東北の人気店、佐藤屋さんの「栗こ餅」は独り占めしたくなる王道の味!スプーンで思い切り掬いたい…!
栗とお砂糖、お店によっては塩を少しだけ加えた秋の味覚「栗きんとん」。そこへもう少し、食べ応えを加えたものが「栗粉餅」。
栗粉餅とは、栗きんとんの栗餡をそぼろ状にし、一口サイズのお餅やほんのり甘い求肥に纏わせたお菓子。大きな容器で取り分けるようにしてお作りになるお店もあれば、上生菓子のようにおひとつずつお作りになっているところも。昨今は栗の名産地呼ばれる岐阜県などからクール便にて取り寄せすることも可能となっていますね。
山形県山形市にて、200年余りの間暖簾を掲げてきた「乃し梅本舗 佐藤屋」さん。和製グミのような梅のお菓子、乃し梅のほか、「和菓子をちょっと自由に。」をモットーにする八代目を中心に、お酒や果物を合わせた和菓子をお作りになっているお店です。
今回は梅でもお酒でもなく、佐藤屋さんの季節商品の中でも人気の「栗こ餅」をご紹介。
なぜこうも人は、わっぱ入りの食べ物に心の温度が3度ばかり上昇するようなわくわく感を覚えるのでしょうか。そっと開封すれば、目の前に広がるのは一面の栗そぼろと、ひょこっと頭を覗かせるお餅。
こちらのお餅はまた独特で、一般的な糯米の5分の1程度の粒の道明寺粉「頭道明寺」。一般的な桜餅や椿餅に用いられる道明寺よりも素早く糯米特有のふっくらとした旨味や甘味が広がり、その余韻も長く続くのも特徴のひとつ。
その道明寺をふんわりと覆っているのは、茨城県の契約農家さんから収穫後すぐ直送していただいているという栗のそぼろ。工房にて蒸かしてひとつずつ皮を剥き潰して加工するという(これがもう大変な力仕事…!)鮮度も抜群な栗餡です。そぼろ一本一本の空間を構成する空気ですら栗の香ばしさを纏い、ストレートに美味しいとガッツポーズをしてしまう栗の素朴さと力強さ。ほろほろっとしているものの、口溶けはとっても滑らか。
それゆえに、ぎゅっと凝縮された頭道明寺との相性は抜群。道明寺の仄かなざらつきが口の中で栗餡をしっかりと捕らえ、ふたつのハーモニーが出だしから最後まで続くのです。
とはいえ、ここはわっぱ入りのお菓子ならではの醍醐味を。
古来より伝わりし材料と手法で作り続けられている栗こ餅を、栗そぼろだけ、お餅だけ、半分ずつ〜と思い思いのバランスで「ちょっと自由に」召し上がるのも醍醐味ですね。
(くれぐれも喧嘩になりませんよう…そこは仲良く。)
※こちらは店舗受け取り限定でのご予約が可能です。
<乃し梅本舗佐藤屋・本店>
公式サイト(外部リンク)
山形県山形市十日町3-10-36
023-622-3108
9時~18時
不定休