子どもと遊んであげないとダメ?「子育てに疲れた」と感じる方に保育士が伝えたい5つのこと
こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、子育てや育児に関する情報の発信を行っている保育士です。
今回は頂いたご質問はこちら。
Q:ハイテンションで子どもと一緒に遊ぶ親を見ていると、すごく良い親に見えてしまいます。私はそうやって子どもと一緒に遊ぶことが苦手なのですが、できる限り子どもと一緒に遊んであげた方が子どもにとっては良いのでしょうか?
毎日大変な育児をこなしていると、時には苦しくなってしまうこともありますよね。
手を抜きたくなる時もあると思います。
しかし、「本当は子どもの相手をしてあげないと!」と思っていると、どんどん苦しくなっていってしまうもの。
子どもとはたくさん遊んであげた方が良いのでしょうか?
そんな悩みについて解説していきたいと思います。
これで解決!
親は子どもと積極的に遊んであげるべきなのでしょうか。
結論から言うと、親が積極的に子どもと遊んであげる必要はありません。
1つ目として、子どもが「一緒に遊びたい!」という意思表示をした時にだけ遊んであげると良いでしょう。
その上で、ここからは年齢別に考えてみたいと思います。
おおよそ0〜2歳の場合
この年齢の子どもたちは、日常生活での関わりを通して親との愛着を築いていく時期です。
・ミルクやご飯をもらう
・オムツを替えてもらう
・スキンシップ
・顔を見合わせて微笑む
といったやり取りを通して密接な関係を築いていきます。
そのため、「ママやパパと一緒に〇〇したい」という形で行動しようとすることが自然と多くなる時期です。
一方で、必ずしも親が近くにいたり、いつも声をかけたりする必要はありません。
この時期は親との愛着関係が築かれてくることで、親から少し離れた場所へ行ってみようとするようになり、何か怖いことがあれば安全基地の役割として親のところ戻って安心するということを繰り返します。
2つ目として、「怖かったらいつでも戻って来てね。すぐに守ってあげるからね」という姿勢でいることで、子どもたちの気持ちの支えとなるでしょう。
繰り返しますが、必ずしも親が近くにいたり、いつも声をかけたりする必要はありません。
おおよそ3〜5歳の場合
一方で、3〜5歳くらいになると、親との関係で学んだやり取りを使って友達と一緒に過ごすことが多くなります。
この時期になると、私たち保育士も遊んでいる子どもに声をかける機会は大きく減ります。
しかし、声をかけるタイミングが大きく分けて2つあります。
1 遊びを広げていく
この時期はごっこ遊びのように、友達同士でイメージを共有しながら一緒に遊ぶことを楽しむようになります。
子どもが集中して遊ぶ時間は、自分たちの世界にのめり込む大切な時間。
しかし、この時に大人が声をかけてしまうことで、子どもたちを現実世界に引き戻してしまうのです。
私たち保育士が大切にしているのは、遊びを広げていく援助をすることです。
例えば、粘土でてんとう虫を作ったとしましょう。
そのてんとう虫に足が4本しかなかったなんてことはよくあります。
そんな時は、そっと図鑑を近くに置いてみたり、図鑑に気が向くような言葉をかけてあげるのです。
そうやって足が4本ではなかったことに気付けば、子どもたちの遊びはどんどん広がっていきます。
また別の機会では図鑑を見てから粘土を触るようになるかもしれません。
3つ目として、「この一言でこの子の遊びが広がるのではないか」と感じた時に、必要なだけ関わってあげることが大切なポイントです。
2 トラブルの解決を援助する
もう一つ、保育士が子どもに声をかける場面として、トラブルになった時があります。
時には暴力的になってしまう子もいますが、私は決して怒る必要はないと思います。
それは、怒って止めることで、その子が学ぶのは力で人を押さえつけるということしか学ばないからです。
声をかけると言っても、
「どっちが先に叩いたの?」
「それじゃあ、あなたの方が悪いじゃないの」
「あなたが謝るべきよ」
というように、大人が主導で解決するわけではありません。
子どもが自分たちでトラブルを解決できるように援助することが大切なポイントです。
4つ目として、子どもだけで解決できないトラブルが起こった時には声をかけてあげると良いでしょう。
子どもたちが自分で解決できるようになる方法は、下の記事で詳しく説明しています。
色んな人と色んな関わりを!
ここまで必要以上に声をかけないということをご紹介してきました。
しかし、これらは私たちが保育士、つまり保育の専門家としての立場からの子どもとの関わりに過ぎません。
子どもたちに必要なのは、保育士のような専門性のある関わりだけではないと思います。
様々な人たちと様々な関わりを広げていきながら、様々な視点や考え方を獲得していくことも大切でしょう。
その中でも、最も子どもに大きな影響を与えるのは子ども同士、つまり友達の存在です。
5つ目として、大人が子どもと遊んであげることよりも、友達と気の向くままに遊ぶことの方が子どもたちにとっては大きな刺激となるでしょう。
今回は「遊んでいる子どもたちに対してどう関わるか」という視点から子どもへの言葉かけについてご説明してきました。
そのため、子どもと会話したり、遊んだりすることそのものを否定しているわけではありません。
子どもと一緒に遊んだり、会話を楽しんだりすることは、子どもたちの思考力を高め、豊かな言葉を育む大切な関わりです。
しかし、育児は非常に大変なもの。
いつも子どものために親が真剣になっている必要はないと構えておくことで、少し気持ちも楽になると嬉しいです。
子どもとの距離感を意識してみると、子どもたちにとってより良い関わりとなるのではないでしょうか。
その他、育児や保育園などの子どもに関する質問はぽん先生の質問フォームより募集中です!