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テオとドジャースが再契約の可能性は下降中!? 別の外野手が加わり、ベッツは遊撃を守るということは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
テオスカー・ヘルナンデス Oct 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースは、先発投手のブレイク・スネルに続き、こちらもサンフランシスコ・ジャイアンツからFAになった選手を手に入れたようだ。MLB.comのマーク・フェインサンドらが、外野手のマイケル・コンフォートと1年1700万ドルの契約で合意、と報じている。

 コンフォートは、来年3月に32歳となる。2021年の全休を挟み、ニューヨーク・メッツ(2015~21年)とジャイアンツ(2023~24年)でプレーしてきた。2017~19年のシーズン本塁打は、いずれも30本前後。27本→28本→33本と推移した。2024年は20本塁打ながら、そのうちの17本をアウェーで打った。ジャイアンツの本拠地であるオラクル・パークは、ホームランが出にくい。コンフォートは、選球眼もよく、通算の四球率は11.6%、出塁率は.348を記録している。

 また、MLB.comのソーニャ・チェンによると、コンフォートとの契約が報じられた翌日、ブランドン・ゴームズGMは、ムーキー・ベッツについて、遊撃手としてシーズンに臨む予定、と語ったという。それまでは、二塁と遊撃のどちらを守るのか、はっきりしていなかった。

 FA市場に出ていた遊撃手、ウィリー・アダメスは、7年1億8200万ドルの契約でジャイアンツに入団するらしい。ESPNのジェフ・パッサンらが報じている。もしかすると、ベッツの遊撃は――今後変動することもあり得るが――アダメスの動きによって確定したのかもしれない。

 ベッツが遊撃を守るということは、トミー・エドマンはセンターがメインとなるはずだ。現時点の外野トリオは、左から、コンフォート、エドマン、アンディ・パヘズが有力だろう。控えには、ジェームズ・アウトマンと内外野を守るクリス・テイラーがいる。

 コンフォートの加入だけでなく、ベッツの遊撃も、ドジャースがテオスカー・ヘルナンデスと再契約を交わす可能性を下げる要素に見える。もし、ベッツが遊撃ではなく二塁を守り、エドマンが遊撃手としてベッツと併殺デュオを形成すれば、パヘズはセンターの筆頭候補だろう。となると、外野のコーナーの一方が空く。テオスカーのポジションは、レフトかライトだ。

 もちろん、テオスカーを呼び戻し、パヘズを控えとすることもできる。パヘズとアウトマンは、マイナーリーグ・オプションが残っているので、ウェーバーを経由せず、保有したままメジャーリーグとマイナーリーグを行き来させることができる。

 だが、ホアン・ソトとメッツが契約の合意に達したことも、テオスカーの去就に影響しそうだ。

 ソトと同じポジションのテオスカーは、ソトを逃した球団の「プランB」になり得る。しかも、テオスカーと違い、タイラー・オニールは、ソトの「プランB」として検討される前に、FA市場から消えている(「44本塁打の外野手がFAとなったオリオールズに31本塁打の外野手が入団。そのプラスマイナスは…」)。オニールがいない分、テオスカーの人気が上昇、ということも考えられる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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