それって子どもの短所?幼児教育講師から見た子どもの本当の姿と才能を育む環境作り
幼児教育講師のTERUです。
日々の子育て本当にお疲れ様です!
今日は『“1つのことに集中できる子”と“色んなことに興味を持つ子”どっちが良いのか?論争』というテーマでお話しします。
短所だと思うものは見方を変えてみよう
「うちの子飽きっぽいんですけど大丈夫でしょうか」「うちの子興味が狭くて、もっと色んなことに挑戦して欲しいんです・・・」というようなご相談は本当によくいただきます。
これらのお悩み。一見ネガティブなことに聞こえますが、私たち幼児教育の先生から言うと、
「うちの子飽きっぽいんですけど大丈夫でしょうか」という子どもの姿は
・頭の回転が早い
・興味の幅が広くて、色んなことにアンテナを張れる
「うちの子興味が狭くて、もっと色んなことに挑戦して欲しいんです・・・」という子どもの姿は
・1つのことに熱中できる
・探究心や集中力、こだわりがある
というように、実はどちらも大きな長所だったりするんです。
そして、このような子どもたちの姿を見て、時に大人はこのような論争を繰り広げます。
「1つのことに集中できる子と色んなことに興味を持つ子、どっちが将来成功するのか?」
個人的にはどちちも素晴らしい子どもの才能だと思っているので、どちらが良いなんてないと思うのですが、この論争を通じて子どもたちの生まれ持った才能を間違った方向へ導いてしまうことを懸念しています。
ありのままの子どもを受け入れる
どういうことかというと、例えば仮に「幅広く色んなことに挑戦できる人の方が将来成功できる」という結論が出たとします。
そうした場合、もし皆さんのお子さんが幅広い興味の持ち主ではなく、どちらかというと1点集中型だなと感じていたらどうしますか?ただただ焦りませんでしょうか?
その結果もしかしたら、せっかくの1点集中型の長所をなんとか色んなことに興味を持てる長所に変えようとして、あれやこれや環境を作ったり、どこかに連れて行ったり。
でも子どもは全く興味を持てずに親はさらに焦り、子どもも本当にやりたいことができなくて親子でどんどんマイナスになっていってしまう・・・なんてことにも成りかねません。
親である皆さんや私たち先生ができるのは、子どもを将来成功しやすい子に変えることではなく、子どもが自ら伸ばしたいと思っている長所や頑張りたいと思っていること、“好き”や“興味”を理解してあげて、それを活かせる環境を作ってあげることだということです。
子どもが何か1つのことをずーっと取り組んでいたいならそれをやらせてあげればいいんです。
反対に色んなことに興味が移り変わっていくなら、色んなものに興味を持たせてあげればいいんです。
それがその子にとって一番望んでいるものであり、その子なりの成長の仕方があるんです。
親ができるのは、活かせる環境作りだとお伝えしましたが、一番の環境というのは、「大人から否定されない環境」です。これが唯一無二です。
つまり、興味の幅が広かろうが、1点集中が得意だろうが、
それを大人が受け入れ、「いいね!」というエールを送り、認めてあげる。
これがその子が最も成長できる環境作りだと思います。
では、ここからはそんな子どもの特性を活かした環境を作っていくためのポイントを3つご紹介していきます!
①子どもの特性を決めつけず、変わっていくと理解する
まず、このように1点集中タイプか興味が移り変わっていくというタイプは正直その子の本質としての特性ではなく、その時の状態と考えた方が良いです。
私たち大人でも、いくら一点集中タイプの人だったとしても興味のあるものに出会えていない時期は、1点集中ではなく、色んなものに手を出してみては、飽きてやめるを繰り返す時がありますよね。
そして、すごく楽しいことや燃えるものに出会ったらそこから1点集中が始まったりするものです。
ある程度持っている特性によりますが、大人ですらそうなのですから、子どもはその変化がもっと大きいことが多々あります。
ですから、私たち大人は子どもの特性は変わっていく可能性があるから決めつけないようにという心構えを持っていると、子どもの変化に合わせて柔軟にサポートをしていくことができます。
②子どもが変わることに期待しすぎず気楽な環境作りをする
子どもを変えようとするのではなく、好むものをやりたいようにやらせてあげる。とお話しましたが、じゃあ1点集中を好む子に興味が広がるようなサポートをしたり、興味を広げていくことを好む子に1点集中ができるサポートをしてはいけないかというと、そうではありません。
例えば、簡単な例ですが、
1点集中タイプの子が昆虫が大好きで、昆虫図鑑や昆虫関係の本ばかり見ているとしたら、
・他の本を図書館から借りてきてあげる
・別の分野の体験をするきっかけを作る
これは問題ありません。
反対に、興味が移り変わりやすいタイプの子を観察していて、親から見て「これは好きそう!」と思ったものがあれば、それをさらに掘り下げるように、
・その分野の図鑑や本を買ってあげる
・その分野の体験ができる場所に連れていく
これもOKです!
何が言いたいかというと、どんな環境やきっかけを子どもに作ってあげるかは親の問題ですから、良いと思ったものはやってあげれば良いのです。
ですが、そこから先、それに興味を持つかは別問題だと考えて、結果にフォーカスしない考え方でいてあげてほしいということです。
それが「早く1つの熱中できることを見つけ“ねばならぬ”」「早くこの子の興味を広げてあげ“ねばならぬ”」といった感じで、使命感みたいなもので親が突き動いているようになってしまうと子どもにもプレッシャーですし、なかなか上手くいかないことが多いです。
「なにかのきっかけになったらいいな!」とか「別に興味を持ってくれなくても1回体験できただけでOK!」くらいの気楽な気持ちで環境作りをしてあげてくださいね。
③どっちでもないように見える子がほとんど
最後はこれです。今回『興味の幅が狭いorすぐに飽きてしまう』というテーマで話してきましたが、実はどちらのタイプでも無いように見える子も多いです。
もし皆さんのお子さんがどっちでも無いように見えるのであれば、どっちでもなくて良いです。
別に無理して「どちらかというとこっちのタイプかな・・・」なんて決める必要はありませんし、そんなことしてもなにも良いことは起こりません。
今回伝えたかったのは、とにかくタイプなどで子どもの将来の可能性を決めつけて、そのタイプが良くないと言われるタイプだった時に大人が一喜一憂して子どもを振り回す。
その結果、子どもが本当にやりたいことや本当の強みを見れなくしてしまったり、本人が自信を無くすきっかけになってしまったりならないでほしいということです。
さいごに
どんな自分でも親が肯定してくれて、承認してくれて見守ってくれる。
これが子どもの『自己肯定感』を育みます。自己肯定感こそ将来の成功の要素と言われますよね。
ぜひ、世の中に溢れる『こんな子が将来成功する!』という情報に惑わされすぎず、今のお子さんの長所をありのまま伸ばしていきましょうね!
いかがでしたでしょうか?
皆さんの子育てを応援しています!