Yahoo!ニュース

20戦全勝15KOの世界10位が迎える無敗対決

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo: Top Rank

 20戦全勝15KOでWBCスーパーライト級10位にランクされるリンドルフォ・デルガド(29)。メキシコ代表として出場した2016年リオ五輪では初戦で姿を消したが、プロ転向後は一段一段、着実に階段を上がって来た。

 デルガドは8月10日(土)に、ニューメキシコ州アルバカーキーのティングリー・コロシアムでブライアン・フローレスとの10回戦を迎える。同じメキシカンであるフローレスの戦績は、26勝(15KO)無敗1分。

Photo: Top Rank
Photo: Top Rank

 この興行のメインでは、30勝(17KO)2敗のIBFフェザー級チャンピオン、ルイス・アルベルト・ロペスに、地元、アルバカーキー出身の挑戦者、アンジェロ・レオ(24勝1敗、11KO)が挑む。デルガドとフローレスには、セミファイナルが用意された。

Photo: Top Rank
Photo: Top Rank

 デルガドは2022年8月に、当時、24戦全勝23KOと快進撃を続けていたオマール・アギラールを3-0の判定で下し、名前を売る。以来、彼は4連勝中で、直近の2戦は連続KO勝ちを収めている。 2023年11月にルイス・エルナンデスを4回でストップし、3月にはカルロス・サンチェスを7ラウンドでKOした。

 一方のフローレスは、2023年4月にシナード・バンチからスプリットディシジョンで勝利を挙げ、昨年9月にエレアザル・ヴァレンズエラ・カリージョを3回KOで、今年の3月にはホルヘ・アベル・ベルムデスを4回でノックアウトして好調を維持している。

Photo: Top Rank
Photo: Top Rank

 カリフォルニア州リバーサイドのロバート・ガルシア・ボクシング・アカデミーでのトレーニング後、デルガドは言った。

 「ブライアン・フローレスは、豊富な経験を持つ優れたファイターだ。打ち合いが好きで、パンチもある。間違いなく火花が散るファイトになる。本当に良い試合になるよ。ヤツを倒して、もう少しランキングを上げてやるさ。

 俺にはとても良いスパーリングパートナーがいるんだ。今回のキャンプでは、レイモンド・ムラタラ、ブランドン・リー、他にも高いレベルのボクサーたちとスパーリングをこなした。バージル・オルティスとも数ラウンド行った。非常に内容の濃い練習だったね。彼らは俺を後押しするだけでなく、色々と考えるきっかけを与えてくれた。

Photo: Top Rank
Photo: Top Rank

 スパーリングセッションは俺に学びを与え、ラウンドを複雑にした。毎週、月、水、金と激しいスパーを重ねたからこそ、自分のベストが出せる。こういう環境を自分は気に入っているし、最高の準備ができたよ。

 まずは、フローレスと戦わなければならない。その後、神が望んでくれれば、世界タイトルへのチャンスを得ることができるんじゃないか」

Photo: Top Rank
Photo: Top Rank

 今週末ゴングが鳴る無敗対決。生き残るのはどちらか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事