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保育園に子どもを通わせているなら知っておいて!保育士のサービス残業で子どもたちに迫る危機

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。

「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、現在子育てや育児に関する情報の発信を行っている現役の保育士です。

今回は頂いたご質問はこちら。

Q:どうして保育士はサービス残業が多いんですか?

こちらについてご紹介していきたいと思います。

※動画は1分14秒です。

度々ニュースで取り上げられる保育士問題。

賃金の低さや労働環境の過酷さなど良くない話をたくさん聞きますが、サービス残業の多さも数ある問題の1つです。

しかし、どうして保育士はそんなにもサービス残業に追われているのでしょうか?

解決する術はないのでしょうか?

それでは、保育業界の慣習とそれらがも引き起こしている深刻な問題についてご説明していきたいと思います。

保育士業界の実態

なぜ保育士はサービス残業が多いのでしょうか?

それは今日保育士が働いている労働環境に問題があるからです。

具体的に保育士の仕事について説明しましょう。

保育士の仕事の中で1番大きな割合を占めるのが子どもの保育です。

分かりやすく簡単に言えば、子どものお世話ですね。

これは出勤してから退勤するまで、子どもが起きている間ずっと行っています。

では、子どもの昼寝時間はどうでしょうか?

子どもたちが寝ている間は順番に休憩を取りながら、書類の作成業務を行います。

しかし、書類の作成よりも大切なことがあります。

それは昼寝中の子どもたちの顔色や呼吸など、体調をチェックすることです。

書類の作成と体調のチェックが同時に行われます。

0歳児であれば顔色、呼吸のチェックは5分に1回です。
仮に10人のチェックを2分(確認と結果の記入)で終わらせたとしても、3分間書類の業務をしたらまた体調のチェックです。
これではなかなか作業が進みません。

それに加えて、昼寝の途中で起きる子は絶対にいるので、じっと静かに待っていてくれるはずもなく、騒いでしまったり、泣き出したり、おねしょしたりと子どもの対応は常にあります。

そのため、昼寝時間をまるまる休憩と書類にあてるのは現実的に不可能なのです。

子どもが起きた時点で子どもの対応に追われてしまい、書類は未完成のまま残ってしまいます。

そして、残った仕事は持ち帰って行うというのが今の保育業界の現状です。

子どもたちに迫る危機

保育士の業務の負担が大きく、保育士に余裕がなくなれば、当然子どもたちにも影響が出てきてしまいます。

具体的にどのような問題が考えられるのでしょうか?

様々な問題がありますが、中でも深刻なのは“保育の質の低下”でしょう。

保育士に余裕がなければ子どもへの対応が適当になったり、後回しにしたり、十分な準備のないまま保育が行われたりと、専門性が薄れてしまうのは明白です。

現場で最も大切なのは子どもとの関わりである一方で、そこが疎かになりかねません。

また、現在保育士が不足していることで、年々保育士の資格が取りやすくなっている傾向があります。

簡単に資格が取れてしまえば、専門性が低くなってしまうことも十分に考えられますね。

このように、保育士の労働環境の過酷さは全て子どもたちにしわ寄せされていくのです。

いかがでしょうか?

ゆとりのある保育や子どもたちの未来のために、保護者の皆様にも保育士の現状をぜひ知っていただき、声をあげていってもらえたらと思います。

動画でも保育士の現状について簡単に分かりやすく解説しているので、気になる方はそちらもご覧ください。

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保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

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