベネチアにあるお店のオーナーが考案し、まだメニュー名が決まっていない時に、たまたま近くで開かれていたヴィットーレ・カルパッチョの絵画展でみたカルパッチョ独特の赤を基調とした作風が、薄切りの生牛肉の色に似ているので、それにあやかり「カルパッチョ」と名付けた説などがあります。

ハヤシライス

ハヤシライスも諸説ありますが、大手書店「丸善」の創始者である早矢仕有的(はやしゆうてき)さんが考案し、そこから名付けられたとされる説。有的は当時日本を訪れていた多くの外国人との親交があり、また西洋料理にもなじみがあったため、友人が訪れるとあり合わせの肉や野菜をゴッタ煮にして、ご飯を添えて振る舞っていたようです。やがてこの料理は「早矢仕さんのライス」といわれるようになり、評判が評判を呼んでついには「ハヤシライス」の名で街のレストランのメニューになったとか。(『丸善百年史』より抜粋)

たくあん

たくあんも名前の由来には諸説ありますが、代表的なのは臨済宗の開祖である「沢庵和尚」が命名したという説です。沢庵和尚が三代将軍の徳川家光にたくあん漬けを献上し、家光が「たくあん」と名付けたとする説。沢庵和尚の墓石がたくあんを漬ける漬物石の形に似ていたからとする説などもあります。

名前の由来など興味を持って調べてみると、また料理を食べるのが楽しみになります。

野菜ソムリエプロ(高校生)

横浜在住。県立高校2年(16歳)。8歳で「野菜ソムリエ」、10 歳で「野菜ソムリエプロ」に合格し、当時の最年少記録を大幅に更新。12歳で日本さかな検定(とと検定)1級にも合格。公的機関、民間企業の大使、アンバサダーを多く拝命。公的機関や民間企業と一緒に行う野菜の普及啓発活動の他、和食文化の保護・継承にも取り組む。また官民を繋ぎ、地方共創への取り組みを支援し、関係人口の創出をサポートしている。著書:『野菜がおいしくなるクイズ』(‎飛鳥新社)

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