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過去4年のワールドシリーズ優勝はすべて違うチームだが、どのチームにも「ウィル・スミス」がいた

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウィル・スミス(ロサンゼルス・ドジャース)Oct 27, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズ連覇は、1998~2000年のニューヨーク・ヤンキースを最後に途絶えている。今年も、その可能性はすでに消滅した。昨年、ワールドシリーズを制したテキサス・レンジャーズは、今シーズン、78勝84敗と負け越し、ポストシーズンに戻ってくることさえできなかった。

 2018年以降のワールドシリーズ優勝は、すべて違うチームだ。2018年がボストン・レッドソックス、2019年がワシントン・ナショナルズ、2020年がロサンゼルス・ドジャース、2021年がアトランタ・ブレーブス、2022年がヒューストン・アストロズ、2023年はレンジャーズ。その前の2017年は、アストロズが優勝を飾った。

 ただ、過去4年の優勝チームには、いずれも、ウィル・スミスがいた。2020年は、捕手のウィル・スミス(ドジャース)。2021~23年は、リリーフ投手のウィル・スミス(現カンザスシティ・ロイヤルズ)だ。2022年のワールドシリーズでは登板していないが、ロースターには入っていた。

 捕手のスミスは、今年のポストシーズンにも出場する。メジャーリーグ1年目の2019年から、ポストシーズンでプレーしなかった年は一度もなく、今年で6年連続となる。

 一方、投手のスミスは、8月下旬に腰を痛め、そこから復帰はしていないが、ロイヤルズがポストシーズンを勝ち上がり――ワイルドカード・シリーズはボルティモア・オリオールズをスウィープした――リーグ・チャンピオンシップ・シリーズやワールドシリーズへ進んだ場合、投げられるようであれば、ロースターに入る可能性もある。

 今シーズンは、45登板の41.1イニングで防御率6.53ながら、最後の5登板を除くと、40登板の36.2イニングで防御率3.93だ。ポストシーズンのロースターは、シリーズごと(と怪我人が出た場合)に入れ替えることができる。

 ドジャースとロイヤルズが揃ってワールドシリーズへ進めば、どちらが優勝するかを問わず、過去4年に続き、ワールドシリーズ優勝チームにはウィル・スミス、となり得る。

ウィル・スミス(カンザスシティ・ロイヤルズ)Aug 6, 2024
ウィル・スミス(カンザスシティ・ロイヤルズ)Aug 6, 2024写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 なお、いずれも異なるチームで3年続けてワールドシリーズ優勝は、投手のスミス(2021~23年)以外にいない。それについては、昨年のワールドシリーズが始まる前に、こちらで書いた。

「アストロズは今世紀初のワールドシリーズ連覇を逃したが、この選手は史上初「1人3連覇」の可能性あり」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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