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TJ・ドヘニー戦発表。井上尚弥がアフマダリエフ戦を避けてもWBA王座を保持できる理由#専門家のまとめ

三浦勝夫ボクシング・ビート米国通信員
井上尚弥と大橋秀行会長(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

スーパーバンタム級4団体統一王者井上尚弥(大橋)の次戦は予想通り、TJ・ドヘニー(アイルランド)と行われることになった。井上が保持する4本のベルトのうちWBAは6月中旬、1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名試合を通達した。井上は「ベルトにこだわりはない」と王座はく奪、返上も覚悟している様子だが、理不尽とも思えるWBAの要求を無視して重要なピースが欠ける心配はないのだろうか。

ココがポイント

▼サム・グッドマンとの防衛戦が有力だった井上だが日本リングとの関係が深いドヘニーを選択。日程は9月3日、有明アリーナ

井上尚弥の次戦が37歳ドヘニーの理由 「やるのは必然」「ネリより怖さある」大橋会長が説明 (THE ANSWER編集部)

▼WBA“スーパー”王者の井上には指名試合の期限はない。一方でアフマダリエフ陣営の傍若無人な姿勢を鋭く指摘

なぜ井上尚弥はWBAの指名試合指令を「嫌がらせ」と感じたのか…「ベルトにこだわりはない。剥奪でも返上でもぶっちゃっけどっちでもいい」(RONSPO)

▼絶対有利の井上にはドヘニー戦で連続KOと日本人の世界タイトルマッチ最多勝利記録がかかる。ネリ戦を超える試合を覚悟

井上尚弥9・3ドヘニーとの防衛戦決定 勝てば日本人の世界戦勝利数単独トップ (日刊スポーツ)

エキスパートの補足・見解

井上がアフマダリエフとの指名試合を通達された9月25日までという期限はマーロン・タパレスを下してWBA王座を吸収してから9ヵ月目に当たる。これはWBAレギュラー(正規または通常と解す)に対するルールで格上のスーパー王者に認定される井上には適応されない。WBA正規王者の中には3年以上防衛戦を行わないのに王者で居続けた者もいるほど。だから今回の件は笑止千万と言える。WBAに質問状を送ってみたが案の定、回答なし。アフマダリエフの背後にはエディ・ハーン・プロモーターがおり、高額報酬が見込まれる井上との試合に食指を動かしている。そのパーセンテージで承認料を徴収するWBAが便乗したと受け取っていいのではないか。

ボクシング・ビート米国通信員

岩手県奥州市出身。近所にアマチュアの名将、佐々木達彦氏が住んでいたためボクシングの魅力と凄さにハマる。上京後、学生時代から外国人の草サッカーチーム「スペインクラブ」でプレー。81年メキシコへ渡り現地レポートをボクシング・ビートの前身ワールドボクシングへ寄稿。90年代に入り拠点を米国カリフォルニアへ移し、フロイド・メイウェザー、ロイ・ジョーンズなどを取材。メジャーリーグもペドロ・マルティネス、アルバート・プホルスら主にラテン系選手をスポーツ紙向けにインタビュー。好物はカツ丼。愛読書は佐伯泰英氏の現代もの。

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