【コーヒーの歴史】ラテンアメリカに咲いたコーヒーの木!―品質と歴史が織りなす一杯の物語―
ラテンアメリカの国々では、ブラジルを除き、小規模農園を中心にコーヒー栽培が広がりました。
1821年に独立したコスタリカは経済的自立のため、住民に土地と苗木を配布し、持続可能な農業形態を構築したのです。
コスタリカのコーヒーは高品質を誇り、特にヨーロッパ市場で人気を集め、やがてアメリカへの輸出も拡大していきました。
コロンビアでは、18世紀末から19世紀初頭にかけてコーヒーが伝わり、19世紀後半に産業が拡大しました。
品質の高い豆を大量生産することを目指し、国内各地で品種改良が進められ、世界市場での評価も高まったのです。
また、コスタリカと同様に、コーヒー農園では自給用の作物も栽培され、労働者の生活を支える仕組みが整えられていました。
グアテマラでは、コチニール産業に代わる新たな商品作物としてコーヒー栽培が導入されましたが、先住民の酷使や反乱が相次ぎました。
19世紀末にはドイツ系移民が農園を経営し、近代技術の導入とともに大規模なプランテーションが形成されたのです。
これらラテンアメリカの国々が紡ぐコーヒーの物語は、それぞれの国の歴史や社会と深く結びつき、現在も世界中で愛される一杯に凝縮されております。
その香りは、単なる嗜好品を超え、地球のさまざまな文化や努力を伝えているのです。
参考文献
マーク・ペンダーグラスト著、樋口幸子訳(2002)『コーヒーの歴史』河出書房新社