ココを知らずに美郷グルメは語れない？秋田県南エリア屈指の老舗蕎麦屋へGO！

「ぜひ、やぶ茂の牛丼を食べてみてください！」

先日、美郷町在住の方にそう言われた。これまで多くの名店を食べ歩き、私の中で「蕎麦屋の丼物がウマイ説」はすでに立証されている。だがカツ丼でもなく、天丼でもなく、牛丼とは盲点だった。なんてことを思いながら、私はクラシックな雰囲気が残る六郷の「市場通り」へと向かった。

年季が入った外観から感じる歴史と哀愁。いささか緊張気味に老舗蕎麦屋の白い暖簾をくぐると、親切な女将さんが迎えてくれた。昭和の雰囲気が香る店内には、ジモトークをお供に蕎麦や丼物を楽しむご常連の姿。歴史ある蕎麦屋と聞けば少し敷居が高いイメージもあるが、『やぶ茂』は地元の方がぶらりと集う「町のお蕎麦屋さん」という印象だ。

品書き

• かけ：450円
• 冷かけ：550円
• 天ぷらそば：並750円、特900円
• 本鴨南ばん：800円
• なべ焼きうどん：950円

• 天丼：1,100円
• 牛丼：850円
• かつ丼：800円
• 親子丼：650円
• もつ煮込み：500円

約30種類の蕎麦&うどんに、丼物やカレーなども顔を揃える『やぶ茂』。私が訪れたときに注文の声が聞こえてきたのは、天ぷらそば、本鴨南蛮、なべ焼きうどん、そして牛丼。おお、やはり牛丼は人気か。……と、ひとり納得する私だが、他にも食べたいメニューがズラリ。まだ注文する前だが、早くも再訪決定だ。

六郷の市場通りで出会った老舗の味！『やぶ茂』の牛丼&蕎麦に舌鼓！

さあ、ウマいと評判の牛丼が登場だ。今回は事前に牛丼を頼もうと決めていた私だが、猛烈に蕎麦も気になりダブル注文。「食欲の秋」もいよいよ最終ラウンド。今日は迫る冬本番に向けて、美郷で腹パン大作戦といこう。

ああ、こいつは危険だ。今、記事を書くために牛丼の写真をアップロードしたところだが、こいつはいけない。思い出しただけでも、猛烈に腹が減ってくる。甘いタレをまとったたっぷりの牛肉に、絶妙な塩梅で絡み合う卵、そしてその下で待機する熱々の白飯。まるで遠距離恋愛中の恋人のように、先日食べた牛丼にこっそり想いを馳せる今の私だ。

「ご飯は炊き立てで熱いので、気をつけてくださいね」

女将さんのアドバイスに耳を傾けつつ、それでもやっぱり肉と一緒に熱々の白飯をかき込むミドルエイジ（私）。そしてその勢いで箸を伸ばすのは、もちろんお隣の蕎麦だ。今回私はシンプルなかけそばをチョイスしたが、麺が細目であっさりした味わいのため牛丼のお供に最適。天ぷらとも相性が良さそうだし、個人的には冷かけも試してみたい。

関東の味を引き継ぎ、戦後にここ美郷町六郷で開店したという『やぶ茂』。そのため、蕎麦は上品でどこか都会っぽさがある。……と、若干の知ったかぶりを挟みつつ牛丼と蕎麦を交互に味わい、最後に温かいそば茶を飲み干して、今日もごちそうさま。

六郷の市場通りで出会った老舗の味。「蕎麦屋の牛丼がウマイ説」にたしかな手応えを感じながら、歴史ある店を後にするお腹いっぱいの私だ。