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今年の桜はなぜすぐ満開に?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
東京都港区(4日2日撮影)

「今年の桜は、咲き出してからあっという間に満開になった」という声を多く聞きます。気象台で観測されている桜も、開花から満開までの日数が平年より短い所がほとんど。なぜ、今年の桜は急に咲きそろったのでしょうか?

冬が寒いほど桜は咲きそろう

関東から九州にかけての桜は、平年だと開花から満開まで1週間から10日間ほどです。ところが、今年は4日(金)までに満開となった34地点のうち31地点が、平年より短い日数で満開に。たとえば、東京は5日間、徳島は3日間で満開となっています。

開花から満開の日数が短い理由の一つは、3月下旬以降の高温。開花する時期に暖かさが重なり、花芽が一気に成長したことが挙げられます。

もう一つは、冬の寒さです。

桜の花芽は、厳しい寒さにさらされることで、開花に向けてのスイッチが入ります。

寒さが厳しい地域では、花芽が「よーい、どん」で同時期に成長し始めるため、同じ木の中で花が開くのも同時期になりやすく、5~6輪開く「開花」から満開までの日数は短くなります。

平年だと、仙台は5日間、札幌4日間、稚内は3日間です。2012年には旭川で、開花から満開が同日ということもありました。午前中に開花して、午後には満開になったのです。

満開までの日数は天候の履歴書

一方、関東から九州にかけては、冬の寒さが厳しくない年もあります。そういった年は、開花に向けてのスイッチが入るタイミングがバラバラになりやすく、咲きそろうのも時間がかかります。

ところが、今年は冬が寒かったおかげで、北日本のような傾向に近づき、同時期に咲きそろいやすく、あっという間に満開になったのです。

開花から満開までの日数は、冬から春にかけての天候の履歴書のようなものですね。

雨や強風は例年以上に大敵

花がそろって開いているわけですから、当然、そろって散りやすくなります。

例年なら、少しずつ葉が目立って…というところが、今年はあっという間に葉桜になる可能性も。雨や強風は、例年以上に大敵になるかもしれませんね。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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